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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。 藤田幸右(ふじたこうすけ) 管理人

新たなコモンズの可能性

2018年08月10日 | どうなる復興計画

 沿岸部の土地利用議論

復興へ「自然と共存の道提示を」
石巻でフォーラム 

河北新報オンラインニュース(2018.8.8)

 
自然と共存する復興を目指し、
土地利用の在り方を議論したフォーラム
 

 東日本大震災からの復興を沿岸部の土地利用の観点から再考するフォーラム「事前復興への標(しるべ)」(東北学院大、河北新報社主催)が5日、石巻市の市防災センターであった。

 五十嵐敬喜法政大名誉教授が趣旨説明し「被災地の防潮堤を見ると、災害に力や技術、経済で対抗していると感じる。自然と共存する道はないか、東北の復興の在り方とともに提示する必要がある」と述べた。

 環境デザイナーら専門家4人が講演した。このうち清野聡子九州大大学院准教授(生態工学)は防潮堤など国内の海岸構造物の現状を解説。「これからは維持管理が問題になる。市民が参加する協議の場をつくらないと大変な廃虚となりかねない」と危惧した。

 講演後、研究者ら15人が議論し「(土地利用の在り方は)市場や行政への依存を脱却し、地域住民が自ら声を上げるべきだ」などの意見が出た。

 フォーラムは東北学院大と河北新報社の連携企画「復活と創造 東北の地域力」の一環で開き、11回目。

 

 

その場しのぎの、近視眼的経済効率優先の惨事便乗型(ショックドクトリン)復興ではなく、災害が激甚化しないような順応的土地利用、対話・交流の場を開くような地域社会の在り方を模索する時かと思います。<企画・司会 千葉一>
<フォーラム序文>
 東日本大震災から 7 年半が過ぎようとしています。巨大防潮堤に守られ、盛り土された土地の上で「新しいまち」が姿を現しています。しかしその空間復興の過程で、生態系や景観の劣化、人と海の繋がりの喪失、コミュニティの崩壊などの問題が発生しています。それらは、規制緩和など極端な土地所有権の行使や商品化・市場主義経済の進展とあいまって、復興のテーマとされた「持続可能な発展」とは異なる地域社会の空洞化を招いています。同時にそれは、生態系に順応した減災(Eco-DRR)の実現、市民の災害対応能力(レジリエンス)の醸成の軽視にも繋がっています。
 本フォーラムでは、沿岸域の土地利用の再考について、「コモンズ」(生態資源の持続的な活用を守り地域社会の安定化を担ってきた共同・協働的な土地利用)の観点から再認識し、さらには対話・ネットワークの場の創出、再コミュニティ化の方向性について、多様な側面から提案をして行きたいと思います。この復興の取り組みを、環境とコミュニティの破壊を伴った巨大なゴーストタウン整備に終わらせないためにも、皆さんと共にこの問題を考えて行きたいと思います。 

 まことに勇壮なテーマ設定でのフォーラムの開催であった。また企画者を含め、発表者がそれぞれテーマに沿って悠々自己フィールドの事例を展開していることに驚かされた。このテーマとこの研究事例の発表はどこで繋がっているのだろうか?とこちら側の疑問も天空に吊り上げられるよう。

フォーラムテーマ : 事前復興への標(しるべ) 被災地に新しいコモンズの可能性を探る

被災地にこそ新しいコモンズの可能性がある。それは来るべきあらゆる自然災害の「事前復興」ともいえる備え・教訓のことである。まことまこと東日本大震災のあるべき復興の姿こそ、例えば、南海トラフ大震災の震災復興の事前教訓であり「備え」なのだという。

とてもよく分かることだが、では改めて新しいコモンズ、「コモンズ」とは何か?! ── それこそ各講演者の提案、発明、発見、組み立てをよく聞いて、そこから各自で組み立てるしかない。序文にあるようにそれはある意味、自然と人間の共生社会であり、創意に溢れた地区地区の共同社会のことである。主催者には、震災後の共生社会とは、単に行政によって整備されただけの街並でも、震災前の面白さにかけた無自覚村落の再興でもない、という信念があるように思える。それは原自然態が教えてくれるはずだと、今回は、経験溢れたナチュラリストを講師に揃えたようだ。各講師の事例、ヴィジョン、パッション以上に、依然としてコモンズの意味は良く分からないが、急ぐことはない、そうして新しいコモンズを長く追い求め創造していくしかない。

パネリスト以外の、当日の参加者の事例、ヴィジョン、パッションでもって、もう一段高い「新しいコモンズ」の輪郭を見たい。(ブログ管理人)




つづく








 

 

 

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