白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

羨ましい豪邸

2018-08-03 15:56:55 | 家族
夫のお姉さんはロス在住。
夏の間ハワイに行っているとかで、家を貸してもらった。

プール付きの豪邸。
アメリカにはプール付きの家はいっぱいあって、プールがあるからと言って豪邸ではないけど、
この家は本当に豪邸。

いる間中、「うらやまし~、いいなぁ~、こんな家にすみたぁ~い」っと
思わず口にしてしまうから、子供から数えられてしまった。

「ママ、今日これで8回目」

それほど、素敵なおうちなんです。

これがお庭のプール。
ちょっと高台にあるから、眺めも良い。


ジャグジーもついてます。


外にもキッチンが。素敵。


ベッドルームからの眺めはこんな感じ。あ~、うらやましい。



でもさ、アメリカの家って、一つ一つの部屋にエアコンがついてない。
スイッチをオンにすると家じゅうを冷やす。廊下もトイレも。
寝てる間暑いからエアコンをつけると、こんな大きな家すべてを冷やす。
これって、無駄じゃない?

こんなことするからエネルギーの使い過ぎになるんだよ。
夏でも寒いサンフランシスコでは、考えもしなかったアメリカのエアコン事情。
なんか許せん。

カタリーナ島

2018-08-03 15:54:13 | 家族
今年の夏は特に大きな旅行はなし。
特に理由はないのだけど、ただ計画するのが面倒だった。

ちょっとしたバケーション気分を味わうために、やってきましたカタリーナ島。
ロサンゼルスの近くに浮かぶ島です。

みんなでカヤッキング。近くをモーターボートやフェリーが行き交う中、なんとか事故なしに戻ってきました。





ナッツベリーファーム

2018-08-03 15:49:46 | 家族
ナッツベリーファームに行ってきました。

兄弟の歳が離れていて困ること。
遊園地で同じ乗り物に乗れない!

兄ちゃんたちは、怖いやつに乗りたい。
でも三男は身長が足りなくて乗れない。

結局別行動。

三男とスヌーピー


ハグする三男。この中に入っている人、熱いだろうなぁ。真夏のロスだぜ。



私は乗り物はもう無理。
できるだけ三男君一人で乗ってもらう。
待っている間、熱いから日陰を探す。
あー、見つけた見つけた。
暇だから携帯で適当に記事を読む。

あ、やばい、読むのに熱中してた、三男はもう終わって出てきただろうな。
慌てて出口付近に行ってもいない。

いない。

いない、いない。

やっば~い、私を探しにどこかへ行っちゃった。

顔から血の気が引く。

どうしよう。私が悪い。100%悪い。
夫への言い訳を考えながら必死で探す。

キャーどうしよう。
泣いてるかなぁ。
絶対に大泣きしてるはず。

あ~ん、私ってバカ。

お隣では、スヌーピーとチャーリーブラウンのショー。

この中に入っちゃったのかな?

っと思いきや。

ステージの前で一緒に踊ってる。
泣いてない。
なにぃ~~~!


さすが三男、度胸座ってます。

悪気はないのに

2018-07-27 12:38:41 | RP
今日は職場でバーベキュー。
長男は近くでボートの練習があったため、練習の後会社に遊びに来た。

食べていると、同僚たちが話しかけてくる?


「え?ハズバンド?にしては若すぎるよね。」

「まさかお子さん?えーー、こんなに大きなお子さんがいるの?」

アジア人は若く見られるため、露骨に驚かれる。
私44歳なんですけど。
息子は14歳、
ごく、ごく普通の親子。

私の同僚たちが、長男に握手を求めて手をだす。

でも長男は知らんぷり。

いくら手を出しても、長男は応じようとしない。

私は肘で長男の腕をつつく。
「ちょっと、手を出されているんだから、あなたも手を出しなさいよ。」

言われてやっと気づく。

んも~、そういうのとっても失礼でしょ!

無性に腹が立つ。



帰りに長男が言った。

「人としゃべっているときは、相手の顔を見ているから、手を出されても気づかない。
みえないんだよ。」

え?見えてなかったの?

不便なだけならまだしも、誤解を招くのは嫌だなぁ。

わざとじゃないのに、悪気はないのに、こういうの、どうにかできないのか?
マーカスの目が悪いことを知っている私でも、気づかなかった。

難しい。。。


ロックパーク

2018-07-15 15:59:21 | 家族
夏の昼下がり、日曜日。

みんな家の中でダラダラしていた。

夫が突然、「よし、ハイキングに行こう!」

みんないやいやながら靴を履き、
私は日焼け止めを完璧にしてさぁ外へ。

いやいやながら出てきたものの、サンフランシスコ湾を眼下に見下ろし、なかなかすがすがしい。


こういう高いところにひょひょいのひょいっと上っていくのは次男。


いつもニコニコご機嫌三男。

白杖の勧め

2018-07-03 12:36:15 | RP
私の考えは固まっている。

長男には早い段階から白杖を使わせる。

自分の意志だけではなかなか勇気が出ない。
だからまだ子供のうちに、持たせる。
親の私が背中を押してやる。

勇気が要るのは一回目だけ。

考えは固まっているものの、なかなか言い出せない自分もいる。

やっぱり目が見えない人の象徴的杖だし、
ショックを受けるんじゃないか、
いやだとおもうんじゃないか。

心配でなかなか言い出せない。



本人に言う前に夫に言ってみた。

同じような病気を持つ人は、なかなか白杖を持つ勇気がなくて苦しむこと。
その原因のほとんどは「昔を知っている人たちの目」が気になるからだということ。
だから、長男には早くから使わせたいこと。

私なりに一生懸命説明した。

でも夫はきっと考えたことがなかったんだろう。
「白杖」という言葉に、明らかにショックをうけていた。
あきらかに抵抗があるご様子。

「あの子はまだ見える。まだ必要ない。」
そうとでも言いたげなご様子。

これだけ、転んで、つまずいて、ぶつかって、けがが絶えないのに必要ないってどうしていえるの?
痛い思いをしているのはあなたじゃない、長男なんだから。

足元が見えないゴーグルつけて散歩してこい。
どれだけ歩くのが怖いか。

夫が考えていることはわかる。
もしマー君が白杖を使ったら、彼の家族はどう思うか。
それが心配で仕方ない。
隠したくて仕方ない。

現に、彼の家族には目が悪いことがばれるまで言わなかった。
どうしても秘密にしておきたかった。

ばれてからも、
「大したことない、全然大丈夫」
っと言い続けているようだ。

情けない。

心配かけたくないと言えばかっこいいけど、
そんなんじゃない気がする。

なんで?
体裁?
見栄?

目の悪い息子を一番受け入れることができないでいるのは父親の彼自身だということにどうして気づかないんだろう。

もうしらない、夫のことは無視して私だけでどうにかしよう。

数日後機会を見計らって長男に話をしてみた。

「白い杖知ってる?」
「うん、目が悪い人が使う杖でしょ。」
「あれねぇ、マー君が使ってもいいんだよ。あんたはPartially Blindだから。」

反応が心配だった。
すごく嫌な顔をされたらどうしよう。
困った顔をされたらどうしよう。
又は悲しい顔をされたらどうしよう。
ショックを受けるかな?
拒否されるかな?

「え?ほんと?使っていいの?」

よろこんでる?

うそ?
こいつ明らかに喜んでる。

うっそ~~~。

「たい君がさぁ~、どんどん先に行って、僕のこと遅い遅いっていうんだけど、転びそうで追いつけないんだよねぇ。」

あ、そっか。
マー君速く歩くのが怖かったんだ。

よかった、これならいける。

それから私はいろいろな話をした。

白杖は周りに自分の目が悪いことを伝える役目もあること。
歩行者としては絶対的な優先権を与えられていること。
逆に、もし目が悪いことを隠して(白杖を持たずに)歩行して、小さい子供とぶつかってけがをさせたり、信号や道路標識に気付かず無視して事故に合ったりしたら、責任を問われること。

冗談まで出てきた。

「白杖は水戸黄門の印籠みたいなもんさ」

「この白杖が目に入らぬか~」笑笑笑



良かった。
とりあえず、第一関門突破。













東北大学治験開始か?

2018-06-18 12:38:41 | RP
こんな見出しが出ていました。

東北大、2018年度中に網膜色素変性症の医師主導治験を開始
(2018.06.18 08:00)

『東北大学大学院医学系研究科教授の阿部俊明氏や同助教の永井展裕氏の研究グループは、埋め込み型徐放デバイスを利用して網膜色素変性症を対象にした医師主導治験を2018年度中に始める予定だ。網膜色素変性症は遺伝性の網膜疾患で、場合によっては失明に至る重篤な疾患だ。新たに開発したデバイスを利用して、長期にわたって薬剤を局所投与する。』

やっと治験開始かぁって感じ。
前から注目はしてたけど、いまいちよくわからない。
どれだけの効果があるのかしらね?
幹細胞の注入の方が効果があるような気がする。

まぁそれでも、これまで治療法皆無だったのが、すこしずつ手の届きそうなところにまで来てるんだから、喜ばなきゃね。

もう一歩。






絶えないケガ

2018-06-17 12:38:59 | RP
どうしても、ぶつかってしまう長男。

ドアの広さが分からないのか、肩のあたりから体当たりするように、ドアの枠にぶつかる。

足元が見えないため、しょっちゅう物を蹴飛ばしてしまう。
床に物を置くなといくら言っても、した二人はいつも床に物を置きっぱなしにし、
それを長男が踏んだり蹴飛ばしたり。

先日はコーヒーテーブルを蹴飛ばして、右足の小指の爪が剥げてしまった。

額にはいつもたんこぶがある。
前のが治る前に、同じところを打つものだから、額の同じところに常にたんこぶがある。

夏休みに入って、子供たちはデイキャンプに行くことになった。
毎日バスで山や海や湖に行って遊ぶ。

長男は、グループリーダーの補佐役として参加した。


「森の中で鬼ごっこするんだよ。なんでみんなぶつからずに、転ばずに走れるんだろう?」

あまり考えてなかったけど、山や海のようなところでは足元に注意しなきゃいけない。
そしたら、木の枝にぶつかってしまう。

危ない。
大丈夫か?

最初の週、いきなり大けがをして帰ってきた。
傾斜の急な坂で、木の根っこにつまずいて転んでしまったらしい。
傾斜が急なので、そのままころころと転がってしまったとかで、
肩から足まで、体中すり傷を作って帰ってきた。

痛かっただろうに。
不便なだけじゃなくて、痛い思いまでしなきゃいけないなんて。

2か月分お金は払っていたけど、サマーキャンプはもうやめにした。
長男には無理だ。

友達の助け

2018-06-15 12:42:06 | RP
いよいよ中学も卒業。

この学校は本当にいい学校だった。
お金はかかったけど、親として最高のプレゼントだったんじゃないかな。

お金持ちのご子息ご令嬢ばかりなんだけど、みんな本当に良い子たちで、
見ていてとても微笑ましかった。

長男は卒業したくないと、ずいぶん嘆いていたけど、
長男だけでなく、親の私も卒業してしまうのが寂しくて仕方ない。

仲の良い10人くらいのグループがあって、
みんなマーカスの目のことを知っている。

暗いところでずいぶんと助けてもらったようだ。

最後の日、レストランを貸し切ってパーティーをした日も、
夜9時まで遊んで、真っ暗な中どうしたのかと心配したけど、
夫が迎えに行ったとき

「ヘイ、マーカス、お父さんが迎えに来てるぞ!」

っと長男の手をとって夫の方に歩いてきたらしい。

「目の前に椅子があるぞ、気を付けろ」
などと、周りにいた子たちも声をかけていたそうだ。

そんな友達の中にいたから、長男は学校がすごく楽しかった。
ぶつかったり転んだりしても、
「またやっちゃった」って
笑っていられたんだと思う。


卒業式の日、狭い校舎にたくさんの人が来ていた。
長男は人込みをきらう。
どうしてもぶつかってしまう。

卒業生が退場するとき、
長男は自然と手を友達の肩にのせた。

人と一緒だと安心して歩けるから、自然に身についたものだと思う。

のせられた友達も、嫌な顔一つせず、普通に自然に一緒に退場してきた。

なんか、感動した。

友達のすばらしさ、大切さ。
そして気が付いた。
親ができることなんて、ほとんど何もないんだ。

今後ますます親と一緒にいる時間は少なくなる。

長男は、時間のほとんどを友達と過ごす。

良い友達に恵まれること。それが一番必要なのかもしれない。

たぶん将来は、彼女や奥さんが長男の助けになるんだろう。


親ができることなんてなにもない。

白杖を使うことへのハードル

2018-05-22 12:26:19 | RP
同じような目の病気を持つ人のブログや掲示板などを見ていると、白杖を持つことのハードルがすごく高いことに気付く。
多くの人は白杖を使う勇気がなく苦しむ。
そして勇気を出して使うようになると「こんなに楽になるんだったらもっと早くに使い始めればよかった」という。
「移動に不自由しているけど、なかなか使う勇気がない」といった書き込みがあれば、他の人が早く使えと励ます。

白杖か~。

目が見えない人の道具であり、象徴。
気安く使えるもんじゃない。


でも私は息子にそんなことで苦しんでほしくない。
便利なものはすべて使って、少しでも楽に生きてほしい。

色々な人の意見を読んでいると、どうやら勇気がないメインの理由は、
「他の人がどう思うか気になる」からのようだ。

子供の時は普通に遊んでいた友人、
若い時からの知り合い、
目が見えていたときの自分を知っている人たちが、白杖を持っている自分を見てどう思うかが気になり、持つ勇気がない。

なるほど。わかる気がする。

じゃ、子供の時から使えば?
結局は白杖を持っている自分に周りが見慣れてくれたらいいんでしょ。

でも、どれくらい目が悪かったら使えるんだろう。
視力何以下、視野何度以下といったルールがあるんだろうか。

色々調べてみてわかった。
どうやらアメリカも日本もルールは同じで「視覚障がい者」なら使っていいようだ。
じゃぁ視覚障がい者とは?
眼鏡をかければ見えるのであれば視覚障碍者ではない。
眼鏡をかけてもよく見えない、又は視野が狭い人。
その程度は特に定義がない。
本人が必要であれば使っていいっといったところだろうか。

そっか、使っていいんだ。
なんだ、使っていいんだ。

幹細胞を使った治療、臨床試験フェーズ3へ

2017-12-10 14:19:47 | RP
久しぶりに良いニュースを見つけた。

カリフォルニア大学が進める、幹細胞を使った治療の臨床試験が順調に進んでいるとのニュース。
ニュースによるとフェーズ2まで終わり、確実に効果が出ているとのこと。

医療系の記事は難解で、何度読んでもいまいちよく意味が分からないのだけど、どうやらヒト由来の網膜になる幹細胞を目に注入することで、1)視力が少し回復する 2)進行を遅らせる働きがあるようだ。

幹細胞を使った治療は、なんとなく一番現実的な気がしていた。
だって、この細胞はありとあらゆる細胞に生まれ変わることができるんでしょ?
特に、弱っている細胞や、傷ついている細胞があれば、そこに集まり新しい細胞を作るとか。
すご~~~い!

カリフォルニア大学のお医者さんの説明がYoutubeにあったから見たけど、
網膜の中にはまだ死んではないけど、もう機能していない視細胞がいっぱいあるんだって。
その弱っている細胞を元気にする効果があるから、視力が少し回復するらしい。
(私の英語の聞き取りが正しければ)


うまくいけば2020年に臨床試験がおわるらしい。

すこし望みが見えてきた気がする。

私が見たYoutubeの動画はこちら
このニュースの発表
https://www.youtube.com/watch?v=eeL6JT7V_cM

もう一つ
https://www.youtube.com/watch?v=oH4vlVWl6WY


今日のニュースの原文

OIS: Ophthalmology Innovation & Investment
Published on Dec 5, 2017

This company has developed a cell-based therapy (jCell) to preserve and restore vision in people with retinitis pigmentosa (RP), although the therapy is potentially applicable to other blinding diseases, as the treatment is nonsurgical and minimally invasive. jCyte is fully funded through its Phase IIb trial through the California Initiative in Regenerative Medicine (CIRN), and the company’s platform was granted breakthrough designation in 2017. Results from a Phase I/IIa trial (n=28) found jCell to be safe and well tolerated; the Phase IIb trial started during Q3 2017 and is actively enrolling. jCell has “extreme efficacy” in RP, said David Boyer, MD, one of the company’s investigators. jCell is human retinal progenitor cells that are not pluripotent; the mechanism of action is neurotrophic (not regenerative or reparative). “jCyte is the only cell therapy program using intravitreal injection of an ocular cell type versus subretinal,” Dr. Boyer said.

Waterfall plots showed at six months the majority of patients improved with treatment, and efficacy was between 5 and 10 letters in the 1 million and 2 million cell arms; it trended slightly higher to 10–15 letters in the 3 million cell arm, a trend that continued into 12 months.

告知

2017-11-17 12:38:48 | RP
いつまでも秘密にしておくわけにはいかない。

ぶつかったり、つまずいたり、蹴飛ばしたり、生傷が絶えない。
自分で注意するためにも、周りに理解を求めるためにも、そろそろ説明をする時が来た気がする。
進行性であることを明かさず、
病名を明かさず、
難聴と関係していることも明かさず、
ただ、見え方の現状を説明するだけなら、ショックも少なく済むのではないか。

夫に相談してみた。
YesともNoともいわない。
まだ早すぎると思っているのか。
それとも興味がないのか。

告知するときは夫も一緒だと思っていたけれど、もういい。
一人で説明しよう。

いつものようにダイニングテーブルで宿題をしている途中、切り出してみた。

「あんたがいつもぶつかるのはね、目が悪いからなのよ。」

視野が普通の人より狭いことを説明した。

反応は?

・・・喜んでる?

「あーー、なーーんだ、そうだったのか。それでぶつかったり、つまずいたり、転んだりするんだ。」

今までの不可解な出来事は、自分がアホなせいではなく、目のせいだったとわかってちょっと喜んでいるように見える。

「じゃー、これは?よく、見の前にあるのに気づかない。何かを探していて見たはずなのに気づかない。」

「それはね、中心視野のすぐ横にバナナ状に暗点があるからだよ。
見ているところのすぐ横は実は見えてないの。」

「あーーー、そうなんだぁ~。」

じゃぁこういうのは?
こんなこともよくあるんだけど。

次から次へと質問を投げかける長男。
夜盲、ひどい色盲、暗順応の悪さ、光に弱いこと、同系色の色が一体化して見えてしまうこと、すべて説明した。

長男は明らかに喜んでいた。
やっと謎が解けたというように。


これからあなたはずっと、目の悪い自分と付き合っていくことになるんだよ。
今見えている部分も、どんどん見えなくなっていく。

ごめんね、マー君。

聴覚障害者は遊園地の乗り物に乗れない?

2017-07-17 18:52:08 | 難聴・手話
二年ぶりの日本。

帰国の翌日、学校が始まる前に遊園地で遊ぼうかぁっと、後楽園の遊園地に三男と二人で行ってきました。
平日の遊園地は空いてるのよね。

フリーパスを買って乗り物に乗っていると、係の人に呼び止められて、カードを渡された。
毎回乗るたびにそのカードを提示しろとのこと。

「なんですか?これ?」

「聴覚障害者の方にも安全に楽しんでいただくために」・・・うんちゃらかんちゃら。

「補聴器を着けてるからですか?補聴器と乗り物と何の関係があるんですか?」

「乗り物によっては、聴覚障害者の方には緊急時に放送が聞こえないためご遠慮いただいています。」

その時に乗れない乗り物を2~3こあげられたんだけど、後でその人の説明はでたらめだったことが分かった。

本当のルールは、どの乗り物であっても注意事項が伝わらなければだめ。反対に注意事項が伝わるのであればOK。注意事項の放送が聞こえない人は、注意事項がかかれたものを読んで理解できるのであればいいし、注意事項がわかる人が付き添ってもいい。

と言うことは、私が付き添っているのだから、三男が聞こえていようといるまいと、問題なく乗れたはずなのだ。

しかしこのルールがちゃんとわかっている係員はだれもいなかった。
何人かに「このカードの理由」を聞いたけど、みんな違うことを言っていた。

アルバイトの係員と喧嘩をしたってはじまらない。


もやもやを引きずりながら帰ってきた。
でもやっぱり釈然としないために後楽園に電話をしてみた。

まず最初に「この会話は録音しています。」と断ってから本題に入る。
こうすると相手の態度がずいぶん違う。適当にあしらったりはしなくなる。

三段階上の人に回されて、責任者とやらにつなげてもらった。


「障害者の方に安全にお楽しみいただくために、うんちゃらうんちゃら・・・」


「失礼ですが、補聴器を着けていたら、聞こえの程度に関係なく聴覚障害者として扱われるんですか?じゃぁ眼鏡をかけている人は視覚障害者ですか?眼鏡をかけている人にもコンタクトをつけている人にも、みんなにこのカードを渡しているんですか?」

屁理屈に聞こえるかもしれないけど、実際難聴を持っていても、補聴器を着けて聞こえるのであれば、法的には障害者扱いではなく、障害者手帳なんてもらえない。扱いは眼鏡と同じなわけです。ただ違うのは数。眼鏡は多くて補聴器は少ない。だから眼鏡は特別ではなく補聴器は特別、それだけ。


「いえ、あのそうではなくてですね、安全にお楽しみいただくために、云々」


この人をいじめるのが目的で電話をしているのではない。

特別扱いをすれば障害者を守っているような気分になっていることに気付いてほしいだけ。

障害と直接関係のないところで制限をしたり、もしくは実際には能力があるのに、ないと勝手に判断して特別あつかいすることは差別なんだと認識してほしいだけ。


たぶんこれまで誰も疑問にも思わなかったんでしょう。
だれも文句を言う人もいなかったんでしょう。
だからおかしいと感じる人もいなかったんでしょう。

通り一辺倒のマニュアルで、「はい補聴器、はい障害者、はいカード。」って、あまり当てはまりもしない人にもカードを持たせていたのでしょう。
カードを持たされた人たちは疑問に感じることはなかったのだろうか?

電話の向こうでは、しきりに謝っていた。

「いいえ、謝っていただくために電話をしたのではありません。たぶん疑問を投げかける人はこれまでいなかったんだと思います。なので、一度会議にかけてこんな意見があったと話し合ってほしいんです。注意事項が伝わらなければだめというルールは当然のものだと思います。しかし勝手に聞こえないと決めつけられて、こういう扱いをされるのは心外です。目に見えない障害は多くあります。他人が見た目で判断することは不可能ですし、すべきではないと思います。結局は自己申告なわけですから、もっと自己責任にしていいのではないですか。」

私が言いたかったことが、伝わったかどうかはわからない。
でも、障害者カードを持たされて不快に感じたことは伝わったと思う。
それだけでも、意味はあったんじゃないだろうか。










本当は見えてないだけなんだ

2017-04-12 07:04:50 | RP
最近長男は目の不自由を時々訴えるようになった。

でも、真実はまだ明かしてない。

長男は最近時々(又はしょっちゅう)起きる不可解な出来事を、自分なりに解釈しているようだ。

「ねぇママ、僕はねどうやら見たものを頭で認識するのに時間がかかるみたいなんだよ。自転車に乗ってたらね、突然『わー水たまり!』とか、あるんだよねー」

見えていたはずなのに、どうして気づかなかったんだろうと思っているんだろう。

ごめんねまー君、それは見えてなかったんだよ。
視野が狭いせいで見えてなかったんだよ。
あなたがバカだからじゃないよ。


でも、言えなかった。

不便な思いをさせてごめんね。




三男の入学式

2017-04-03 18:16:53 | 子供
三男が日本語学校1年生に無事入学することが出来ました。



日本語はほとんどできないけど、とりあえず無理やり入れました。さぁーどうなることやら。