Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

空飛ぶ猫

2013-04-08 | 生き物

 

 Mさんちの猫は齢14歳(人に置き換えると80歳を越える老齢猫)いやRさんちのインコは齢20歳(こちらは100歳を越えるとか)う~ん…

 いえいえ、何もペットの長寿自慢をしているわけではない…

 

 さて、このMさんちの猫は、本来地域のコミュニティで飼われていたような性格の半ノラ猫で、

 それなりに人との距離を保ちながらも、飼い犬を塀の上から小馬鹿にするような

 依存することをよしとしない野生の矜持も持ち合わせていたらしい。

 

 ところがいつの間にか、この猫がMさんの御主人の膝に、チョコンと納まるようになってきた。

 野生の臭覚は、この場所を居心地よしと嗅ぎ分けたような??

 

 さて、安住の地を得た猫が、齢7歳を迎えた。

 Mさんは、長年住み慣れた家を離れて転居しなくてはならなくなった。

 それも遠く離れた場所に。

 

 残念ながらペットの飛行機での移動は、客室への持ち込みは禁止され手荷物扱いとなる。

 生物としての時間を、その土地の空間認識に生きてきた猫は、

 おそらくそのタイムスケールを完全に失ってしまったのだろう?

 ケージに収められた猫はパニックを起こし、あらん限りの声を上げて「フニャーフニャー」人(猫)格破壊を訴えたらしい。

 手荷物カウンターのベルトコンベアーから現れた耳を垂れた猫と対面したMさんは、そのあまりにも哀れな有様に唖然としたと述懐する。

 この生物のとしての空間移動と所要時間のずれについて、

 たしか梨木香歩も著作のなかで触れていたように記憶している。

 

 新天地に辿り着いたMさんちの猫、

 その後、14歳に至る現在まで、いっさい家から外へ出ることを拒み、

 囲い込まれた家屋内のみをテリトリーとして暮らし続けていると云う。

 

 こういう適応の仕方が生物として特殊な例なのか否かは、私には判断材料がない。

 でも何とも、愛おしさが募る、あっぱれな生物としての生涯よ。

 (まだ死んでないって?)

 


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3 コメント

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困ったときの動物ネタ (ランスケ)
2013-04-09 20:27:56
困ったときの動物ネタ…

ホッホさんちの猫は齢18歳だそうです。
Rさんちのインコは20歳でしょ。
周囲を見回すと、ペットの世界も超高齢化なのですね。

みんな、それぞれに笑えるネタが沢山あるらしい。
Mさんちの猫にも後日譚があるとか。
当分、動物ネタが続いたりして…(汗)

今日、アマゾンから佐村河内守のCDが届きました。
シンフォニーを通して聴くと、より第3楽章の凄さが際立ちます。
慰撫するように優しく、そして静かに込み上げてくる感情を抑えることができません。
涙が止め処もなく頬を伝っていました。
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猫は何でも解っている (ホッホ)
2013-04-10 00:17:30
我が家の猫チロル(メス・1995年生まれ・まだ本人は17歳だと言っています)は、毎朝6時過ぎには腹が減ったと鳴きます。
何、ご飯?と聞くとゴハン(ゴヒャン)何?ゴヒャンと即答です。毎朝、毎日食欲旺盛です。
毛作ろいはしなくなったので、ブラッシングをします。
しないと毛が入れ替わらないので不潔でどんどん毛並みも悪くなります。
爪は出っぱなしになるので定期的に切ります。(爪とぎもしなくなりました)
目も白内障の症状がでてきてます。
前足も少しO脚になってきました。
朝食後、ベランダに出て寛いでいると時々カラスが飛んでくることがあります。
その時はビックリして、走って家の中に帰ってきて家の中を走り回り凄い声で鳴きます。
その時は必至で歳の事を忘れていますが、落ち着くと我に返り暫く横になったまま 動きません。

お向かいのWさんちに回覧板を届けに行ったら最近チロルが来ないけど元気、て言われ。
昔話になってよくよく聞いてみると日替わりでお邪魔していて。
耕運機のイスで寝ていたり、納屋にいるネズミを捕まえて見せたり。お土産で得意そうに我が家にも持ち帰り大騒ぎになったことも多々あり。
Wさん家の玄関の手前の松の木(W家のシンボルの木)の横を前足で軽く穴を掘り徐に腰をおろしてウンチをして体をずらして一物を眺めてから怪訝な動きで前足で嫌そうに恥ずかしそうにに土をかけ何食わぬ顔で立ち去っていく行くとのこと・・・。

「今は、外ではほとんどしないで室内のトイレで唸りながら(大も小も)してます。大はコロコロしていて水分がほとんど無く痛そう。」

ぐっとくる笑いを抑えWさんにゴメンナサイといって早々にたちさりました。

将棋の羽生善治がタイトル7冠を制覇したとき対談の中で、これ以上将棋の未知の世界へ入り込むとそこから帰ってこれなくなる気がしたのでその次元に行くのはやめましたと言っていた。

ゴッホの絵は線描で一筆ごとのタッチに情熱、葛藤、苦悩、参加、絶望、祈りあらゆる心の叫びが露わになっている。
だからこそ画集を開くたびに前回よりも今回と感動が増幅していく。この純粋で狂気の中にこそ人知を超えた奇跡があり神の啓示があり誰にも真似のできない芸術が生まれたのだと思う。

凡庸な生き方や常識という枠の中で生きている人には決して生み出せない特殊な条件でのみ生まれた奇跡こそ芸術であり、その次元を超えてしまったのはゴッホや佐村河内守氏であると思う
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犬たちのロードムービー (ランスケ)
2013-04-10 16:16:17
私とホッホさんの遣り取りは、とり留めもなく長いので、それだけで幾つもの記事が書けそう(苦笑)

もうほとんど付け足すことはありません。
チロル嬢は17歳(セブンティーン)だったのね。
失礼しました。

またTVネタですが、昨夜のNHKで「21頭の犬たち・ふるさとへの旅」という飯館村の犬たちを取材した
ロードムービーが放送されました。
朝日新聞連載の「プロメテウスの罠」も現在は福島の被曝地帯に
放置されたペットたちを取り上げています。

家族として認知されたペットたちの被災後の運命も、かなり胸に詰まされます。

それから石鎚を撮り続けている写真家の秋本さん、
ホッホさんから御依頼の話を聞きました。
ありがとうございます。
また面河博物館で写真展開催の折には足を運びたいと思っています。
そして、お山でお会いできる日を楽しみにしています。
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