白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

日本語教室の授業参観

2010-05-17 13:52:12 | 子供
マー君も私も毎週土曜日の日本語教室にすっかりなれて、土曜日が楽しみなくらい。

はじめはどうなることかと思ったけど、宿題も嫌がることなくちゃんとやるし、
毎日教科書の音読もやって、「大きくなったら日本語の先生になりたい。」
とまで言い出したマー君。

良かった良かったと安心していたところ、先日授業参観でマー君の授業風景を見に行ってきました。

授業内容は『のばす音』の表記の仕方。

あ段の音をのばすときは、「おかーさん」ではなく「おかあさん」と表記するといったもの。


先生は子供でも興味を持つように、「あ・い・う・え・お」はそれれぞれの段(家)のお母さん、で子供たちはお母さんに手伝ってもらうんだよ。っといった話をする。

なかなかうまいなぁ。

でも、『え段』のお母さんはお出かけしていていないから、え段をのばすときは『い』のおばちゃんが手伝いに来てくれるんだよ。それで「とけー(時計)」は「とけえ」ではなく「とけい」なんだよ。っといったお話。

先生が楽しくお話を作って説明しているあいだ、
他の子はみんな先生を見て授業に参加しているのに、
マー君は机の上に寝そべるような姿勢で、
筆箱を鉛筆でつついて遊んでいる。
全然聴いてない。

「ではやってみましょう。」っとプリントを始める。

マー君のプリントをそっと覗いてみると、今先生が言ったばかりのところ、え段をのばすときは「い」を入れるといったのに、『え』を書いているマー君。

がっくり。。。


そんな調子で授業中ず~っと筆箱を鉛筆でつついて暇そ~~~にしているマー君。

先生の話は全然聴いてない。


今補聴器が片方壊れていて修理に出しているから、一つしかしていない。
そのせいで、先生の話がよく聞こえてないんだろうか?
先生がしゃべっている日本語がよくわからないんだろうか?
それとも、集中力がないんだろうか?
この分だとアメリカの小学校でも同じようなものかもしれない。

夫に言ってみる。

「ねぇ、アメリカの学校では授業参観はないの?マー君は授業を全然聞いてないかもしれない。」

「ねぇ、先生たちがマー君は本当に優秀ですよ~って言うのは、ただ親を黙らせるために言ってるだけじゃないの?信じちゃだめだよ。」

「ねぇ、こっそり授業風景を見に行ってみようか?」

「ねぇ、日本語教室でも、FM補聴器をつけたほうがいいかもよ。数千ドルかかっても、いいやつを買ってあげようよ。」

夫はあんまり気にしてない様子、「はいはい」とあしらってあまり取り入ってくれない。

むかつくなぁ~、切れる私!

「何で自分の息子なのにそんなのんきでいられるのよ。あの調子じゃマー君全然楽しんでないじゃない。辞めたいって言い出す日も近いよ。他の子よりできないのって辛いんだから。」

「でも本人が日本語教室が好きだ、楽しいって言ってるんだからいいんじゃないの?」っと夫。

どうしてこんなに無関心なの?腹が立つ腹が立つ。
それにしても、あのマー君の授業態度にはがっかりだわ。
あのぶんじゃぁ勉強ができるようになんて到底なれないわ。
勉強が好きになるどころか、学校に行くこと、教室にいることが苦痛になってもおかしくない。
登校拒否なんかになったらどうしよう。
マー君とじっくり話し合ってみよう。

それでまた夫に相談する。
ねぇ、マー君と話し合ってみようと思うんだけど。
それでも夫はやっぱりあまり関心がない様子。

「え~?何を~?」

「ちょっと、どうしてそんな無関心でいれるの?日本語教室だから?あのマー君の授業態度見たでしょ。全然先生の話なんて聴いてなかったじゃない。あの分だと、アメリカの学校でもあの調子よ、あんなんだったら落ちこぼれ間違いなしよ!!!」

もう、夫になんかたよってられない
マー君を呼んで訊いてみた。

「マー君、先生が言っていること聞こえてる?」

「うん。」

「先生が言っていることわかる?」

「うん。」

「みんな本読むのじょうずだったねぇ。日本語も上手だねぇ。」

マー君はにっこりと笑って一言。
「うん、でも僕が一番上手だよ!」


・・・・

あ、あっそう。

「そ、そうねぇ~、マー君がいっ一番上手だねぇ。うん、ママもそう思う、マー君がいっ一番上手。」

あ、なんか肩の力がガクッと抜けた。
ま、本人がそう思っているんだったらいいや。
心配する母がアホなのか?


なんかよくわからんけど、まぁ、これでいいことにしましょう。
天真爛漫でよろしい。
あんまり心配するのはやめよ。

一人で育てる覚悟

2010-05-09 06:49:48 | その他
先日買い物をしていると、CEIDでお世話になったマー君の先生にお会いした。

彼女のおかげで私たちは救われたといっても過言ではないほど、毎週うちに訪問してきては、私たちを励まし、難聴をもつ赤ちゃんの育て方の指導をしてくださった。

年の頃は私と同じくらい。
大変頭がよく優秀で、本人は健聴ながら、手話通訳の免許を持つほど手話が堪能。
子供の成長過程における言葉の発達というのも、すごく知識が深く(それもそのはず彼女は博士号をもっている)、彼女は最高の先生でした。

彼女はもちろん子供が大好きで、子供と遊ぶのも勉強するのも上手。
ただ、当時は結婚する気配はまったくなかった。

それが、お会いした彼女は妊娠8ヶ月の大きなおなか。

さすがの私も「え?結婚したんですか?」なんていう露骨で失礼な質問はできず、「おめでとうございます、楽しみですねぇ~。」っと社交辞令を交わした。

あとで聞いた話、彼女は精子だけ買って人工授精で妊娠したらしい。

す、すごい。


「結婚したいと思えるほどの人がなかなかあらわれず、妥協で結婚なんかしたくはないけど、年齢的に子供はそろそろ産んでおいたほうがいいだろう。」
なんていう女性はここアメリカにもわんさかいる。

でもその中で、「じゃぁ産もう。」と決心できる人がいったい何人いるだろうか。
私だったら、どんなに子供が欲しくとも、一人で妊娠して産み育てていくという覚悟はとてもとてもできないだろう。

少々ガッツがある人だって、そこまでの覚悟ができる人ってそういないと思う。
しかも彼女は親がシカゴかどこかに住んでいて、単身。
本当にひ・と・り・で育てていくことになるのです。

子供を一人で育てていく覚悟、彼女はそれができる人。
その覚悟の大きさ、彼女の人間の大きさに私は感嘆と、賞賛を感じずにはいられないのでした。

「彼女ならできる」そして彼女なら周りのみんなが助けることでしょう。
私も心から彼女を応援したい。

相棒の旅立ち

2010-05-06 09:39:05 | 仕事
同僚が一人会社を辞めた。
一緒にチームを組むことが多かった私の相棒。
私のことを日本語で「隊長!」と呼び親しんでくれたやつ。
この『隊長』とはブリーチという漫画の第二番隊の隊長、アメリカでもはやっているらしい。



彼がすごくでかいやつで、副隊長にそっくり。


これが隊長ね。小さいけど強いの。私みたいははは。


これが副隊長。

そして

これが私たち。いかがでしょう。似てる?


彼の最後の日ということで、その辺にいたやつらを集めて記念撮影。

この写真をみると、誰もアメリカとは思わないかもねぇ。
さすがサンフランシスコ、アジア人人口が多い。
それと会計士という職業柄中国人が多いのよね。
写真のうち、中国系二世が3人、台湾人1人、韓国人1人、フィリピン系二世1人、そして日本人の私。
監査グループには白人も3人いるんだけど、このときはたまたまいなかったのよね。

そして、このメンバー(マイナス1人)でこの後行った場所は・・・なんとストリップクラブ。
会社から歩いて5分ほどのところにあるのよ、そんなクラブが。
たまに昼休みに行ったりして。なははは。

はじめは、ゲ~~~っと思ったけど、こんなやつらと長い間仕事していると、私も慣れたわ。
それになかなか、面白い。

この日は酔っ払うまで飲んで騒いでまるで学生気分で遊びました。
しかし、同僚の旅立ちは悲しくせつないですねぇ。