白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

バイリンガル教育への道(2)

2008-05-30 07:35:39 | その他
私は髪を切る時はいつもサンフランシスコのジャパンタウンにある美容院に行く。
私が指名するのはKさん。
彼女は3人の子どもさんがいて、確か9歳7歳5歳の3人兄弟。
根掘り葉掘りと、いつもお子さんの日本語教育について聞く。
さすが美容師さん。彼女自身のことだけでなく、色々な人の体験談を知っている。
私にとっては一番の情報源。

もちろん情報収集源はそこだけではない。
私も夫も、アメリカ育ちのお子さんを持つ日本人に出会えば必ず、日本語教育の話を持ち出す。

日本語ができるようになった子、努力はしたものの挫折した子、全然できない子、いろんなケースを見聞きして、私たちなりのある答えにたどり着いた。

キーは「日本語補習校」。
アメリカに生まれ育っていながら、仕事で役に立てるほど日本語ができるようになった人に例外なく共通する点は、小学校から高校まで日本語補習校に行ったこと。
努力空しく挫折した子は、挫折の時点を日本語補習校退学の時点と見ている親が多いこと。

日本語補習校とは、もともと駐在員の子どもを対象に作られた学校で、「いつでも日本の学校に編入できるように日本の学校制度に基づいた教育を行う」ことを大前提としている。
日本の公立学校とは立場的にちょっと違うみたいだけど、日本政府より各種の助成も受けており、先生方も日本の教職員の先生が多く派遣されて来ているし、ただの塾とは違うそんな存在の学校なのです。

授業は週に一回土曜日だけ、教えている教科のメインは国語と算数、学年によっては理科や社会も。
1日で一週間分詰め込むわけだから、とても厳しく宿題も多いとか。

その美容師のKさんは、お子さんを日本語と英語のバイリンガル小学校に入れていて、土曜日は補習校に通わせているらしい。
彼女曰く、バイリンガル小学校といっても、日本語はお遊びよ。やっぱり日本語は補習校に頼ってるわね。」っという。

ベイエリアには、私立全日制の日本人学校や、日本語とのバイリンガル学校、塾など日本語を看板にかかげている学校はたくさんある。
でも、いろんな人の話をきくと、あまりレベルが高いとはいえないようだ。
日本人として、日本の教育を徹底的にやる日本語補習校とは基本的に異なる。

サンフランシスコ日本語補習校は全児童&生徒数約1200人のマンモス校だ。
驚きでしょ?
そう120人ではありません1200人です。

ロサンゼルスの補習授業校(1500人超)とならんで、いつも世界の日本語補習授業校(195校)中、上位3位内に入るとか。
それだけここには日本人が多く住んでいるということですね。
ひょっとしたら、日本のあなたの町よりここのほうが日本人人口がおおいかもよ。

授業は地元の小学校や中学校の校舎を借りて行う。

そんな学校があるんだったら、入れるに越したことはないっと思うでしょ。
でも私の周りには消極的な意見の人の方が多い。
これだけ日本人ママの友達がいるにもかかわらず、身近な人で子どもさんを今補習校に通わせている人はその美容師さんだけ。

お隣のクミさん曰く。
「毎週土曜日に家族の時間を犠牲にしてまで、通わせる必要があるんだろうか? 日本語ができるようになって欲しいとは思うものの、必要ないといえばないわけだし、イヤイヤながら通うより好きな習い事なんかをさせてあげたほうがいいような気もする。」

確かにその通り。
しかも、校舎がサンフランシスコのサンセットにある。
家からサンフランシスコのダウンタウンまでだったら、土曜日の朝なら車で15分といったところ。
でも、サンセットだとフリーウェイを降りてそこからさらに30分くらい走らなきゃいけない。

う~ん、考える。
しかも宿題もすっごく多くて、通い始めても挫折する人が後を絶たないとか。

それでも夫の心は決まっているご様子。
「送り迎えは僕がやる。挫折してしまうんだったら、それはそれで仕方ないけど、最初っからできないと決めてかかるのはよくない。途中で退学することはできても途中から入ることは(日本語に差がつきすぎて)もっと難しくなるんだから、入れるだけ入れてみよう!」

しかし、入るためには入学試験にパスしなければならない。
日本語を聞き理解して受け答えできるかを調べる面接試験と、平仮名を読んで絵と文字を合わせる程度の簡単な試験があるらしい。

今のマー君だと入学も厳しい。
まずは平仮名を教えなきゃ。

バイリンガル教育への道(1)

2008-05-29 07:46:09 | その他
最近、私と夫の関心事はどうやって子ども達を英語と日本語のバイリンガルに育てるかというもの。
マー君は手話もできるから、「トライリンガル」なぁんて言ってはいるけれど、
ここではとりあえず手話のことは置いておくこととします。

今私たちはバイリンガルに育てることの難しさを、しみじみと感じている。
夫は日本語を長年勉強してきたけれど、日本人の日本語レベルには到底及ばない。
私も苦労して英語をやっているけれど、ネイティブレベルなんて近付きもしない。
だから思う、子ども達をバイリンガルに育てたい。

私は以前に何度か、「難聴でもバイリンガルになれる」と書いた。
難聴を理由に一つの言語に絞る必要はないっと。
何ヶ国語も話せる子は確かにCEIDにもたくさんいる。
でも、それらの言語を全部同じレベルで使いこなせるかどうかは別の話。
バイリンガル、トライリンガルといっても、たいていの場合は強い言葉(母語)があって、それに付属するようにもう一つの言葉がある。
そして、2つ目の言葉のレベルは人それぞれ千差万別。
何ヶ国語できるといっても、その言葉で学校教育を受けない限り、日常生活で使う程度であれば、低い言語レベルにとどまることがほとんどだ。

親が日本人でアメリカに住んでいれば、子どもはどちらの言葉もネイティブ並に使いこなせる、完璧バイリンガルになると思っている人がすごく多い。
世の中そんなに甘いものじゃぁありませんよ。
どうかしたら英語も日本語もできない、母語のない状態に子どもを陥れることにもなりかねない。

私たちのケースじゃないけれど、例えば仕事で3年間アメリカに転勤になり、4歳の子どもを連れてこっちに来たとする。
アメリカではこっちの幼稚園に行き、そのままこっちの小学校に入学。

子どももぐんぐん英語を覚え、外では英語、家の中では日本語のバイリンガルになっているように思えた。。。が。。。
7歳になって帰国した時、日本で生まれ育った7歳の子の日本語力と我が子の日本語力の歴然とした差に唖然としてしまう。
家の中で使うだけでは、4歳に渡米した時の日本語力を維持するので精一杯で伸ばすなんて不可能に近い。
言葉をすごい勢いで、ぐんぐん吸収する大切な時期に2年以上の差ができてしまったら、もう一生埋まらないと言われている。
英語はというと、渡米するまでの4年のブランクがあるため、個人差はあるだろうけどアメリカで生まれ育った子より言語的には弱くなる。
それに日本に帰ったとたんにどんどん忘れてしまう。
結局その子は、その後の学校生活でもすごい苦労を強いられることになる。
どうかしたら一生言葉の弱い人間になりかねない。

そういう、どちらの言葉も中途半端で、確立された母語がない状態をリミテッドバイリンガルって言うんですって。

まぁ、これは一つの例だけれど、家庭生活で使うだけでは言葉の発達には限界があるし、
完璧なバイリンガルになるなんて生易しいものじゃないと、ちょっと理解してもらえたでしょうか。

マー君の母語は英語だ。
もちろんタイ君の母語も英語になるでしょう。
こっちで学校教育を受ければ、それは自然にそうなると思う。
その母語の英語をおろそかにしないようにサポートしつつ、日本語もできるようにしたいというのが私たちの願い。

完璧にとまではいかなくても、人前で物怖じせず日本語できちんと話せるようになって欲しいし、簡単な文章は読めるようになって欲しい。

親として何ができるか、その試みはこれから。

誰の母の日?

2008-05-26 04:11:47 | その他
郁子さんに聞かれた。

「どんな母の日だった?」

聞かないで欲しい。

子どもが小さいうちは、母の日を祝ってくれるのは夫だとおもう。
しかしうちの夫の場合、母とは彼の母であって、私ではない。

それに母の日はタイミングわるく、義父の誕生日が近いので必ず夫の実家で誕生日パーティーをすることになっている。
夫にとっては、お父さんの誕生日と母の日とを同時に祝う、親孝行の日なのです。

夫の頭にあるのは、彼の母のことばかり。
「ねぇ、今日は母の日だから、僕のマァムになにかプレゼントをしたいんだけど、ただ花を買って渡すのも味気ないと思うんだよねぇ。」
私の知ったことか!

「裏庭にたくさんバラの花が咲いているから、それを使って去年みたいにフラワーアレンジメントやってくれない?」
そう、毎年私は彼の母親のために、フラワーアレンジメントをしてあげる。
でも今年は、それがとても不愉快におもわれる。

「僕がカスミソウやオアシスを買ってくるから、君がやってよ。良ちゃんはすっごく上手だし、お店で買うより手作りの方が喜ぶと思うんだ。」

とても不愉快だったけれど、仕方ないからバスケットにバラとカスミソウでアレンジしてあげた。

「うわぁ、ありがとう。きっとマァムは喜ぶよ。それからダァドの誕生日プレゼントも準備しなきゃなぁ。」
次はお父さんですか。。。
「ちょっと何か買ってくるよ。」

そういって夫は子どもを私におしつけて出て行った。

全くもう!!!

帰ってきてから、今度はカードが必要だと言い出した。
「ねぇ、カードも手作りがいいと思うんだけど、ちょうどいい紙ないかなぁ。マーカスに絵なんか描かせたら、素敵なカードになるとおもうんだけど。」

今日は母の日じゃないのか?乳幼児を育てる私こそ、ねぎらってもらっていい存在ではないのか?
終始不機嫌な私に夫は言った。

「良ちゃん怒ってる?ごめんね。」
「なんで謝るのよ?」
「わかんないけど、良ちゃんが怒っている時はいつも僕のせいだから。」

・・・こりゃだめだ。全然わかっちゃいない。

我慢と言うか、諦めと言うか、これが私の夫なのだから仕方ないと思うしかない。

次の日机の上にカードといたチョコが置いてあった。
I love mom と印刷された市販のカードに手書きで名前だけが書かれてある。

まぁ、一言なにか書けよなぁっとは思うものの、私が母だということを忘れていたわけではなさそうだ。
まぁこれで許してあげましょう。

はさみストリート

2008-05-23 02:55:51 | その他
また、マー君の語彙を査定するために、すごい語彙リストを渡された。

「お子さんが使う言葉に丸をつけてください。」
っというもの。

聞いて分かる、または親が言ったことを繰り返すことが出来る単語は入らない。
自分で使える言葉だけ。

「もし、英語以外の言語で同じ意味の単語が使えるのであれば、単語に丸をつけてその横にJapaneseであれば頭文字のJを記入してください。」
っと書いてある。

単語は、食べ物、生活、学校、家族、などにグループ分けしてある。
ざっと見ると、英語の場合マー君はそのほとんどの単語を使っているようだ。
でも、日本語となると。。。6割7割といったところだろうか。
やっぱり、日本語は年齢相応の語彙があるとはいえないようだ。

しかし、一つマー君の口から聞いたことがない単語が載っている。
『セサミストリート』
マー君はセサミストリートを知っているのだろうか。

アメリカ人の子どもなら当然知っているこの言葉。
でも、我が家では英語のテレビ番組を見せたことがない。
本当に、一度も見せたことがない。

見せるのはアンパンマンやドラえもんといった日本の番組。

でもCEIDで話に出てきて知っているかも?

ちょっと尋ねてみた。

「マー君、セサミストリートって知ってる?」
「え?なぁに?」
「セサミストリート。」
あ、日本語的な発音だから、分からないのかも。
英語的な発音で言い直してみた。

"sesame street"

「なにそれ?」
やっぱり、知らないか。

「ダディーなら知ってるかもよ、聞いてみたら?」
マー君は夫の所に走っていった。

"Daddy. Do you know HASAMI Street?"
"What?"
"HASAMI Street."
"HASAMI? Do you need scissors?"
"No, HASAMI Street."

私が割ってはいる。
「マー君「はさみ」じゃなくて「セサミ」だよ。」
やっぱり、マー君はセサミストリートをしらないようだ。

結局リストされている全部の単語に丸がついた、『sesame street』以外。
セサミストリートを知らない4歳児なんて・・・、先生方からどう思われるかしら。。。

国内初、手話で授業の学校

2008-05-22 03:48:21 | その他
今朝、ぼけぇ~っとベイスポを眺めているとこんな見出しが目に飛び込んできた。

「国内初、手話で授業の学校」

そこにはこうかかれてあった。

『耳の聞こえない子ども達に手話を主体とした授業を勧める全国初の学校「明晴学園」が今春、東京都品川区に開校した。』

へぇ、あれだけ手話に反対だった日本で、手話を主体とした聾学校が出来るとは、ずいぶん時代も変わったものですねぇ。

でもこの学校、公立?

手話で授業ということは、先生が手話が出来なきゃいけないわけでしょ。
今の日本の制度では、数年ごとに先生が転勤になるから、聾にたいしても手話に対しても全く無知の先生が次から次へと聾学校に転勤になってくるんでしょ。

っで、少し手話を覚えかけて、聾のことが分かりかけたところで、また転勤。
また普通校に戻って、そのうち手話のことなんか忘れちゃう。
聾学校の先生といっても、みんな教員採用試験に通ったいわば公務員の先生。
聾学校教員という別枠があるわけでもなんでもない。
ろうの先生がほとんどいないのも、それが原因なんだって聞いたことがある。

この学校はどうなんだろう?
先生は別枠で採用されて、固定なのかしら?

ハンナちゃんのお誕生会

2008-05-11 10:10:39 | その他
今日は、保育園のお友達ハンナちゃんのお誕生日パーティー。
場所はオークランド動物園横にある、ミニ遊園地。

「今日は動物園に行くよ~~。」
しかし動物には全く興味がないマー君。
「動物園の中には汽車が走ってるよ。」
「ロープウェーもあるよ。」
乗り物の話しかしないマー君。
動物園って入場料高いのに、こんなに動物に興味がない子供を連れて行くのって、ちょっとお金の無駄なのでは。。。

始めはパーティーの後は動物園に行こうと思っていたけど、ミニ遊園地で乗り物に乗って遊びまわったマー君。
もう今日はこれで十分でしょう・・・っと、動物園には行かずに帰ってきました。


この遊園地は乗り物に乗るのにはお金がかかるけど、入場料は要らないの。


汽車は動物園の周りを走る。
動物園の中も少し見える。まぁ、今日はこれで十分でしょう。



実は、遊園地でクライアントのCFOとお会いしてしまった。
どこかで見たことがある顔。。。
でも、子供と一緒ににこやかな笑顔で遊ぶ姿があまりにも仕事中の顔とかけ離れていたもので、すぐにピンと来なくて、目があって彼がにこっとしたのに挨拶をしなかった。
やっば~~。
彼も私同様「こいつあったことがあるな~」っと思いながら、監査人だと気づかなかったのでは?

みんな、家庭の顔があるんだなぁ~なんて、しみじみと考えてしまった私。
私も今日は仕事のときとは違う、家庭の顔をしていたのだろうか?


子供との週末

2008-05-03 10:12:37 | その他
仕事が少しスローダウンして、週末は働かなくてもよくなった。
そこでお散歩ついでに、同じ会計士の留美子さんちに遊びにいった。

留美子さんの旦那さんが我が家のバスルームを改築してくれた大工さん。

留美子さんは今お腹に赤ちゃんがいるの。
男の子って分かったんだって。
産まれたら、うちの子供達といいお友達になれると、私達も大喜び☆☆

帰りに公園によって、少し子供達を遊ばせることに。
。。。考えてみると、泰君を公園に連れてきたのって初めて???
5ヶ月になるまで、一度も公園に来た事がないなんて、なんて悪い母親。
ベビーシッターをしてくれている郁子さんはほぼ毎日この公園に泰君を連れてきてくれているみたいだけど、私は仕事が忙しくて、週末も働いていたから子供を公園に連れてくることもなかった。

ほのぼのと子供達が遊ぶ姿を見るのって、幸せを感じる。
ちょっと私、仕事しすぎよねぇ。。。
乳幼児をもって、会計監査の仕事なんて無理なのかしら。
真剣に転職考えるよなぁ。




春祭り

2008-05-01 10:14:26 | その他
ある仏教寺院が主催する春祭り。
お祭の名前は"haru matsuri"
ははは、その名の通りじゃyん。

夫の太鼓グループは毎年この祭で太鼓を叩くから、これで3度目。


太鼓グループのメンバーのお子さん、エミちゃんと一緒に2人で泰君が乗ったベビーカーを押して走り回る。
この子はお父さんが白人でお母さんが日系アメリカ人。
二人とも太鼓グループのメンバーだったんだけど、去年離婚しちゃったんだよね。
かわいそうに。
現在お二人は、裁判中でかなり醜い争いになっているらしい。。。
おふたりともいい人なのに信じられないなぁ。

今日はお父さんがエミちゃんを見る日で、一緒にお祭にきていた。


車に乗って遊んでいた二人。
ちょっと静かだなぁ~~っと思うと。。。


うわ!日焼け止めクリームを車に塗って遊んでいるじゃないか!
まったくもぉ~~~!!!