陶芸教室 夢工房あすか

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長方皿の反りの防止策/裏方作業

2022-09-08 22:40:50 | 乾燥、素焼き、本焼きのこと
  
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 ■ 長方皿の反りの防止

今回は裏方の作業を書いてみよう。
前回掲載した足立さんの長方皿も生徒さんが
知らない所でこんな気遣いをしています。

タタラ(板)づくりの長方皿のプレートは乾燥時に反りが出るのです。
反りやゆがみを抑えるのに陶芸家の人たちもいろいろと苦心していますね。

円形の板皿の場合は、ゆがむことはほとんどないので
安心なのですが、正方形や長方形の四方皿は反りやゆがみが出ます。
長方皿は中央部分が反り上がるのです。緩やかなアーチ状になるのです。

足立さんのオーバル皿は縦横の寸法の長短差も少ないので、
反りが少ない形状なのですが、その前に作ってた桐木さんの
同じようなお皿には若干ですが盛り上がりがみられたのです。

それで、今回は乾燥段階で作品を窯入れする時に使う棚板を支える
支柱(ツク)を重石がわりに中央に置いて乾燥させたのです。

 

これで盛り上がりを抑えることが出来ました。 21.5㎝×15.5㎝ のお皿です。
このくらいの長短の差であればツクを重石に置くだけで反りが抑えられます。
板の厚みなどから反り具合を想定してそれに見合った重さのツクを置きます。

ワンサイズ大きいツクでもよかったように思います。
ただ、重すぎてもあまりよくないのではないかと思っています。

縦横の寸法の差が大きい長方皿の場合は、角が盛り上がったりするので、
反りを抑えるのがかなり難しくなりますが、以前にも紹介しましたが
角張った四方皿の場合は四隅の角から乾燥が進み収縮してゆがむので、
四隅の周りに切れ端の土で囲うようにして均等に乾燥するようにしています。

教室ではこのようにいろいろな工夫して反りを抑えています。
教室では作品の下には新聞紙を敷かないようにしています。
参考書や他の教室では新聞紙を敷いているケースが多いですね?

また、厚みのある長方皿の場合には、乾燥が均等に進むように裏底に
鎬(しのぎ)という溝を何本か入れて反りや歪みを抑えるようにしてます。
四隅も土で囲って自然乾燥させてます。こんな工夫をして乾燥させてるので、
教室の作品では長方皿や正方形の皿でも反ったりゆがんだりした作品はほとんどありません。

 

プロと人たちはムロという室でゆっくりと時間をかけて乾燥させてるようです。
教室ではそんなことは出来ないのでこのような防止策を講じて自然乾燥させてます。

長方皿の反りは科学的な解明がなされてないのですが、
誰か研究者が陶土の乾燥時の挙動を解析してくれるといいのですけどね。
私がテストをした結果は以前に2回にわたってブログ掲載しています。



反りは陶土がよく締まっていると少ないので、タタラ機でロール圧延した
タタラを使うとゆがみも抑制できますが教室には圧延機は置いていません。
もう一つ思い出したので追記しますが、反りは陶土の粒度も関係するので、
タタラ作りで平皿を作る時は出来るだけ粗めの土を使ってもらうようにしてます。

タタラ作りのプレート皿は反りはしないかと乾燥が終るまで気になりますが、
反らずに乾燥すれば焼成時に反ることは電気窯ではまずありません。

また、陶芸ではどのような器の場合でも、釉掛け時に
裏底に撥水剤をつけてから釉掛けをしてもらい、釉掛け後に
撥水剤に残った釉薬をスポンジで拭き取ってもらいますが、
拭き取りが足らないケースがあるので、念を入れて私が
一つひとつスポンジをかけてから窯入れをしています。

少しでも釉薬が残っていると棚板に作品が溶着するのです。
棚板に作品が溶着すると作品を取り外す時に作品が壊れますし、
棚板も傷みグラインダーで補修をしないといけなくなるのです。

どこの教室の先生もこの拭き取りは厳しく注意するところですね。
溶着すると折角の作品も駄目になりますし、棚板も補修しなければならないので、
念の為に私はどんなちいさな小物でも一個一個スポンジで丁寧に拭き直して窯入れをしています。
それでもくっ付くことがありますが、大事には至ったことはありません。

生徒さんが知らないところでこんな所にも気を使っているのです。
この記事は生徒さんも読んでくれるといいですね・・・。

(備考) たたらの語源はいまだに不明ですが、陶芸での呼称は、
    日本最古の製鉄所が島根県にある『たたら製鉄』ですので、このインゴットや
    圧延板から「たたら作り」と言われるようになったのではないかと推量してます。


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