リアルに作られていればいるほど、心のどこかで違和感を感じる。
映像は進化した。
リアルよりも感動させる。
シナリオも巧妙になった。
リアルよりも考えさせる。
魅せるためのテクニックは、数限りない。
もはやリアルよりもリアルなのかも知れない。
泣いたり、笑ったり、怒ったり、
考えたり、絆されたり、勇気を与えてくれたりする。
映画も、舞台も、小説も、音楽も。
エンターテイメントの世界は素晴らしく進化した。
人の脳は、人の脳によって今以上に癒され続けるだろう。
バーチャルリアリティ。
生まれてからずっと、それがそこにある世代。
境界線がぼやけていく。
リアルの世界に、何の意味を見出すのか。
心のどこかの違和感は、その危険を察知しているのかも知れない。
自意識過剰なくらいにならなければ、還ってこられなくなると。
すぐに取り込まれてしまう妄想の世界が、現代には溢れている。
もはや手遅れかも知れない。
科学者が目指す先にあるのが、まるで破滅であるかのごとく。
オグリキャップがこの世を去った。
リアル。
ただしめやかに、当時に思いを馳せるのみ。
