鍬ヶ崎の防潮堤を考える会
防潮堤懇談会
(6月22日 宮古市末広町「りあす亭」)
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費用面から問題提起
防潮堤については景観、漁業産業、工事進捗、安全・安心などいろいろな面から問題にしてきた。今回の「懇談会」は ニュースレターNo.15 の記事にそって費用面からの問題提起となった。
※ いわゆるランニングコスト。施設完成後の維持管理費用の事。例えば「震災前、岩手県は道路の維持管理費として年間約230億円を負担していた」(2017.2.24 毎日新聞)これは国から50%、65%の補助を受けての数字である。震災後は復旧整備のほかおびただしい新設の道路網がつくられた。そして巨大防潮堤群…
それらの維持管理費とは? その住民負担とは?
巨大予算投入は市民の負担になる。年間どのくらいの負担になるの?
岩手県宮古市の防潮堤の700億円、閉伊川水門300億円、合計1,000億円施設建設費については国の経費である。県知事、宮古市長はいうがまま、いわれるままに国から資金導入してきた。1,000億円は宮古地区16海岸=16防潮堤、閉伊川水門1個(他の水門数不明)の施設建設費である。
宮古市一市でそのイニシャル(建設)費用が合計1,000億円という巨額費用になると、昔と違って施設の維持管理費、修繕建替え費などのランニング費用の問題が現実味を帯びてきた。年間どのくらいのランニング費用がかかるのか? 合計1,000億円施設工事が難渋して進まずその展望が明確でない現状ではランニングコスト計算の糸口もない。算出のノウハウがない、資料がない、前例もないということで「完成してからの経費など」どの機関も落ち着いて計算出来ていない。その深刻さの割に、雲をつかむような状態にある。
※ 維持管理費の展望なく資金導入するとはそもそもあってはならない話であった。その中で、防潮堤陸こうの自動閉鎖システムの諸経費は、途中から出てきた話であり、金額も比較的小さいのでその当初費、運営費ははじき出されている。岩手県は各沿岸自治体にも負担額を連絡済のようだ。しかし少なくとも宮古市ではまだ公表されていない。毎日新聞2017.2.24(自動化は全県で約68億円の整備費。維持管理費で年1〜2億円、門扉などの更新費で年12億円前後、合計で13〜14億円=整備費の約2割、のランニングコスト。ただし更新費12億円の50%は国の補助対象)
1,000億円施設の、次の段階
「維持管理費、修繕・建替え費」のランニングステージとは?
懇談会での年間の維持管理費、修繕建替え費は架空の数字であったが、史上初(?)、具体的金額が俎上に乗った。話し手は「つくり話ですが…」と断った上で、整備費1,000億円の2割、年間平均200億円のランニング費用として、国が50%の100億円の負担をする。岩手県が残り100億円の打ち50%50億円を負担、そのまた残り50%を当該自治体受益者負担として宮古市に(50億円)負担が要請されてくる事になるストーリーであった。宮古市 2万4千世帯の一世帯の負担が20万円強になるというハードな流れが語られた。
1、世帯負担とすれば宮古市の沿岸地帯だけの問題ではない。区界、川井などの内陸部宮古を含めた宮古全世帯の負担になる。
2、一世帯負担20万円でなくても何らかの経済的負担が毎年必ずのしかかってくる。1,000億円は利息のかかる借金に似ている。
3、この負担金問題とその流れには遅かれ早かれ全市をあげて触れなければならない。
4、世帯負担金との関連で、当然、工事の中止、縮小、変更が問題になってくる。
5、国、岩手県、宮古市(受益者自治体)の費用負担割合への関心は高まる。国は東日本大震災復興のために復興特別所得税を現在徴収しているが、復興施設のランニングコスト税や南海トラフ防災施設税等の情報はない。──となると当該地域住民世帯の直接負担が大きくなる公算が強い。
※ 金額的には宮古市地区の年間ランニングコスト200億円という数字はいかにも奇想天外に聞こえる。確かに数字の設定はイージーの誹り(そしり)を免れないところがあったが、しかし、これまで田老、鍬ヶ崎、磯鶏地区を中心にしてその工事のやり方、設計・施工を真剣に見てきた者には、ほとんど50年以内の近い時期にこれら地区の防潮堤、閉伊川水門は新しく建替えなければならず、かつ、50年間の修繕・修復、部分取り替え、維持管理費用には、初期設計ミス、不十分調査や杜撰シミュレーション、工事の手戻り遅延、等のために、その正常化、挽回を含めた経費には異常に莫大な費用がかかると見た。200億円はあながち奇想ではない。