能登のみなさん こんにちは
昨年7月のインドコルカタ旅紀行、1月8日の投稿で32回を迎えましたが、まだもう少し続きます。遅々として進まずすみません。そうなんですが、5日間ほどのインド旅で私が感じたことを「創作」にしてみました。タイトルは「ガンガーの草笛」です。紀行の途中ですが今日からまた隔日程度で9回にわたって連載します。今日はその第一章①です。ご興味お持ちの方はお読みください。
第一章①
ガンガー派川フーグリー川の河川敷をヌーシャは妹、弟と歩いていた。三つ離れた七歳の妹の腰ほどにまで草は茂り、五歳の弟は胸元まで迫る草が時折顔にまでかかってしかめっ面を繰り返していた。もう疲れた様子ですぐ前を歩く姉に、
「ねえちゃん どこまで行くの。もうおれ歩けない」
「だいぶん来たわね。でも木を見つけないと、今日はごはんも作れないよ。もう少しがんばろう」
一番後ろを歩いていた妹はまだ少し元気で、
「シャン、もっとがんばれ」
「ダクラーねえちゃんはもう大きいから大丈夫なんだ。おれは嫌だよ。足が痛い。あっ」
何かにつまずいてシャンが転んだ。
「シャン、大丈夫」
すぐ前を歩いていたヌーンシャが振り返って助け起こそうとする。
「いたーい」
両手をついたシャンが起き上がろうとした時、
「ねえちゃんこれっ」
と弾んだ声で地面を指した。そこには大きな流木が横たわっていた。
「あっ、流木。シャン、よく見つけたね。これでごはんが作れるよ」
「やったぁ、ねえちゃん、もう帰れるね」
「うん。でもどうやって運ぼう。とっても重そう」
「大丈夫」とシャンが手をかけたが、5歳のシャンでは転がすこともできない。ヌーシャでも一人で持ち上げるのが精いっぱい。もう20分も歩いてきた家までは到底運べない。ヌーシャはさっき大きなぼろ布が落ちていたのを思い出した。あの布の上に載せて引きずっていこう。
「ダクラー、シャン、少しここで待ってて、私はさっき見つけたぼろ布を取ってくる。その上に載せて運ぼう」
「嫌だよ。ねえちゃんがいないと怖いよ」
「大丈夫すぐだから」
「だって、毒蛇が出たらどうするの」
「これを運ぶのには布がいるの。さっき来た道に落ちていたから拾いに行くの」
「じゃ、おれも付いていく」
「仕方ない。おいで。でも疲れたって言ったらだめだよ」
「ねえちゃん、じゃあ私も一緒に行く」
「分かった。三人で布切れを探しに行こう」
続く
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