月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

本家分家

2012年02月07日 21時19分05秒 | 仏々相念(住職日記)

こちらが本家ですから・・・

 

これ!大好きな牡丹餅!

最高に美味しいのです。

この味は昔からず~っと変わりません、大きさを除いては・・・

何時頃からこんなにスカスカになったのか分かりませんが、昔は下敷きなど見えませんでした。

生き残るために・・・大変なのです、多分。

 

ある食堂での出来事。

隣のテーブルに着いた男性が従業員の方が来るなり何か言い始めた。

このお店はチェーン店で、今治にある同名店のことを言っているようです。

対応が悪いのか、お料理が悪いのか・・・

この店と比べておっしゃっているのです。

「あちらの店は暖簾分けされたお店で、こちらが本家になります。分家の方は経営者が違う為に・・・」

何もすることがなかったので聞き入ってしまいました・・・

何が違うのか、最後まで聞きとれなくて・・・良かったのやら悪かったのやら。

でも、何げに聞こえて来て聞き入るコイツもコイツであります。

嫌なヤツ!

 

分家は分家で基本はちゃんとしながらもオリジナルみたいなものを作っていくのでしょうか。

接待にしても、料理にしても・・・

そう言えば、宇和島にも結構有名な「中華そば屋さん」があります。

商店街に程近くに本店があり、我が寺がある校区にも支店がありました。

私は勿論近くの支店の方に行っていたのですが、本店より美味しかったように思うのです。

こちらにしかないメニューもあったりして・・・

「カレーラーメン」最高に美味しかったな~!

当時、本店にはカレーうどんはありましたが、カレーラーメンはなかったのです。

私はカレーラーメンが好きなので、無理に作っていただいたことがありました。

カレーうどんがあるのでだし汁等もそのままいけるのでしょうし、麺も同じものでした・・・

が、小さきコイツでも何か違う・・・そう思えたのです。

今では本店にも「カレーラーメン」のメニューがあるものの、極稀に行ってやっぱり支店の味を求めるコイツがいるのです。

今ではこちらは閉めてしまって無くなってしまいましたが・・・

どうなんでしょうね~・・・こういうの。

 

お客さんはその看板見てやっぱり同じ味を求めるのではないのでしょうか・・・

 

寺も比べられます・・・

あの寺はこうで、この寺はこうで・・・

同じ御教えをいただくものの僧侶の有様で比べられてしまうのです。

あの寺の住職はこうで、この寺の住職はこうで・・・

そんな話を聞くとあまりいい思いがしませんし、他所でこんな風に言われるのかって思うことです。

それぞれの住職はそれぞれの住職でいろんな考えを持たれているので違いはでてくるのでしょう・・・

でも、お念仏のお味わいはどこで聞いても喜べるように大切にお取次させていただいているのではないでしょうか。

 

お念仏を申させていただきましょう!


地獄相変

2012年02月06日 21時03分19秒 | 仏々相念(住職日記)

待ってるぞ~・・・

 

奉公に出されていた方々が、実家に帰ることを許されるやぶ入り(宿入り)。

嬉しかったろうな~・・・

甘えたい時に親元を離れそれはそれは辛い毎日を過ごすのですから。

あまりの辛さに夜空見上げて泣いたこともあったかもしれません、「おっか~!」

少しの給金と土産を手に弾んで帰ったことでしょう。

帰る家があれば・・・

甘やかされて、寺のボンボンで大事大事で育てられたコイツに何が分かるでしょうか・・・

コイツがこんな事を書くのも申し訳なく思うことです。

 

この日だけは、地獄の釜もお休みとか・・・

ホンマか!!!

 

宇和島にある他宗S寺様は「閻魔さん」で親しまれておられます。

毎年、このやぶ入りの時に閻魔さんのご法要をお勤めされます。

用事があり外出したついでに「閻魔さん、見て帰ろう!」

どうせ落ちんならんところだし、ちょっとでも免疫付けとこう・・・

村上天心筆の8畳敷き程の閻魔さんの大幅が掛かっています。

迫力ある閻魔さんの前に一人佇みます・・・

この恐ろしい顔の向こうに我が生きる恐ろしい一日が見えるようです。

「すいません・・・」

頭を下げました。

 

堂内に「十王図」「地獄相変図」等々がお飾りされていました。

それはそれは、恐ろしい絵図です。

鬼たちの容赦のない姿・・・

つき刺し、切り刻み、打ち砕き、舌を抜き、皮を剥ぐ・・・

バラバラになる亡者の身体、血を吐き、鬼に食われ、骨となる・・・

あ~、これで終わったと思いきや、鬼がカナ棒で地を「ドン、ドン」すると又亡者の姿となり同じ苦しみを受ける・・・

休むことなく・・・

ず~っと!

私がしている姿であります。

 

善人面して口に良いことばかりを並べ生きる・・・

外面被って良い人を演じる・・・

「生きる」そのことの為に、なんと恐ろしい腹の中を抱えることか・・・

鬼と自分が重なる時、「間違いないよな・・・オレがここに行かんと誰が行くのか・・・」

 

重たい気持ちで帰りました。

「そうなろうと思い行ったのですが・・・分かっちゃいるけど止められんよな~この人生!」

 

止められんけど、

「すいません」言いながら生きて行こうよ!

「ごめんなさい」言いながら生きて行こうよ! 

 

ね、どうよ!


住職動揺

2012年02月05日 21時14分23秒 | 仏々相念(住職日記)

「お山にあ~めが降り出した・・・」

 

最近、やっぱり一人で車に乗る時はラジオを聞いています。

AM放送って面白いです。

いろんな情報は勿論、沢山の方々の出来事、想い・・・

なるほどな~・・・

え~、そうか~?・・・

などなど、楽しく聴いています。

 

リスナーの話の内容は忘れてしまいましたが、リクエスト曲が童謡でした。

 

「雨の日、クマの子」つるみまさお

 

お山に雨が降り出した

後から後から降って来て

チョロチョロ小川が出来ました

 

いたずらクマの子駆けて来て

そっと覗いて見てました

魚がいるかと見てました

 

何にもいないとクマの子は

お水を一口飲みました

お手々ですくって飲みました

 

それでもどこかにいるようで

も一度覗いて見てました

魚をまちまち見てました

 

なかなかやまない雨でした

かさでもかぶっていましょうと

あたまにはっぱをのせました

 

あ~この曲、坊守が何気なく口ずさむことの多い曲だって思いながら聞いたことです。

私は、何気に歌う坊守の童謡が好きで「フ~」っと聞こえてくる声に優しくなれるのです。

 

何気ない小熊の姿なのでしょう・・・

でも、運転しながら聞いた歌詞はどこか寂しく聞こえるのです。

一人ぼっちなのか・・・

遊び相手がいないのか・・・

お母さんが忙しかったのか・・・

いえいえ、単に冒険好きな小熊だったのかも・・・

 

こんな曲だったのか~

 

そんなことをツラツラ思いながら口ずさむ坊守の姿を思い浮かべます。

お皿を洗いながら・・・

用事をしながら・・・

その時の感情がメロディーとなり、弾むように歌うこともあれば、切なく寂しく歌うこともある。

一人ぼっちの小熊になるのか・・・

ワクワクしながら冒険している小熊になるのか・・・

 

何もできないコイツは、その声をひと時一緒に聞いています。

 

でも、この童謡・・・

残念ながら今では全く聞くことが無くなりました。

 

強くなろう!

こんなことで負けてたまるか!

坊守は、自らを奮い立たせるように好きな曲をシャウトしています!

 

強くならないといけなかったんでしょうね・・・

その原因のコイツでした!

 

申し訳ない・・・

 

今では私が歌っています、

「お山に雨がふりだした~・・・」

何このビブラート・・・


燃料空々

2012年02月05日 19時56分51秒 | 仏々相念(住職日記)

あ~、大丈夫かな~・・・

 

この写真、別にオゾマシイものでなく菓子パンなのです。

私の大好きな「銀チョコ」っていうパン。

坊守と一緒に買物に行っては、探してでも買ってもらっていました。

やみつき・・・

減量始めるのに先ずこれから止めた程です。

今でも優しい坊守は極々偶に買って帰ってくれます。

 

しかし、このパン・・・

手に取る度に悲惨になっていくのです。

松山高島屋地下にある牡丹餅(無茶苦茶美味しい)かこのパンかっていうくらいに・・・

以前は、ベースのパンはこの袋キチキチに大きく、中央に切れ目が入っておりホワイトクリームが入っているのですが、割れ目が閉じられることなくたっぷりの容量が入っていました。そして、上部のチョコはたっぷりで溢れんばかりのクリームに掛かったチョコの美味しかったこと・・・

今では、ご覧の通り・・・パンは小さく細く、中央の切れ目も硬く閉ざされ中にクリームが入っているなんて考えも付かなくなってしまいました。

「大丈夫か~・・・」

何時頃だったでしょうか、小麦高騰や燃料高騰の煽りを受けこの様な状況に・・・

何もかも、こんなになってしまいます。

 

今日もニコニコさんで南へ北へ・・・

朝一、エンジンスタート!

寒い朝ですが、機嫌良く目覚めます。

ん~?・・・燃料計の反応が殆どありません。

最後のひと目盛りの気持ち上で針が止まります。

「これは、ヤバイやろ・・・」

ブツブツ独り言を言いながら、予定のコース上でのGSを思います。

「じゃ、折り返してあそこのGSで入れていけばいいか・・・」

そう思いつつお参りするとチョッとバタバタしてしまい時間がなくなります。

「いけんやろ~、これでGSなんて寄ってたら次絶対間に合わんわ~・・・」

って40キロ程北へ・・・

燃料計もこのくらいになると信号で止まりスタートするだけで目に見えて針が動きます。

ド~ン、ド~ンって。

「お~!止まったらどうしよう!」って不安な気持ちを持ちつつ、気は心でそっとアクセルを踏みます。

優しくそ~っと・・・

ちょっとでも省燃費!

でも、タンクの容量が軽い分、燃費にはいいのですが・・・

 

こんなカスカス状態で走るなんて滅多にありません。

大体は半分程に針が指すと入れるのですが、諸事情が重なりこの様な状況に・・・

 

不安な気持ちがあると、「どうしよう、どうしよう・・・」としんどいものです。

車の燃料もそうですが、何事も・・・

時間もそう!

身体もそう!

・・・

後生も・・・

 

無くせるような不安であれば先々手を打ち解決したいですね。

後でいいだろう・・・

これくらいいいだろう・・・

別に興味ないし・・・

そんなことしてると不安は増すばかり。

結局どこかにシワ寄せが・・・

分かっちゃいるけど・・・止められませんか~?

 

いけませんね~

 

法務を終えた帰り道、もう燃料計の針も反応せず止まったまま。

もう空っぽだよな~・・・ってゴメンよいっぱいでアクセルやんわり。

近隣で一番安いGSまで何とか走りきり満タン給油!

30リッター満タンのタンクに29,6リッター!

単純にあと6キロ程だったか~・・・

一番分かっているニコニコさんも不安な一日だったことでしょう!

 

給油済ませた帰り道・・・

なんと心の軽いことか!

 

「さあ!帰ろうな!」


「しゃがれる~」のはなし

2012年02月05日 17時20分01秒 | ふうわりふわり(坊守日記)

娘との電話で方言の話になりました

関西に行って間もなく1年が経ちますが、娘の言葉は宇和島にいた時と少しも変わっていません

(それを踏まえて・・・)昨日、お友だち(関西出身)と街を歩いていて車と接触しそうになった時のこと

 

娘「あっ車!しゃがれるしゃがれるしゃがれる~」

友「えっ、なになに?」(驚!)

娘「あ~、しゃがれよった~」(ほっ・・・)

 

このシチュエーションでこそ、娘の言う「しゃがれる」が「(車などに)ひかれる」どいうニュアンスの言葉だとお友だちは何とかわかってくれたようですが

「しゃがれる」なんて普通に聞いたら「声が出にくくなる」という意味になる・・・と言われたそうです

たとえば

「カラオケやさん(の駐車場)でしゃがれた」と言えば「歌いすぎたんやね~」としか思わへんで~、車にひかれたなんて危機感ないわ~

ということです

 

おもしろいですね、方言って

 

私も結婚したばかりの頃はずいぶん言葉には苦労しました

里の石見の方言では、身体がとてもしんどくて辛い状態を「しゅわい」「しわい」と言うのですが

ご院さんに「あ~・・・しゅわ~」ともらした時に「?」という顔をされ、説明すると「炭酸がシュワ~とする爽やかな言葉に聞こえる」と言われたこともあります

ある時は、「〇〇〇してあげようか?」のつもりで「〇〇〇しちゃろう?」と言ったときは、「〇〇〇してやろうか!」に聞こえたようで、ひどく不機嫌にさせてしまったり・・・

 

とまあ、いろいろありましたが、私も今では「ひやい」や「しゃがれる」なんて普通に言葉に出るようになりました

(嫁いできて20年ですもの・・・当然ですかね~)

 

それでもおかしなもので、ご法話でおみのりのお味わいをお話しするときは、知らず知らずにふるさとの石見の方言になっているのです

(お聴聞されていらっしゃる方々には「伊予国と石見国とのバイリンガルです」と説明をしています・・・)

生まれた時から、その方言でおみのりのお聴聞のお育てにあっていたからでしょうね

 

育てていただいた言葉はなつかしく、ありがたいものです

方言だけでなく、言葉を大事に使いたいものですね