白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

マネージャーに昇進

2010-10-08 21:36:57 | 仕事
10月1日付けでマネージャーに昇進しました。イエイ

半分約束されていたし、なるだろうなぁっと思っていたから、驚きはなかったものの、やっぱり一つの大きな達成。

考えてみたら、大きな出来事はいつも妊娠しているときだった。

マー君がお腹にいるときは、CPA試験に合格して、たい君がお腹にいるときは、シーニアに昇進とCPAのライセンスを取得、そして今回はマネージャーに昇格。


っと、自分では「私もついに部下を持つ立場になったのね。」っと感慨にふけったりもしたんだけど、周りの反応はなぁ~んかいまいちなのよねぇ。


通達があってすぐ、夫にEメールで伝えた。

「おめでとう~。」という返事メールが来たものの、家に帰ってもとくに何の言葉もなし。
かるい昇進祝いくらいしてくれるかと思っていたのに、つま~んな~いの~~~~。
昇進と一緒にお給料だって上がったんだら、もう少し喜んでよねぇ~~。ブー。


妹に言ってみたものの。
「ふ~ん、あっそう。うちの旦那も係長に昇進したよ。」
っと反対に自慢されてしまった。

つま~んな~いの~~~。

「すごいじゃぁ~ん。」の一言を言ってほしかったりするのって、私ってまだまだ幼稚?


でもさでもさ、こんな私が、英語も全然できずにゼロからスタートした私が、ついにアメリカ人を部下として使う立場になったんだよ。
大きな達成だと思うんだけどなぁ~~~。


っとまぁ、私の周りの人たちの反応は、「あ、そう」っと興味すらないに等しいんだけど、社内はそうはいきません。

シーニアに昇進したときは全員一緒だったから、こういうことはなかったんだけど、今回は一人だけの昇進となる。
もちろん先を越された人たちの心中は穏やかではない。

私と同じ立場の同僚が2人いた。
一人は私と一緒にスタートした同期で、アメリカ人白人の男。
プライドがすごく高く、野心も強い。

それが、英語もろくにしゃべれない外国人、しかもアジア人、しかも女の私がマネージャーの地位について(すなわち彼の上司になった)自分は昇進どころか大した昇給もしなかったんだから、おもしろいはずがない。

誰それかまわず愚痴を言っているらしい。

もう一人の男は、途中で入ってきたんだけど、前の会社も合わせると経験年数は私と同じ。
っで、こいつもまた、私と口すら利こうとしない。


慰めたりしたら、「バカにしている、自慢している。」と言われかねないから、できるだけ刺激しないように努めているものの、目に見えて会社の待遇が変わったものだから、刺激しないというのも無理というもの。

私には個室のオフィスが用意され、マネジメントチームとして写真が載り、会社から携帯電話が支給され、パソコンもアップグレードされて、週に一度のマネジメント会議にも出ることに。

嫌でも見せ付けることになってしまう。


私は以前と変わりなく、一緒に仕事をしているつもりでも、
「これやってくれる?」っと頼めば、
「はいかしこまりましたボス。マネージャーのボスの命令なら何よりも優先してやります。」
などという嫌味を冗談じゃなくて言う。

でも言葉とは裏腹に、「お前のために誰が働くか。」っと言わんばかりに、絶対にやらない。


本当にやりにくい。


私の昇進を面白いと思わない人物がもう一人。

すでにマネージャーだったEという白人男。

今まで自分の下に位置していた私が、自分と同じ立場になったのだから面白くない。
「これはマネージャーの仕事なんだ。君ももうマネージャーなんだから、早速やってもらう。」
っと嫌がらせの如く次から次へと仕事を持ってくる。
大ボスに、「いきなりこんなにできません、少しずつ学びながらやって行きたいのですが。」っと訴えると、
「そりゃ当然だよ。マネジャーになってすぐの君がするような仕事じゃない。誰がそんなことをやるように言ったんだ?」っとのこと、

明らかな嫌がらせというか、いじめというか。


出世競争というのは、勝つも負けるも楽しいものではないということを、身にしみて思い知らされた気分。

前途多難な幕開けです。


またリクルート

2010-10-02 22:38:51 | 仕事
上司に頼まれて、また別のリクルートイベントに出ることになった。

ここはカリフォルニア大学バークレー校。
世界で一番ノーベル賞受賞者を輩出している(41人)、名門中の名門校だ。

さて、この大学の学生がどれだけ優れているか興味もあり二つ返事でOKして、同僚のPと一緒に出かけた。

はじめ来いといわれたところに行くと、「場所が変わったからあっちに行け」という。
むかつく。

出向くものの、駐車場もない。
ずいぶん遠いところに停めて、仕方なしに重い荷物を持って歩く。

着いても、出迎えもない。
なんとまぁ横着な。


これも、会計キャリアフェアーで、来ている企業は数日前に行ったキャリアフェアーと大体同じ。
ただ、こっちのほうが参加企業が圧倒的に少なく、だいたい3分の1といったところだろうか。

有名校なのに、参加企業が少ないなんて・・・理由はすぐにわかった。


会場が開いて、学生たちが入ってきて私は唖然とした。
半分以上の学生が、Tシャツ短パンに、ビーチサンダルといった出で立ち。
その日は珍しくすごく暑かったんだけど、それでもこれはキャリアフェアーだぞ!

ちゃんとスーツを着ている学生もいるにはいるけど、でもそれが普通でしょ。
他の大学にもリクルートに行ったことあるけど、Tシャツは見たことはないぞ。


私は相棒に言う。
「私、Tシャツとは話す気ないから、Tシャツがきたらあんたよろしくね。」
そんな不届き者と話す時間も労力も無駄というもの。

スーツを着ている学生が来たら、対応した。
でも・・・こいつら言葉遣い知らんのか?

「ねぇあんたたち~、あんたたちの会社って何やってんの~。」

ははは、日本語の訳し方やりすぎ?
だって本当にそんな感じだよ。
英語でそのまんまの文章を書くと、

"Hey guys, tell me about your company. What do you guys do?"

あながち私の訳し方も行きすぎじゃぁないと思うんだけど。


「うちは会計士事務所です。」
「へぇ~、っで会計事務所って何やるの?おれ(又は私)コンサルタントになりたいんだけど。」

みんな口を揃えておぉ~~~んなじ事を言う。
『コンサルタント』になりたいらしい。

会計事務所が何やるか知らない世間知らずのアホが、何のコンサルティングをするのでしょう?

意地悪な私は聞いてみる。

・・・っとぉ。

「だからぁ、経営のコンサルタントだよ。ほら会社経営者にアドバイスをするの。」

ほぉ~、面白い。
社会も知らない、仕事をした経験もない、常識も知らないドアホにお金払ってアドバイスを聞こうなんていう会社経営者がどこにいるんだよ。

意地悪な私は、学生がなぁんもわかってないのを知っていながらさらに質問を投げかける。

「経営コンサルタントと言っても、いろんな分野の専門家がいます。あなたはどういう方面を専門とするコンサルタントになりたいのですか?」

これに応えれた学生は一人もいなかった。


かわいそうだから、少しリクルートらしく宣伝してみた。

「私たちもコンサルタントです。会計の方面から会社経営をサポートします。会社の監査を行うと、その会社の欠点が良く見えます。ビジネスのすべてが見えます。多くの会社を見ることで、良い例悪い例を沢山見ます。その経験を元に私たちは会計士の立場から、経営のアドバイスをします。会計監査の経験を積むことは、あなたのキャリアの大きなステップとなるのではないでしょうか。」

でも、4~5人も同じ台詞を繰り返すと、それも面倒になってきた。

私たちはリクルートに来たわけで、バカな学生にキャリアステップを教えに来たわけではない。

やぁ~めた、辞めた。

「コンサルタントになりたい。」といえば、
「あ~、うちは税務と監査をやるの、悪いけど他あたって。」

握手するのも、その台詞を言うのも面倒になってきた。
3時間近くとってあるこのキャリアフェアー、1時間で私はやる気を全く失って、後ろのほうのいすに座って、学生と目を合わせないように、ムシムシ。

相棒が、「本当に時間の無駄だ。」っと言い出して、結局まだ終わってないのにさっさと片付けて帰ってきました。

どんな有名大学だかしらんけど、あれじゃぁ雇おうとは思いません。

みんなが悪いといってるんじゃないんだよ、事実うちの会社にもバークレー卒者は多々いるし、私が今まで見てきた経験では、バークレー卒者はまじめに良く働くし、頭がいいから覚えも早い。

でも、学生の間はちょぉっと世間知らずすぎかも。
うわさによると、就職率も悪いらしい。(経済学部の話ね)

就職がなかなか見つからずに1年くらい就職活動をしながら世の厳しさを学んで来るくらいがちょうどいいかも。っと思いました。


リクルート

2010-10-02 20:17:00 | 仕事
近くの大学で会計のキャリアフェアーがあり、学生をリクルートしに会社を代表して行ってきた。


実は私の母校でもあるんだけど、でも『母校』と言う言葉はあまりあわない。

なぜかというと、どちらかというと専門学校のような学校だから。
学部生より院生の数の方が圧倒的に多い、たぶん1:9くらいの割合。
ほとんどの人が現在仕事をしていてキャリアアップのために来ているか、
キャリアチェンジのために来ている。
平均年齢は30歳を超えていて、学生と言っても子供ではない。

講師陣もそれぞれの業界で成功をしている面々で(教授は数人しかいない)、
実際に仕事をするうえで必要な知識を教える。
即戦力になるため、企業側もこの学校を高く評価しており、
就職率もすごくいい。


とは言っても、やっぱりこの不景気、思った以上に学生は就職に苦戦しているようで、
卒業しているのにまだ就職が見つからずにいる人もたくさんいた。


着いてから準備をしているうちに、どんどん学生が集まってきて、
あっという間に長い列ができた。

みんな自分を覚えてもらおうと、必死で自分を売り込もうとする。

先に参加企業のリストをもらうため、
ちゃんとウェブサイトをチェックして、
質問も準備して来ている。

学生が真剣だから、私も自然と真剣になる。



こうやってたくさんの学生とプチ面接をやると、
アメリカ人と外国人の違いがよく見える。
やっぱりアメリカ人は『しゃべり』がうまい。
それに対して英語を母語としない学生は、
面接力ではぐんっと劣ってしまう。

でもね、私はそんな『しゃべり』には騙されないわ。

私たちの仕事は営業ではない。
喋りがうまい人より、会計の知識があり緻密な仕事ができる勤勉な人材が欲しい。

全体的に外国人のほうがアメリカ人より学業のほうでは成績がいい。
私はそこを見逃さない。

でも、私の同僚やボスはみんな同じことを言う。

「この人成績はいいけど、あの英語じゃちょっとねぇ。」

私にしてみれば、馬鹿を言うなと言いたい。

あの英語なのに、そう、英語がすごくハンディーになっているにもかかわらず、
あそこまでいい成績をとっているということは、
その人がどれだけ勤勉で努力家で頭がいいか。

言葉は、特に話し言葉が伸びるのは他のあらゆるものより時間がかかってしまうため、
努力に反して言葉がなかなかついてこない。
私も全く同じ経験をしたから痛いほどよくわかる。
本人は悔しくて仕方ないけど、こればっかりは努力だけではどうしようもなく、
練習と時間が必要となる。

でも他の事でこれだけ成功しているのだから、
時間さえ費やせば英語が伸びるのは明らか。
その人の本質はしゃべりのうまい下手ではないと私は思う。

だから、成績が良くて、CPA試験にも合格していうるのに、英語がいまいちという外国人学生は特に応援したくなる。

そういう学生を見つけたら、余計なお世話と思いながらもアドバイスをした。


「あなたは、企業側が求めるものをすべて持っています。
ただ、それを雇用者側に気づかせる必要があります。
後はどううまく自分を売り込むか。
私にできることは、たくさん受け取った履歴書の中からあなたを推薦することだけ。

上手な英語で自分を売り込まない限り、あなたの価値を見出してくれる人はなかなかいないでしょう。
これからは徹底的に面接の練習をすることです。
面接でアメリカ人に勝つのは至難の技。
いろんな人に見てもらって、アドバイスをもらい、
何度もロールプレイをして練習に練習を重ねるしかありません。
がんばってください。」


私は心の底からそう思う。

うちの会社で第一次面接をする人事の人は、普通のアメリカ人白人女性。
英語が流暢でないと第一関門を突破できないだろう。

第一関門を突破すれば、運がよければ私が面接をする機会にもありつくだろう。
第一関門、がんばって欲しい。