いつの頃からだったか部屋の中で
ちいさいクモを見かけるようになってました。
クモは、ちいさいのと、うんとちいさいのの
二匹いますが、巣を貼るわけではなく、
部屋の隅っこや、壁にいるだけです。
とうちゃん達の知らない所で、蚊をやっつけて
くれてるのかもしれないと思って、
踏んづけたり、掃除機で吸わないように
気をつけて暮らしてたんですけど、昨夜、
ちいさい方がとうちゃんの布団の上を
ぴょこぴょこ歩いてたんですよ。
寝ながら踏んづけちゃったらやだし、かじられ
たらもっといやなので、そっとつかんで窓の外に
放り出したら、ちょうどいいタイミングで
うんとちいさい方のクモが現れたんですよ。
ちいさすぎるのでうまくつかめないのをいい
コトに、ぴょこんぴょこんとあちこち逃げ回ります。
その様子を寝ながら見ていたみんみが、
「あーあ、ばらばらになっちゃった……」
って、二匹が離ればなれになった事を気の毒がるので、
「うんと小さい方は、明日の朝起きられなくて困るかもな」
って、とうちゃんに起こされないといつまでも寝てる
みんみにあてこすりを言いながら、逃げ出したクモを
何とか捕まえまして、窓から放り出そうとしたんですが、
じょうずにジャンプして部屋に戻って来ちゃったんですよ。
そしたら、みんみがへらへらした顔で、
「とうちゃんの面倒を見るのが嫌なんじゃない?」
って。
失礼な話です。
とうちゃんは、クモの話しをしてるんですよ。
当てこすりはしましたけど、あくまでもクモについて
しゃべってるだけ。
なのにみんみは、このとうちゃんが
めんどうくさいみたいなコトを言っている。 ムカっ!
うんとちいさい方を乱暴にひっ捕まえて、窓の外に
「ていやーっ」つって捨てました。
次の日、車の助手席のみんみが手首をポリポリかいてて、そういえばとうちゃんも
ひじのあたりがかいいなぁ、って思ったら蚊にくわれてたんですよ。
あの親子はホントに働き者だったのかもしれません。
大いなる力には大いなる責任が伴う