とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

多湿黒ボク土 ph測定

2018年12月20日 | 日記
写真はススキ原開拓中に掘り出されたススキの切り株です。中央部の3本の茎が鎌でバッサリ切られていますが、その脇に早くも来年の新芽が形成されていました。逞しい生命力を感じます。


さて本日は、この切り株の新芽の下辺りにあった土壌を採取し、phを測定してみます。真っ黒で湿りの強い土塊です。
<サンプルA:ススキ切り株下の多湿黒ボク土>
水道水ph6.33に土を投入→ph6.31
※水道水と同程度の弱酸性


先日、カブ栽培後の土壌phを測定しましたが、カブがあった位置がph6.5~6.6程度だったので、それよりも強い酸性です。今年いろいろなケースでph測定をした結果、当農園のように肥料を施さない栽培法の場合、作付開始時の畝phが6.5以上でないと野菜が満足に育たないことが分かりました。その観点からすると、ph6.3の多湿黒ボク土は、野菜栽培には不適格であると言えます。

ここで一つの疑問が出てきます。ススキ原の土壌はなぜ酸性が強いのか?
ススキ原には大量の地下水が流れ込んでいます。この界隈の湧水はph7.2程度の弱アルカリ性を示すので、地下水たっぷりのススキ原の土壌はもっと高いphを示しても良さそうなものです。この謎を明らかにするため、以前ブタクサ枯れ枝のphを測定した時と同じように、ススキの枯れた茎を調べてみます。

<サンプルB:ススキ枯れ茎の抽出液>
湧き水ph7.20に茎を投入して抽出→ph7.09 ※抽出時間2分
水道水ph6.42に茎を投入して抽出→ph6.55 ※抽出時間15分
※水道水で35分抽出するとph6.63、60分抽出するとph6.69まで上昇


土壌よりも明らかに高いphを示しており、ススキも土壌からアルカリ成分を抜き取っていることが分かります。ただし、湧き水よりは低いphが出たので、ブタクサのように体内でアルカリが濃縮されているわけではないようです。11月1日の実験で、ブタクサ枯れ枝のphは7.5以上でしたが、現時点のphがそれと異なる可能性もあるので、明日にでも改めて確認してみようと思います。


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