震災後の鍬ヶ崎(2011.8 日経)
防潮堤で 住宅は安全なのか?
宮古市は震災直後、なぜか高台移転の方針を捨てて、鍬ヶ崎地区を安全な可住地域としました。震災から丸5年が経過しましたが、被災者の住宅問題に安全面で、また経費面で一歩も前に進んでおりません。全て防潮堤頼みということでしょうか? 「鍬ヶ崎の防潮堤を考える会」は公開質問状を宮古市長にぶつけました。
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マスコミ各社、市民の皆様に
2016.7.25
鍬ヶ崎の防潮堤を考える会
当会では、さる7月22日、宮古市長に別紙のような「鍬ヶ崎地区の住宅建設ついての公開質問状」を提出して受理されました。 質問状の趣旨は以下のような事でありますが、ここに、ご報告とともに変わらぬご理解とご協力をお願い申し上げる次第です。
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「シミュレーションしてみたら鍬ヶ崎に浸水はなかった」といって、宮古市は、先の津波で破壊された鍬ヶ崎地区を可住・安全地帯とずっと言い続けてきました。要件のはっきりしないそのような偶然的シミュレーションを頼って家を建ててもいいのでしょうか?
鍬ヶ崎の防潮堤は、あくまで明治津波クラス対応でつくられているので、東日本大震災規模を基準津波にする宮古市の災害危険地域条例からみると、鍬ヶ崎地区は、住宅建設には向かないレッドゾーン(危険地域)という事になります。
それを見越してすでに多くの住民が鍬ヶ崎から出て行きました。今、地区の区画整理事業の完成を目前にして、帰還希望者の多くも、その事を考えて二の足を踏んでいると思われます。その点がはっきりしない問題です。そのことの質問状です。
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いずれにしても、市民の命,市民の生活に関わり、したがって今後長く住宅問題を支配する大きな分岐点である被災地の「危険地域か」「危険地域でないか」の問題は鍬ヶ崎地区だけでなく宮古湾岸一帯の問題で、津軽石、金浜、磯鶏など今後とも市民の中から議論が巻き上がる事になると思われます。
以上