どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

桜吹雪。

2012-04-17 | Sandstorm




晩秋。
寺の落葉掃き。
掃いても掃いても、とめどなく降ってくる。
掃いても掃いても、決して綺麗になることはない。
だからと言って、掃かなくてよいわけでなく。
それは修業のようなもの。
若い坊主が嘆く。
掃いても掃いても、とめどなく降ってくる。
掃いても掃いても、決して綺麗になることはない。
だからと言って、掃かなくてよいわけでなく。
それは人生のようなもの。
老いた坊主が嘆く。





春。
私の上に桜が舞う。
ひとひら、ひとひら、危うげに躍りながら。
あんなに満開に咲き誇って魅せていた季節も。
少しずつ、少しずつ、気付かないうちに。
その華やかさは失われていく。
誰にも留めることはできない。
その儚なさ、その美しさ。
それは人生のようなもの。
ふと風が吹いて、桜吹雪。
春の空に、舞い上がるように。
それぞれの痛みを巻き込みながら。





春夏秋冬。
すべては、散りゆく姿こそを誇るかの如く。
それは誰にも留めることはできず。
それぞれの思いを抱えて。
ただ静かに季節は移ろってゆくのみ。
どこかの誰かの恫喝にも、その歩みは揺らぐことなく。
その目は怯えることもなく。
まして正義を掲げることもなく。
いまや、散りゆく姿こそを誇るかの如くに。







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