白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

泰君の「個性」

2011-09-26 11:46:23 | 子供
泰君は12月で4歳になる。

普通第一次反抗期は1歳半頃から始まって、3歳半くらいには落ち着くという。
でも、泰君の反抗期はまったく落ち着く気配すらない。

とにかく朝から晩まで泣き叫んでいる。

赤ちゃんが産まれたから、親にかまって欲しいから、どの理由もぴったり当てはまる。

まず朝目が覚めたら、お布団のなかで泣き叫びだす。
親を呼んでいるらしい。
ダディーがもう仕事に行っていないとわかると、玄関のドアをバンバンたたいて泣き叫ぶ。
毎朝のことなのに、いい加減に慣れろよ!っと言いたくなる。

でも、それを突き放しちゃいけないらしい。
やさしく受け止めて、とにかく愛情を注いであげる必要があるらしい。

がんばっているんだけどなぁ~。


でも、何をするにも「イヤイヤ」で言うことを聞かない。
わざと悪いことばかりをして、気を引こうとする。
悪いことをすればもちろんしかるわけです。

そしたら、しくしく泣きながら、
「ママ~、そんなに怒らないでぇ~。僕、ママのこと大好きなのに~。」
っと弱弱しくいう。

なんだか、ママがすっごく悪いことをしているような、
泰君はすっごくかわいそうな男の子のような、

いや、ちがう~違うだろう~~~。

でも、きっとこれが泰君の本音なんだろうなぁ。
自分で悪いことをしているとは思ってないんだろうなぁ。


何をするにも「イヤイヤ」だから、すごく時間がかかる。
急いでいるときに限って、着替えたくない、靴は着たくない、とひっくり返って駄々をこねる。

ここでいらいらしちゃいけないらしい。
がんばってるんだけどなぁ。

9月から新しい保育園に行きだしたものの、人見知りが激しくて未だに慣れない。
毎回行くたびに大泣き。
その前に連れて行くのに大奮闘。

友達もできてないらしい。

先生が言うには、「興味が他の子と違うものだから、一緒に遊ぶのが難しくて・・・。」

いやぁ、まったくその通りで、短期間しか見てないのにそれをずばり言い当てる先生はすごい。

ちょっと変わった子で、普通の子供が好きなことには興味を示さない。
一般的なおもちゃには興味がない。
それよりも電化製品が大好き。

電化製品ならなんでもいい。
掃除機、扇風機、DVDプレイヤー、照明器具、炊飯ジャー、電気ポット、などなど・・・

子供たちがテレビを見ていたら、泰君だけはテレビのを見ている。
彼にとってはコードやケーブルの方が、セサミストリートより面白いらしい。
ボタンを押したら音が鳴ったり、動いたりするおもちゃがあれば、泰清は電池のカバーをあけて、電池を見たがる。
本来の遊び方では遊ばない。

何か知能面で障害があるんじゃないかと、真剣に心配するほど。
でも、自閉症ではなさそうだし・・・。

専門家に相談したほうがいいのかなぁ?っとも考える。

藁をもすがる思いで、育児書をいくつか購入して読んでみた。
私の接し方が間違っているのか?
確かに、これまで仕事仕事であまりかまってあげてなかった。
今からでも遅くないなら、できる限りのことをしよう。

本には少々変わった子でも、個性と受け止めて無理に他のこと同じようにさせてはいけないのだとか。

はぁ、「個性」ですか。


耳の悪いマー君より、泰君のほうが今後学校でちゃんとやっていけるのか、ずっとずっと心配です。

だれか言ってたなぁ、「耳が悪いことなんて問題のうちに入らないよ。身体的な障害がなくても、もっともっと問題を抱えている子はた~くさんいるから。」

それは家庭の問題とかだと勝手に思っていた。
なるほど~、他に問題を抱えているこ子供・・・泰君もそれに入るのか?


これも「個性」と受け止めて、もう少し様子を見てみることにしましょう。

姉の来米

2011-09-10 22:04:27 | その他
姉が遊びに来てくれた。
実に8年ぶり。
今回は子連れではなく、一人。
っと言うのも、今回は仕事でこっちに来たついでに、足を伸ばして我が家まで来てくれたというわけ。

この4月から勤めだした某短大の英語研修で学生を引率しての来米。

姉は大学卒業後、公務員として働いていた。
でも昔からすごく勉強家で、結婚して子供ができても勉強をやめることはなかったようだ。
特に外国語への興味が強く、独学で英語とドイツ語をマスターしたツワモノ。
二人目の子が産まれたとき、育児休暇を利用して大学院に入り、
それからせっかく得た公務員という身分を捨てて、博士課程に進む事を決意。
二児を育てながら、この3月名古屋大学言語学の博士課程を修了。
なんと3年という驚異的な速さで博士号を取得した。

そしてこの4月から教壇に立ちながら、自分の好きな研究を進めているというわけ。

いやぁ~、彼女の生き方には頭が下がります。
でも本人は『努力』とは思ってないようで、好きなことをとことん追求しているだけのようです。

姉が研究している言語学という分野はなかなか面白い。
私も子供たちをバイリンガルに育てようとしているし、
自分自身外国語のなかで生活しているから、
言語ということには人一倍興味がある。

それで色々と質問攻めにしてしまった私。
その会話の中で姉は面白いことを言った。

私が「日本人でも、もっと英語がしゃべれるようになるよう、教育方針を変えることはないの?」っと聞いたとき、姉はこういった。

「いや、英語はスピーキング力よりリーディング力の方が数倍重要なんだよ。
実際に英語をしゃべらなきゃいけない人はほんの一握りで、外資系に就職しても
ほとんどがE-メールのやり取りで、しゃべる力より読む力の方が重要なんだよ。」

その言葉に目から鱗がとれた思いがした。
いやぁ~本当にその通り。

世界中にあふれている情報量の7割が英語で書かれているといっても過言じゃないんではなかろうか。
理系の人ならみんな、英語の文献は訳さずそのまま英語で読んだ経験があるだろう。
外資系なら、社内文書は英語で回ってくるだろう。
そして目の前にある便利なインターネット。
この画面の先には世界中の情報が氾濫している。
日本語だけなら、せっかく世界中が繋がっているインターネットであっても日本の中からでられない。もったいない。
英語が読めれば世界中のあらゆる文献あらゆる情報にアクセルできるわけだ。

英語は外人さんとおしゃべるするために勉強してるんじゃない。
英語ができれば、自分自身の情報収集能力を上げ、知識レベルをあげることができる。
そうだよ、アメリカ人のために英語を勉強してあげているんじゃないんだよ。
日本人自身のために英語教育は必要なんだよ。

そしたら時間ばっかりかかって、大して価値のないスピーキングに力を入れるより、
徹底的に日本人の英語読解力を高める教育をするのは当然のこと。

だからぁ、英語に興味があって、おしゃべりできるようになりたいのであれば
個人的に勝手にどうぞ、義務教育では面倒見ません・・・みたいな風になるのもわかる。

なるほどねぇ。
重要なのは、しゃべる力より読む力。

し・か・し、情けないことに日本人のTOEFLのスコアはアジア最下位なんですってね。
しかも、最も悪いのはリーディング
それって単に勉強不足やん。

それを「他の国では一部のエリートしかTOEFLを受けないのに対し、
日本人は誰でも受けるからだ!」っと反論する人がいるらしいけど、
姉が言うには、「韓国は日本より人口が少ないのに、受験数は日本より多い。」らしい。

しゃべれるようにならない教育現場を批判する前に、勉強せい!!!っということですね。


話が横にそれたけど、姉とはひさぁ~~~しぶりに語り合えた気がする。
たった2泊3日の滞在だったけど、こんなに一緒にいたのって、20年ぶりかも。
そう、姉が大学に行くために家を出て以来、こんなに時間をともにしたことはなかった。
姉の家に遊びに行ったことはあったけど、姉は仕事していたし、
旦那さんや子供はいるしで、私たちが語り合う時間なんてなかったもんなぁ。

来てくれてありがとう。