主戦場
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話題のドキュメンタリー映画「主戦場」を観て来た。
映画館に足を運んでまで観る映画は、単館ロードショーの佳作やドキュメンタリーばかりになった。
この映画も前回紹介した森達也の「FAKE」同様、東風の配給。
上映館はシネマ・ルナテック。
我が街の誇る単館ロードショー館。この映画も四国初公開。
歴史修正主義を扱ったドキュメンタリーなので予習として「否定と肯定」を観ておいた。
ポスト真実の時代と云われて久しいが、
安倍政権の6年間は、真実であることや公正(フェアネス)であることが何の意味も持たない無力感を味あわされた日々だった。
それは弱者虐めの誹謗中傷と差別主義が蔓延る邪悪なヘイトスピーカーが社会のメインストリートに躍り出た6年間だった。
日系アメリカ人映像作家ミキ・デザキによって撮られた本作は、アメリカまで論争が飛び火した従軍慰安婦問題を扱っている。
いまやこの歴史問題の主戦場はアメリカなのだ。
本編のクレジットにも紹介されているように、従軍慰安婦問題はユダヤ人虐殺ホロコーストと並ぶ戦争犯罪と欧米では見なされている。
このあたりの認識が日本国内と海外では温度差があり過ぎる。
この問題の本質は国が関与して来たか?ということよりも個人の人権が如何に踏み躙られたか?という人権問題なのだ。
本編に登場して滔々と持論を展開する歴史修正主義者たちの言葉を聴いていると、
その余りの露悪的な民族差別や女性蔑視の発言に、どんどん気分が重くなって来る。
最後に登場する日本会議の重鎮である加瀬英明の発言には、呆れ果てて場内から失笑が湧いた(笑)
事前に「否定と肯定」を観ておいて良かったと思う。
「主戦場」も裁判劇のように、それぞれの立場の人々の発言の後、
後半、畳み掛けるように発言の真偽が立証されてゆく。
特に櫻井よしこの後継者と期待されていた日砂恵ケネディの証言が歴史修正主義者の主張を根底から覆してみせる。
映画としてもスリリングで飽きさせない展開。
和太鼓の効果音が裁判官の槌音のように場内に重く響く。
岸信介から新しい歴史教科書をつくる会や日本会議に至る戦後の歴史修正主義の流れをコンパクトにまとめている
ので、この問題に関心の薄い人でも分かりやすい内容となっている。
最後に「騙された」と主張している歴史修正主義者たちの発言に対してのミキ・デザキ監督からの反論動画を貼っておきます。
5/24~5/30まで上映された「主戦場」は、再びシネマ・ルナテックで6/28~7/4まで上映されます。
しかし、現在の日本の現状から言えば、まさに戦場。
この現状に満足している人々・・・
いくら民主主義が多数決といっても話をしなければ変わらない。
まったく地方も同じ!
理解力かな? (笑い
この種の映画としては珍しく連日立ち見が出るほどの大ヒットだとか。
これもSNSによる情報拡散でしょうね。
日本の歴史修正主義は、ポツダム宣言受諾後の軍と役所による公文書大量焼却の成功体験によるところが大きいですね。
宗主国であるアメリカが、それをあえて咎めなかったと云うことが、彼らを増長させたのでしょう。
その成功体験は安倍内閣の公文書破棄や捏造、決算統計データの改竄へと脈々と受け継がれています。
そう云えば、日本会議の政治家って人権が大嫌いですよね。
改憲集会の動画を観ていると、日本国憲法の3本の柱である国民主権と基本的人権を諸悪の根源のように罵倒しています。
これを否定するということは、民主主義国家であることを否定しているわけです。
自由民主党という党名も変えなければ。
しかし見事に歴史修正主義者って洋の東西を問わず差別主義者ばかりですよね(笑)