団体のツアーでは初めて会う人たちが一緒に行動する。
今回は不思議な姉妹に出会った。
何度かの食事時間はたまたま一緒になったテーブルでお話をすることになる。
「どちらから?」
に始まって次第に根掘り葉掘り聞いたりする。
聞けば彼女らは30代半ばの姉妹だという。
同じ損保会社に勤めているが、支店が違うので同じ職場ではない。
2人とも保険金支払いの審査関係の仕事をしているという。
2人で部屋を借りて暮らしているというから2人とも独身。
2人は姉妹とはいいながら見た目だけでも人格がまるで違うように見える。
姉のほうはひょろりと背が高くて化粧していないし、いつもワンピースを着ている。
椅子に座るときも足を広げて座り、はばかることがない。
何か質問されても滅多に自分では答えずチラと妹の方を見る。
すると妹が代わって答える。
妹の方はがっちりとしていてスポーツで鍛え上げたようなタイプだが、どこかシニカルで頭の回転も速そうな、視線もキラリと油断がならない。
いつもジーンズとTシャツで決めている。
何事も白黒をはっきりさせないと収まらないようなタイプ。
「食事なんかは交代で作るの?」
「いえ、毎日私が作ります」と妹が答える。
「じゃ、お姉さんのほうは買い物の係り?」
「いえ、買い物も私がします」と妹が答える。
姉のほうは当然という顔をして頷いている。
「じゃ、お姉さんは妹さんが食事作っている間別の家事を分担してるのね?」
「いえ、ずっとテレビ見てます」と妹が答える。
そして姉が黙って頷く。
「昼は会社の食堂で食事するの?」
「いえ、2人ともお弁当作ってもって行きます」と妹が答える。
「じゃ、お姉さんはお弁当の係りね?」
「いえ、お弁当も私が作ります」と妹が答える。
「じゃ、お姉さんは自分の弁当包むだけ?」
「いえ、お姉さんの弁当も私が包みます」と妹が答える。
姉は同じように当然といった顔をして頷いている。
羞恥心とか妹に迷惑をかけているという態度は微塵もない。
2人は見た目は仲良し姉妹である。
しかし私には、妹の方がこの姉のために一生面倒見て庇護していこうと決心しているように見えた。
今回は不思議な姉妹に出会った。
何度かの食事時間はたまたま一緒になったテーブルでお話をすることになる。
「どちらから?」
に始まって次第に根掘り葉掘り聞いたりする。
聞けば彼女らは30代半ばの姉妹だという。
同じ損保会社に勤めているが、支店が違うので同じ職場ではない。
2人とも保険金支払いの審査関係の仕事をしているという。
2人で部屋を借りて暮らしているというから2人とも独身。
2人は姉妹とはいいながら見た目だけでも人格がまるで違うように見える。
姉のほうはひょろりと背が高くて化粧していないし、いつもワンピースを着ている。
椅子に座るときも足を広げて座り、はばかることがない。
何か質問されても滅多に自分では答えずチラと妹の方を見る。
すると妹が代わって答える。
妹の方はがっちりとしていてスポーツで鍛え上げたようなタイプだが、どこかシニカルで頭の回転も速そうな、視線もキラリと油断がならない。
いつもジーンズとTシャツで決めている。
何事も白黒をはっきりさせないと収まらないようなタイプ。
「食事なんかは交代で作るの?」
「いえ、毎日私が作ります」と妹が答える。
「じゃ、お姉さんのほうは買い物の係り?」
「いえ、買い物も私がします」と妹が答える。
姉のほうは当然という顔をして頷いている。
「じゃ、お姉さんは妹さんが食事作っている間別の家事を分担してるのね?」
「いえ、ずっとテレビ見てます」と妹が答える。
そして姉が黙って頷く。
「昼は会社の食堂で食事するの?」
「いえ、2人ともお弁当作ってもって行きます」と妹が答える。
「じゃ、お姉さんはお弁当の係りね?」
「いえ、お弁当も私が作ります」と妹が答える。
「じゃ、お姉さんは自分の弁当包むだけ?」
「いえ、お姉さんの弁当も私が包みます」と妹が答える。
姉は同じように当然といった顔をして頷いている。
羞恥心とか妹に迷惑をかけているという態度は微塵もない。
2人は見た目は仲良し姉妹である。
しかし私には、妹の方がこの姉のために一生面倒見て庇護していこうと決心しているように見えた。