近頃、ジャン・ピエール・ジュネに、はまってしまった。
初めて観たのは、もちろんあのグロテスクと諧謔の魔術的映像美「デリカテッセン」だった。
これが唯一、映画館の暗闇で観た作品。
その後、ずいんぶん長いブランクがあった。
そしてレンタルビデオの準新作で観た「ミックマック」が再び火を点けた。
続けて観た「ロストチルドレン」、泰西名画のような映像に夜市のサーカス小屋の猥雑さ。
そして子供の悪夢とフランケンシュタインの花嫁や往年の怪奇映画を思わせる映像の魔術。
9歳のヒロイン、ミュッテ役のジュディッド・ビッテは、エリザベス・テーラーの子役時代を彷彿させる美しさ。
監督のジュネが「奇跡的な存在」と絶賛した天才子役は残念ながら数本の映画に出演した後、考古学者か建築家を目指すと、あっさり映画界から引退。
「アメリ」、冒頭から幼少期のトラウマ体験を羅列しながら、この痛快さは何だろう?
(登場する雑貨や小物のこだわりは、女の子たちを熱狂させたのも肯けるフレンチのエスプリ)
これは、もうヒロインのオドレイ・トトゥのキュートな魅力につきる。
そして脇を固める戯画化されたフリークスのようなジュネ作品の常連たち(ドミニク・ピノン他)の存在が際立つ。
さて最後にアメリのヒロイン、オドレイ・トトゥによるジャン・ピエール・ジュネ演出のシャネル№5のコマーシャル映像をどうぞ。
の右の紹介コーナーに「ブエナ★ビスタ★ソシアル★クラブ」が・・・。ランスケダイアリーの2012-01-07のIntoBlak/Blouseで書込み。
また、観てしまいました。やっぱり素晴しい。
ジャン・ピエール・ジュネの映像美や如何わしさは、ストリーや画面の迫力重視の「意識の二分法」で見る脳が満足する映画とは違いますね。
ランスケさん「アンチ・クライスト」はまだ観ませんか?
私にとって映画は、その映像センスが第一義となります。
いくら話題作でも、センスも悪い映像は勘弁です。
ジャン・ピエール・ジュネは徹底的に創り込んだ映像に拘る人ですね。
特にマイク・キャロとのコンビによる美術は溜息ものです。
最新作「ミックマック」も数々の遊び心があって嬉しくなります。
その意味ではハリウッドに招かれて作った「エイリアン4」は最悪でした。
さて、ホッホさん推薦のラース・フォン・トリアーですが、正直言って彼の映像センスは頂けない。
「アンチ・クライスト」は予告編を観る限り、変わったなと感じました。
でも今の私にとって、ああいうテーマは受けつけない。
話題作、園子温の「冷たい熱帯魚」もクソでした。
ああいうリアルさを偏重する傾向は、やっぱり壊れているとしか思えない。
NHKのオウム真理教の特集番組を観ました。
あの頃以上に今は、オウムへ帰依するような土壌が広がっていると感じました。
オウムが最初の殺人に手を染める教団内の方針決定は、原発を推進した原発ムラの論理と何ら変わりません。
人の命など彼らの大義(利潤追求)の前では、その意味を失ってしまうのです。
原発労働者が、この一年で6人死亡しても、彼らは、その痛みを全く斟酌しません。