Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

お遍路 on the Road /下ノ加江~38番金剛福寺

2011-06-02 | お遍路

 

 ついに長い岬の先端までの道のりを辿り着き、38番金剛福寺の山門に至った。

 室戸岬の先端までの行程と共に、四国の東西に突き出した岬までの道のりは忘れられないお遍路旅となった。

 そして遥か遠く茫漠たる大海原を望む寺院は、補陀落渡海の地でもある。

 

 

 

 

 昨夜の宿の主人からのアドバイスを受け入れ、荷物を半減したのは正解だった。

 なぜ、もっと早く自分の荷物の選別をしなかったのか、今更ながら悔やまれる。

 これでは無駄な重さを、ずっと背負って歩いてきたことになる…

 でも、それは20日を越える旅の過程で、必要な物とそうでないない物が判ってきたことで、

 旅を始める当初は、見えてこなかった物たちばかりだったと思う。

 

 岬の先端までの往復を「打ち戻し」というそうで、

 身軽な格好のお遍路さんと何人もすれ違った。

 明日は前夜の宿まで戻り、あずけておいた半分の余計な荷物を自宅へ送り返す。

 ただし、置いてきた荷物の中には寝袋とエアマットも含まれる。

 かさばるが、大した重さでもない2点は、また背負って行くつもりだ…まだ野宿を諦めたわけではない(笑)

 

 それにしても、この身軽さは何だろう?

 お遍路の旅を、苦難の修業の場とはしないと出立前から決めていたのに、

 これでは、ずっと苦渋の重みを背負って歩く苦役の旅だったことになってしまう(苦笑)

 まぁ、それも私自身の選択したお遍路旅だったのでしょう。

 色んな発見や出会いのある「お遍路」という巡礼の旅は、本当に面白い。

 そして、それをおおらかに受け入れる四国という土壌も、嬉しいくらい面白い。

 

 

 

 

 そして、あいにくの曇天の空模様だったが、

 30年ぶりに訪れる大岐の浜は、感動的に素晴らしかった。

 多少、周辺の整備が進んでいたが、ほとんどあの素朴な美しさは(本来、日本の海浜風景が持っていた)

 失われていなかった。

 白砂青松の、余計な人工物を廃した素朴なまでの美しい砂浜が目の前に広がる。

 涙が出るほど嬉しかった…30年前の夏、波乗りに通い続けた思い出のビーチが記憶の底から鮮やかに甦る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、足摺へんろみち古道と名付けられた、海辺を歩く旧い道も素晴らしかった。

 これぞ歩き遍路の醍醐味と気持ち好い風景が広がる。

 海辺の道、深い照葉樹の森、藪椿のトンネルが続く切り通し、明るい竹林の道…

 どれも心に響くお遍路の時間を過ごせた。

 

 

 

 

 最期に、さようならKさん。

 ともに歩いた10日間、楽しかったです。

 仕事の事情で、道半ばで帰還しなければならない本人が一番悔しいでしょう。

 やっとお遍路歩きの面白さを日々実感していたところだったのに…

 「一週間後には、必ず復帰するからDさん(私)、また道草しながらゆっくり歩いていてくれ」

 と笑顔で話すKさん。

 また本当に何処かで再会できるような気がします。

 今夜は二人で別れの酒を酌み交わしました。

 今度は是非、 山歩きをされている奥様と御一緒にお遍路を再開してください。

 それまで、せいぜい奥様の関心を惹くようなお遍路風景をブログに載せ続けますね(笑)

 ありがとうKさん。

 ともに苦楽を味わった10日間のお遍路道中でしたね。

 

 6/1の歩行距離、23.3km。

 

 

 

 


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7 コメント

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元気復活 (misa)
2011-06-02 08:18:33
とても良いお顔ですよ
本当の「荷物を降ろす」ということですね

大岐は又好天狙いで再訪して下さい
皿が峰も何年もご無沙汰ですが今年は笹ヶ峰を選んだので来年は必ず上林峠経由で訪問します

あと少しで土佐路ともお別れ
ちょっと寂しくもありです
返信する
また大岐の浜へ (ランスケ)
2011-06-02 19:40:01
宿には4時過ぎに到着しました。

misaさん、送って頂いた天狗高原の画像、どれも素晴らしかったです。
皆さんに見てもらえないのが重ねて残念。

実は荷物は半減していませんでした。
今朝、宿の体重計で量ると15kg。
見るんじゃなかった。
なんだか昨日より重く感じてしまいます(笑)

大岐の浜、また帰路も訪ねました。
昨日まで晴れの予報だったのに、また曇天です。
でも1時間も、ずっと浜で過ごしました。
やっぱり、ここは気持ちが良い。
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サーファーランスケ? (misa)
2011-06-02 21:09:40
何となくスキー板のイメージを抱いていたのでちょっと意外でした
タイムスリップして一度見てみたいですね
こんどこそ2日続き晴れマーク(明日あたり野営のチャンスかもです)
来月初め、東赤石予定してましていつにも増して筋トレに気合入ります

さて明日から又どんな出会いがあるか・・・・
ワクワクです
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帰還 (K)
2011-06-03 00:18:24
6/2午後無事岡山に帰還しました。
10日間同行させて頂きありがとう。
あなたも無理をせずノンビリとお遍路をつずけてください。
私も必ず再開します。
そして必ずどこかで(追いつきます)再会できることを願っています。
そのときはヨロシク。
足摺より西回りの状況はどうでしたか。
次回のブログでよろしく。
お体に気をつけてがんばってください。
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土佐路最後の札所へ (ランスケ)
2011-06-03 03:01:31
misaさん、確かに私は海より山のイメージが強そうですね。

若い頃は、疲れそうな山より海の方へ関心が向くように思えます。
唯、流行に弱いという見方もありますが(笑)


Kさん、やっぱり岡山は便利が良いようですね。
そんなに早く帰還するなんて…

面倒な仕事の処理を済ませて、早いお遍路への復帰をお待ちしています。
さて明日(今日)は39番延光寺を打ってきますね。
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この蝶は? (あまがみ)
2011-06-03 15:26:39
kさんと別れて残念でしたね。また、新しい出会いがあることでしょう。遍路で思い出に残るひとつはいろいろの人に巡り会えることです。kさんは岡山ならきっとまたどこかで一緒になることでしょう。
足摺岬まで歩くなんて夢のようです。
この蝶は見たことがありません。夫曰く、「イシガケ蝶」だそうですが、正しいですか?
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昔、昆虫少年 (ランスケ)
2011-06-03 19:44:27
アマガミさん、きっと御主人も私同様に、昔昆虫少年だったのでしょうね。

イシガケチョウは、少年の頃の私にとって憧れの蝶でした。
それなのに高知に入ったら、そこいらじゅうにいます。

今日の遍路道は、いわゆる蝶の道。
トンボも蝶もいっぱいいます。
もう完全に昆虫少年の目線に戻っていました(笑)

おかげで宿への到着時刻は6時前でした。

南国土佐は、おじさんを昆虫少年に戻しますよ。
今度は御主人を誘って、お遍路へどうぞ(笑)

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