これが私の生きる道

こむずかしいことやきれいごとは
書いてありません。
読みやすさを心がけて書いています。
読んでみてください!!

勝手にふるえてろ

2010年09月26日 17時12分53秒 | 読書
あまりの涼しさにちょっと早いのですが
衣替えをしました。
先週までは連日30℃を越えていたのに
まさかの冷え込み具合で
25℃辺りのちょうどいい陽気がすっ飛んでしまい
残念な気持ちです。
でも涼しくなったおかげか、咳が治まってきたのは助かります。

今日は日向は暖かかったので、公園で
綿矢りさ著「勝手にふるえてろ」を読みました。
150ページ強しかないので
1時間30分で読了しました。
こういう殺人も事件も起こらない小説としては
相当面白かったです。

前作「夢を与える」よりは「インストール」「蹴りたい背中」に
近いテイストで、
26歳のOL江藤良香(よしか)が、積年の脳内片思いと、
突然訪れたリアル恋愛とのはざまで揺れ動く、恋愛小説です。
とにかく出だしの
『いつからだろう、
さらなる飛躍という言葉が階段を駆けのぼるイメージではなくなり、
遠くで輝くものを飛び上がってつかみ取り、
すぐに飽きてまるきり価値のないものとして暗い足元へ放る、
そしてまた遠くへ向かって手を伸ばす、
そのくり返しのイメージに変わってきたのは』という文章が好きで
これだけで先が期待できました。

良香がイチという片思いの相手との会話のエピソードで
アンモナイトが進化するに従って
巻きが普通じゃなくなってきて、最後は醜いひもになる
進化も進みすぎると狂うことの代表例のように言われているけど
でもそれは環境に合わせて生きやすいように変形しただけで
見た目の均整が取れていないからって
異常だと決め付ける人間がおかしいっていう話があって
たしかに人間って自分たちの都合のいい解釈に
何でも持っていくことが多いよなぁって。

この良香っていうのが、
ずっと片思いしていたのに案外あっけなく諦めるところとか
衝動的に妊娠したと偽って仕事を辞めようとしたりとか
かなり理解しずらいキャタクターなんですけど
自分が女性だったらこういう人間になるんじゃないかなぁ、
って思ったりしました。
普段は自己評価が低いくせに、変なところで自意識過剰で
基本的に自分目線でしか物事を考えないところとか
結構似ているかなぁって。
小説読んでいると何でこんな言動をとるのか理解できないことが
多々ありますが
翻ってもし自分のことを小説にしたら
ほとんどの人からはこんなことするなんて理解できない、
って思われるに違いなく、
結局主観でしか生きられないんでしょう。

それにしても装画がひどくて、
これじゃ買いたくなる人いなくなっちゃうんじゃないかなぁ。
普段は装丁とか気にしない方だけど
もうちょっと何とかならなかったのか。
綿矢さん、あまりこういうことで注文つけなさそうだもんな。
綿矢さんって何か閉じた感じがするんですよね、
中々、内には入れさせないけど、
一回入ってしまえばとても信頼できるというか。
逆に、開いている人は、最初はとっつきやすいんだけど
自分にとって役立つ人間かそうでない人間か仕分けして
役立つ人間で囲っていく人ってイメージがあるんですよね。

ルックス的にも好きなタイプだから
頑張ってもらいたいんですけど
湊かなえみたいに量産するばいいってもんじゃないし
地道にやってもらうのが一番かなぁ。

不倫は文化?

2010年07月27日 18時22分06秒 | 読書
「後悔と真実の色」という小説を読みました。
山本周五郎賞という賞を受賞した作品です。
多分読む人もいないと思うのでネタばれしますが
犯人が殺人を犯した動機が
子供時代に父親の不倫相手が母親を目の前で殺害して
それがトラウマで不倫している女性を憎むようになり
殺してしまう、
といういかにも物語ぽい動機で
しかも警察官という実際にあったら
相当センセーショナルなお話です。

しかもこの事件を追っていた西條という刑事が
犯人の刑事とコンビを組まされ、裏切られて
不倫相手と会っていたところを撮られた写真が
週刊誌に掲載してしまい警察を退職させられ
妻とも離婚、ホームレスになり
不倫相手も殺害され、娘を誘拐され、と
世の中の不幸を一身に引き受けるすごいストーリーです。

この小説の主要なテーマである不倫ですが
普通に生活している分には
そんなことしている人、まさかいないよなぁ、って思うんだけど
実際は自分が考えている以上に
経験者って多いのかもしれません。
まぁ不倫したことありますか、って聞いて
はい、って素直に答える真っ正直な人はいないから
はっきりした統計は取れるわけないんですけど。

イメージ的に不倫する人は
同じ人が何回もするっていう感じがするんですよね、
しない人は1回もしないし、
する人はそれこそ何十回もするような。
よく分からないのはそんなに好きならば
離婚すればいいじゃん、って思うんだけど
そうする人ってそんなにいないんですよね。
離婚にはものすごいエネルギー使うって言うんだけど
好きでもない人と一緒にいる方が
よっぽど疲れるような気がしますけど。

職場でも結婚していて家に帰りたくないから
遅くまで残業する人いるんですよ、
家に帰って奥さんと面と向かうと思うだけで
苦痛なんですって。
その人は不倫とかしているわけでは(多分)ないけど、
そんなんだったら生きている心地しないと思うんですよね。

これもよく言われることだけど
浮気されるとして相手がかっこいいかそれとも不細工がいいかって
言ったら、絶対かっこいい方がいいです。
それこそ福山雅治みたいな
これじゃしょうがないかって思えるような。
女の人も、おそらく自分から見て
美人な女の人が浮気相手の方が許せますよね。
太った容姿も普通のおばさんが相手だったら嫌ですよね。

まぁでも親からしたら自分の娘が
妻子ある男性と不倫していたら
間違いなく怒るでしょうね。
結婚相手と上手くいっていないとか
相手云々とかの問題ではなくて
無意識的な嫌悪感というか
不倫してこの先、幸せになるとは到底思えないんですよね、
たとえ離婚が成立して再婚できたとしても。

1Q84 BOOK3

2010年07月07日 15時26分25秒 | 読書
返却日ぎりぎりで読み終わりました。
3冊合計で1500ページ以上、読了したことになりますが
一つのお話でこんなに長編だったのは初めてです。

結局、終わったんだが終わっていないんだか
よく分からない終わり方で、
作者も先日、インタビューで続編があるともないとも
どっちつかずの話をしていました。
たった9ヶ月間の話でしかないし
書こうと思えば、「1Q85」でも「1Q83」でも
どうにもなるような形だし、
主人公自体を変えてしまう手もないこともないです。

村上作品は他に「海辺のカフカ」しか読んだことがありませんが
それよりは好きな小説でした。
どちらも大枠からいうとファンタジー小説になるんでしょうか、
パラレルワールドの要素もあるからSFっぽいところもあるし
ところどころは官能小説っぽいところもあって
捉えどころがない感じです。

ファンタジーはファンタジーでいいんですけど
そこかしこで変にリアルで、
あれだけ天吾と青豆がお互いに切望してた再会ができて
結局やることはSEXという
まぁ当たり前と言っては当たり前なんですけど
中学生には薦められないような感じで
それは百歩譲るとしても
天吾も青豆もお互いこの人しかいないって思っているのに
それぞれ肉体関係を結ぶ相手が何人もいるっていうのが
どうにも解せないんですけど、
それだけ人間は弱いということを示唆しているのでしょうか。

ストーリー的にはそんなに好きな話でもないのに
最後まで読めたのは、文章力が優れているからといっても
過言ではありません。
技術的なことはさっぱり分かりませんが
文章力の劣る小説と違うことは一目瞭然です。
全編を通して、定期的に格言めいたセリフが入ってきて
それもいいアクセントになっています。

「BOOK3」で一番好きなそれは
「いったん期待が生じると、心はそれをきっかけに独自の動きをとり始める。
そしてその期待が裏切られたとき人は失望するし、
失望は無力感を呼ぶ。心の隙が生まれ、警戒が手薄になる」
というセリフです。
期待(希望)と失望って表裏一体で
裏切られたときの状態をうまく表現していると思います。
「独自の動きをとり始める」って
本当に勝手に色んなことを考え始めるんですよね、
これをコントロールするのはとても困難です、
期待しなければ、こんなに傷つくことはないのにと
頭では分かっちゃいるんですけどね。

これを機に「ノルウェイの森」とか読み始めるのも手かもしれませんが
中々そういう気にもなれないですね。
何回も言うことですが、この小説が何百万人が読んで
面白いと思う小説だとはとても思えないんですけどね。
これなら東野圭吾の方が万人に分かりやすい内容でしょうけどね、
小説としての出来不出来、完成度は別にして。
でもこんな話を思いつくのは素直にすごいと思います。

葬式は、要らない

2010年06月21日 17時25分31秒 | 読書
先日予約待ちしていた本が届き、2時間で読了しました。
話題になっている本だけあって借りるまで
3ヶ月ほどかかりました。
日本の葬儀費用は200万円以上で
これは諸外国に比べて(イギリス12万円、韓国37万円、
アメリカ44万円)相当高く
戒名をつけるのも日本だけだそうです。
しかもこの戒名も仏教の教え的には必要がないものらしいです。

そもそもお葬式というものに疑問をもったきっかけは
あるお通夜に参列したときのことです。
そのお通夜では当然のようにお清めがあって
そこで軽い食事などができるわけなんですが
どの人をみても故人を偲んでいるような雰囲気はなく
お酒を飲んで大声で笑っている人さえいる始末でした。
大体自分もその亡くなった方とは生前お会いしたこともなく
悲しいという気持ちをもてるほど想像力が逞しいわけでもありません。
その後、お葬式や三回忌などに出席する毎に
これって本当に必要なことなのかなぁという疑念は強くなるばかりです。

そこでこの本を読んでその考えは更に確かなものに感じました。
法律的には葬式をすることが義務づけられているわけではないし
散骨も場所を選べば問題ないことが分かりました。
葬式をしないというと故人に対して申し訳ないとか
罰当たりだとか思われる方が多いのは
想像に難くありませんが果たしてそうでしょうか。

確かに、それなりのお金を出せば自動的に
見た目にも豪華な式を営むことが可能です、
参列した人たちも、これで故人も安心して黄泉の世界へ羽ばたけると
喪主はしっかりとした人だと感心することでしょう。
でも結局それはお金を積んだということだけで
故人を思って自らが何かをしたこととは別物なわけです。

死後に故人につける「戒名」というものがあります。
この「戒名」というものにはランクが分かれていて
それによって値段が違います。
それを生前に故人と面識の全くないお坊さんがつけるというのが
現在の常識になっているそうです。
しかも現代は、故人を表すようなキーワードを入力すると
自動的に戒名が出来上がるパソコンのソフトもあるそうで
こんなものを何十万、高いものでは何百万も出して
ありがたく授かっているのが現状です。

お寺にお墓がない人は戒名を自分でつけてもいいみたいなので
もし親がそれでいいっていうのなら自分で考えたいと思っています。
何も考えないで高いダイヤモンドの指輪を貰うのと
その人のことを思って買ったプレゼントのどちらが貰って嬉しいか、
でもダイヤの方を喜ぶ人の方が多いのが現実でしょうが。

しかし親の葬式自体は案外普通にやらざるをえません。
それは今まで常識とされている葬式を
親自身が望んでいると思われるからです。
死後の世界も信じているみたいだし
それなりに信心深いところもあります。
ここがお葬式の難しいところで、例えば結婚式なんかは
本人が望まなければやらないで済ますことは可能ですが
葬式の主役はそのときにはこの世にいません。

なので親が葬式なんかやらなくてもいいという人間だったら
意思を尊重して、世間からどう思われようと絶対にしないのですが
そうわけじゃないのにやらないというのは
本質的に意味はなくても自分勝手すぎると思います。

だから自分が死ぬ前には、葬式はしないでいいし
お墓もいらないから散骨してもらえるよう遺書をしたためたいと思います。
お墓があるとお墓参りもしなければいけない、という
見えないプレッシャーを掛けるみたいで嫌です。
そんなお義理のお墓参りなら来てもらいたくないし
日々の生活のふとしたときに
そういえばあんな人もいたなぁと思い出してもらった方が嬉しいです。

図書館での人間模様

2010年04月30日 21時48分03秒 | 読書
ボクシングの長谷川穂積、負けちゃいましたね。
今まで勝った試合は初めからちゃんと見たことなくて
今日はたまたま1Rから見てたらこの結果で
長谷川選手、並びに関係者の皆さんには申し訳なく思います。

現在放送中のドラマ原作の「新参者」を読みました。
三井峯子の殺人事件を軸にした9章仕立ての短編で
読みやすい内容になっております。
この読みやすいっていうのが最近重要らしく
1ページに2段で文字数が多いと
それだけで腰が引けるので
最近ベストセラーになっている本で
このタイプはほとんど見られません。

読書初心者でもとっつきやすい内容で
殺人といえど血なまぐさい描写は皆無で
ドラマ化にはかなり適した素材です。
逆に小説単体としてみると心に引っかかるものはほとんどありません、
なので原作と違っても思い入れが少ない分
拒否反応を起こしにくいところも映像化に向いているでしょう。

ある意味この作品とは真逆の「1Q84 BOOK3」が
発売されました。
普段読書に全く興味ない職場の人、2人から
「あれ、読んだ」って聞かれる位だから
社会現象と呼んでも差し支えないと思います。
図書館で予約中で、夏頃には読めそうです。

その図書館ですが4月から職員さんが変わったことは前にも書きましたが
制服(私服にエプロンですが)が変わっていたので
契約した会社ごと変わったようです。
ちょっこと調べたら区がアウトソーシングで
一般企業に委託しているみたいです。
3月までの職員さんもまぁまぁでしたが
今回の方々はそれに輪をかけてよくできています。

おそらく契約社員さんかと思いますが
一昔前なら確実にどこかの企業の正社員として働いていただろうな人達で
就職難でそういう人達も派遣会社に面接に来るから
レベルの高い人が集まるのでしょうね。
大人たちが勝手に決めたゆとり教育で
ゆとりとは正反対の生活を余儀なくされて
今の若者は・・・なんて話す年寄りにかぎって
自分の年金のことしか考えていないですよね、
早く成仏してくれ、って真剣に願います。

先週、本を借りるときにカウンターの人がモニターを見ながら
何か逡巡している雰囲気があったので
そういえば返却期限が過ぎている本があったのを思い出して
その旨、伝えると「はい、よろしくお願いします」と
ホッとした様子でした。

自分もそうなのですが、そういうことを人に言うのが
苦手なタイプの人っています。
気持ちが分かるので、ものすごく好感をもちましたが
でも面接に通るのはそういうことを躊躇なく
当たり前に注意できるタイプです。

これは憶測ですが、鳩山首相も根本的に注意できないタイプ
ではないかと思います。
東大出身で勉強が出来るのは間違いなくいわゆる学者タイプで、
政治家なんて最も向いていない仕事じゃないのかなぁ、
母親からの献金も本心ではなんで悪いんだろうと
思っているでしょう。

直接的にお金が掛からない図書館には
税金を払っているだからっていう根拠を元に
職員さんに当たりの強い利用者もいて
いちゃもんをつける人もたまにいますが
そういうのを見ると本当に災難だと思います。
逆に昔は横柄なおやじの職員もいたので
どっちもどっちなんですが・・・
お互い少しずつ謙虚に接し合えれば
どちらも気持ちよくいられるのに
権利ばかり主張してわざわざ場の空気を悪くするんでしょう。

まぁでも図書館や本屋で働いている女の人って
職業的には理想的ですね。
とりあえずケバい人が少ないし、お金第一じゃなさそうだし。

「1Q84」 BOOK2〈7月ー9月〉

2010年04月11日 17時17分18秒 | 読書
先ほど、読み終わりました。
「BOOK1」を読み終えてから4ヶ月、間が相当空いてしまい
細かい内容を忘れてしまっていて
序盤はそれらを確認しながらだったので
読むのに時間が掛かってしまいました。

「BOOK1」を読み終えたときに
これからどうなっていくんだろう、と
この「BOOK2」を読むのを心待ちにしていましたが
そのウキウキ感はページが進むに従って
目減りしていきました。
200ページ~400ページの辺りはつまらなくて
早くページが進まないかそればかり考えていました。

「天吾」「青豆」の章が順番に進んでいくのは前回と変わりませんが
特に「天吾」の章では話の動きが緩慢で
それに加えて元々天吾にはいい印象をもっていなかったので
余計に苦痛でした。
前回は割りと好きだった哲学めいた話も
もうちょっとうざったいような感覚にすらなりました。

今回特に感じたのは、なんか出てくる人物がみんな気取っているなぁ
ということです。
物語だから当然といえば当然ですが
存在が浮ついているというか実在感がないというか
近親相姦、不倫、警官の売春と生々しい事柄も
ただの記号のように感じて
現実世界でこれらのことが起きたときに感じるような
不快感も同情感も全く抱きませんでした。

天吾と青豆がお互いに想い合っているくだりも
他人ののろけ話を聞かされている感覚に陥り
はいはい、勝手にすれば、って妙に冷めた気分です。
この二人がニアミスするシーンも
ちょっと強引じゃないかって思います。

ここまで批判したら今月発売する「BOOK3」を
読まないかといったら読みます。
唐突な終わり方のせいもありますが
読まないことには収まりがつきません、
どうせ図書館で借りて買うわけじゃないからお金も掛からないし。
「1」「2」を先に出して、後から「3」を出すという
今回の手法を筆者自身が考えたのかは知りませんけど
確かに上手い方法だと思います。
3巻同時だと尻込みしてしまうけど
2巻ならば買うギリギリの許容範囲だし
それを読んだ人は続きを読まないわけにはいかないでしょう。

想像ですが村上春樹氏も宮崎駿氏も
何百万部売りたいとか動員記録を塗り替えたいとか
そういうことは考えていなくて
ただ自分がやりたいことをやっている風に見えます。
それをギリギリまで情報を出さないとか
有名人に吹き替えさせるとか
マーケティングはもう自分の範疇ではない、
という潔さは感じます。
最近はなにかとマーケティングを気にしすぎた商品が多いのですが
ビックヒットはそこからは生まれない好例ではないでしょうか。

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しがみつかない生き方

2010年03月31日 21時59分04秒 | 読書
という本を読みました。
結構売れているらしくて図書館も予約して半年ほど待たされました。
著者の香山リカ氏は精神科医で、テレビのコメンテーターなどにも
出演しているのでご存知の方もいらっしゃると思います。
平凡で穏やかに暮らせる「ふつうの幸せ」が最大の幸福で
その為に方法を紹介している本で
自分が考えている方向性と似ていて興味をもったのが
読むきっかけです。

物事の考え方にはポジティブやネガティブなどが主流ですけど
この「しがみつかない」っていうのも
亜流としてありかと思います。
自分は「執着しないこと」が幸せへの近道かと思っていますけど
意味合い的には似ています。

10章に分かれていて、「恋愛にすべてを捧げない」とか
「仕事に夢をもとめない」「生まれた意味を問わない」など
現代の風潮とはちょっと相い入れない定義をしています。
その最たるものが「勝間和代を目指さない」というもので
成功する為の方法を享受しているが
そもそもどんなに努力しても成功出来ない人はいる、
と書いてあります。
もっとカツマ―に標的を定めた批判があるかと予想していましたが
そういうわけではありませんでした。

総じて納得できる意見が多く、また難解な文章もないので
大変読みやすい本になっています。
しかし何か薄さを感じてしまいました。
それはページ数もそうだし、文章量、
ひいては内容も「えっ、それだけなの」という感じでした。

例えばこれがブログや日記などで公開されていたら
「へぇ~この人、いいこと言っているなぁ」って思うかもしれないけど
ベストセラーになった「バカの壁」や「生きるヒント」などの
読み易くてそれなりにタメになりそうなことが書いてある新書
という括りにぴったりで
この本の、「お金にしがみつかない」という章で、
「本は売れれば(内容はどうでも)いいのだろうか?」と
問いかけていますが、
この本がまさしくそれの典型になっているような皮肉を感じました。

それとテレビ制作側を「低俗・低予算の若者向け番組の反復」
と非難していますが、
ご自身が出演している番組がそんなに高尚なものなのかというと
それも疑問です。
そもそもワイドショーなどで、自分の専門分野について
コメントするのは分かりますが
今のコメンテーターはそんなのお構いなしに批評するわけで
あれってどう見てもおこがましい感じがします。

つまるところこの本への不信感は筆者が
どうみても勝ち組に属する人間というところです。
本業はお医者さんで、テレビにも出て
本も何十万部も売れて、これで私はそれほど幸福ではありません、って
正直しらけます。
数年前に経済評論家の森永卓郎氏が
「年収300万円時代を生き抜く」って本を執筆し
話題になったことがありましたが
少ししたら、あんたは何千万も稼いでいるでしょう、ってことになり
それからはテレビに出ても300万円のことは言わなくなりました。

本人達の状況が書いている内容と一致していないので
結局上っ面な印象しか持てないんですよね。
付き合ったこともない人に、
異性の口説き方教えられたってそれが本当に効果的でも
やってみる気にならないでしょう。
だから成功した人たちは、自分がいかに成功したかっていう本を
書きたがるというのは道理に適っているわけですね、
全く読む気にはならないけど。

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その科学が成功を決める

2010年03月23日 21時16分20秒 | 読書
という英国の心理学者の本を読みました。
その中で気になったトピックを紹介

・嫌なことがあったら人に話すより、日記に書く
話をすると余計に混乱を深める可能性が高いのに対して
書くことは筋道や構成があるので系統立った問題解決への
手段になるそうです。

・面接は話の中身より好感度
実体験からすると、7割の人は好感度重視、3割の人は話の中身重視
という感覚があります。
頭が硬そうな人ほど、話の中身を評価している感じで
いわゆる学生時代の武勇伝・自慢話系は
好きな人と露骨に嫌がる人が両極端に分かれます。

・赤ちゃんの写真が入った財布は、落しても戻って来る確率が高い
もちろん拾った財布は届けますけど
変なプリクラがたくさん貼ってあるような財布は
そのまま放置したくなる気持ちも解ります、
あと避妊具が入った財布とかも。

・プラス思考の実践者はダイエットにも恋愛成就にも失敗する割合が高い
素晴らしい人生を思い描いてばかりいると、
途中で遭遇する挫折に対して準備ができないことや
現実逃避に浸って、目標達成に必要な努力を怠るかららしいです。
でも現実的な成功よりも、一生夢見がちで生きていけるのならば
それはそれでいいと思いますが。

・大声で叫んだり、サンドバックを叩いても、ストレスは増すばかり
サンドバックを叩いたりすると、攻撃性が更に増して
火に油をそそいでしまうようです。
イライラしたときにカラオケで声を張り上げて歌うと
スッキリする感じになりますけどね。
でも確かにライブに行ったからって
それまでの悩みが消えることはないですね。

・人間は「したこと」より「しなかったこと」を後悔する
これは何かのCMでも使われていましたが
まぁケースバイケースですよね。
あの時告白しなければ後にもっといいチャンスがあったのに・・・
って後悔することだってあるし
要はタイミングを掴むか逃すかです。

・ほめられて育った子供は、失敗を極度に恐れるようになる
現代は幼児教育もさかんで、ほめて伸ばす教育が多数派かと思いますが
「頭いい」とほめると、失敗を恐れるようになり
成功しないと格好悪いと考え、
むずかしい問題への挑戦を避けるようになり
必要な努力も怠り、それで低い点数を取ると
自信喪失し、やる気をなくすそうです。
では何をほめればいいかというと「努力をほめる」といいそうで
さきほどとは逆に失敗を恐れずに
むずかしい問題へ取り組むようになるそうです。

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「無理」奥田英郎著

2010年03月05日 18時26分31秒 | 読書
「曲げられない女」を今見終わりましたけど
回を重ねるごとに展開に無理がそこらかしこに、
偶然多すぎるし、ラスト15分のラストスパートで次週も見てもらおうという手法が
今週はやけに目についてしまいました。
そんな風で次回予告がはじまったら何と次が最終回とのこと、
いきなりお腹が大きくなり、司法試験直前になっていて
これゃなんとか最後まとめようと強引な展開が予想されます。

最初は楽しかったけど、菅野美穂だったからよかったんだよな。
きっと「リアル曲げられない女」は光浦靖子っぽい人で
そしたらあの生き方にはほとんどの人が賛同しないのが
現実のような気がします。

昨日、奥田英郎著「無理」を読み終わりました。
550ページ弱ありましたが、3日間位で読了しました。
3つの町が合併してできた「ゆめの市」で生活している5人の住人の群像劇で
それぞれ悩みや事情を抱えています。
生活保護、新興宗教、地方の過疎化、悪質セールス、主婦の援助交際、談合など
現代の負な事柄を織り込んでいて
話は分かりやすくてサクサク読めます。

同じ筆者で「最悪」「邪魔」というテイストの似た作品があり
これで3部作のようです。
前2作も面白くて、今回も期待して読み始め
決して面白くないわけではないんですが
イマイチ物語に引き込まれないので何でかと考えていたら
そもそも物語があまりないんじゃないかということに気がつきました。
先に紹介した現代の事象をただ羅列しているだけで
作者のオリジナリティみたいなものが見えてきませんでした。

素材をそのまま皿に載せてそれがたとえ美味しいとしても
料理人の腕が優れているかというとそういうわけではないと思うし
これがノンフィクションだったらいいけどフィクション小説なわけで。
大体問題定義しているようにみえて
筆者自身にそれを是正しようみたいな意気込みはなくて
ただ材料として使わせていただきました、的な部分がちょっと冷めました。
鳩山首相が資産何億ももっているのに
「国民の生活が第一」って言っているのと同じで
それって本気じゃないでしょう、って。

まぁでも合間合間に煌く文章もあって
新興宗教の教祖が信者にいうセリフで
「親は、自分が産んだ子供だから、
自分がいちばんわかっているなんて思い込んでいる。
ところが子供からしたら、いちばん無理解なのが親だったりするわけだ
肉親にも別人格があるなんてこと、思いもしないからね。」
っていうのは中々いいと思いました。
他にもあったんですけど忘れちゃったので
気になる方は読んでみて下さい。

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「Another」綾辻行人

2009年12月15日 20時21分31秒 | 読書
4連休の2日目、今日は地元の温泉に行ってきました。
大体ひと月に一回行ってます。
ここではいつも昼に天丼セットを頼みます。
海老天、白身魚、茄子、いんげんが入ったミニ天丼に
野菜サラダ、茶碗蒸し、味噌汁、お漬物がセットになっていて
値段も720円とそんなに高くなく、味もすこぶる美味しいです。
普段はほとんど外食しないのでこれを食べると
ものすごく満たされた気分になれます。
やっぱりこういうのはたまに食べるから美味しく感じるのだと思います。

ここ数年ライバル店が何店かオープンしてこの温泉も
今年から入場料が1000円から800円に値下げしました。
朝10時から夜12:00まで何時間いてもいいし
寝る場所もあるのでコストパフォーマンスは秀逸です。
定年を迎えてお金に余裕があったら週に1回は行ってしまいそうな位
かかせない場所です。

数ヶ月前に改装してマンガが多数置かれるようになりました。
その中にゴルゴ13があります。
ゴルゴ13は大好きで、一時期図書館でほとんどの巻を読み漁りました。
不良や極道ものは嫌いですけど
ことマンガになるとルパン3世とかシティハンターとか
泥棒や殺し屋などアウトローものが好きなのが不思議です。

当初の予定では今日は「Another」という小説を読むことにしていましたが
予想外に早く読めてしまい、一昨日読み終わってしまいました。
この小説の筆者の綾辻行人さんは一番好きな小説家の一人です。
学歴が高い小説家の中には小説内で自分の分身的なキャラクターを登場させ
知性をひけらかす人がたまにいますが
綾辻さんは京都大学出身にもかかわらず
そういうことは一切ありません。
逆に読みやすくて推理小説にありがちな複雑すぎるトリックもなく
読み終わった後になるほどなぁ~というものばかりです。

この「Another」もまんまとトリックに引っかかってしまい
さすが、と思いましたがすごく面白かったかといえば
そこまでではありませんでした。
元々学園ものはあまり得意ではないし
ホラーもそんなに好きではありません。
綾辻さんにはオーソドックスな推理ものを期待してしまいます。
でもこの小説も3年ぶりで、次が刊行されるのも
相当先になりそうです。

このお話では3人の「ミサキ」が登場します。
「夜見山 岬」「見崎 鳴」「藤岡 未咲」の3人で
「夜見山 岬」は男性で、「見崎 鳴」「藤岡 未咲」が女性です。
「ミサキ」って男性名にも女性名にもなるし苗字にもなる不思議な姓名です。
これに気付いた綾辻さんはやっぱり鋭いです。
もし名前が「ミサキ」という女性が「ミサキ」さんという苗字に男性と結婚したら
「ミサキ ミサキ」になってしまいますよね、
全国でこういう人っているのかなぁ。
また男女共、「岬」っていう名前で結婚して同じ名前になっちゃったとか
いたら面白いのに。
ちなみにうちの妹は苗字が同じ人と結婚したので
姓名が変わっていません。

「1Q84」 BOOK1〈4月ー6月〉

2009年12月07日 18時01分24秒 | 読書
7月に図書館に予約していた「1Q84」をやっと借りれて読みました。
500ページ以上あって初めは貸し出し期限までに読めるか不安でしたが
案外余裕で読みきりました。
というのも前作の「海辺のカフカ」があまり面白くなくて
先のこの本を読んだ会社の人もよく分からないと言っていたこともあり
ちょっと覚悟していました。
小説ってその世界に入るまでに音楽に聴くのに比べて時間がかかるもので
そこまでは辛いんですが、
一回入り込めばそれが継続しやすいので
集中している時は時間を超越できたりします。
これだけ分厚い本を読み終わると自信がつきます、
「僕でもできた」的な感覚です。

で感想ですが、面白かったです、というより
興味深かったという方が近いかもしれません。
物語自体も割に自分が好きな内容だったのですが
合間合間に哲学めいたことが散りばめてあって
それがいいアクセントになっています。
かといってそれを自分の人生に照らし合わせて
どうこうするというものではないんですけど。

登場人物で好きな人物は不思議なほどいないんですけど
あえて挙げるとすると「青豆」です。
こういうストイックな人って好きです。
小学校時代にいじめに遭ったときに助けてくれた「天吾」を
一生に一度と決めて逢える日を待っている、とか
かなり好きなエピソードです。
でもそれなのに月に一度は男を「漁りに行く」というところが
よく分かりません。
身体は許しても心は許さない、ということかもしれませんがどうなんでしょうね。

援交とかで数万円で寝る子たちっていますよね、
彼女達にすれば大金かもしれませんけど
社会人になってしまえばそこまで切実な金額ではありません。
そんなお金で身体を許すのは絶対彼女達の方が損していると思うんです。
それこそ何十万出させる価値(価値というのも語弊がありますが)はあって
それを易々と好みでもない男に提供するのは
男目線からするとやっぱり理解しがたいです。

「青豆」はお金目当てでそういうことをしているわけではなく
性欲の処理として行なっているみたいですが
やっぱり理解しがたいかなぁ。
実在する人物でないんでそんな考え込むことではないですが。

それともう一つ気に入らなかったのが
中心人物が揃いも揃って美人揃いってとこです。
「青豆」も「ふかえり」もルックスがいい設定にする必然性が
ないわけではないですが、「あぁ~また、そうか」と失望しました。
男性作家に多いのですが女性キャラクターのルックスをよくしたがる傾向が
最近とみに多いような気がします。
それは読者のこちらで想像するので余計なお世話です。

それにしても露骨な性描写が多くてびっくりしました。
この人の作品は「海辺のカフカ」しか読んでいませんが
イメージで性に関することはご法度のような気がしてました。
それこそ赤ちゃんはコウノトリが運んでくるのよみたいな。
そういうところは宮崎アニメに近いものがあると思ってました。
その宮崎アニメとの共通点といえば
こんなベストセラー、観客動員になるほど
万人に受ける内容ではないということです。

作品の質とは別に、両者共、誰がみても面白い作品とは到底思えません。
読みにくいわけではないですが、根本的なストーリー性や性描写など
PTAのうるさがたなんかは
子供に読ませてはいけない本に指定してもおかしくありません。
思うに、日本人って「本格的な感じがするもの」に弱いですよね。
本格的すぎて全く分からないのは嫌で
全部は理解できないんだけど何かそういう感触あるものに触れて
「○○はいいよね」ってセンス良くみせたいというか。
宇多田ヒカルのファーストアルバムが売れた時も同様ですが
その波に乗れたものは一極集中で売れますよね。

こうなると気になるのは後編であるBOOK2ですが
現時点で自分の前に予約が144件入っていて
読めるのは来年の春頃になりそうです。
その頃にはほとんど内容も忘れてしまっているでしょう。
かといって買う気にはなれない、困ったもんです。

湊かなえ「贖罪」

2009年11月23日 20時03分57秒 | 読書
今日夢で、ドリカムのボーカルが仲間由紀恵になっていたにも関わらず
それを受け入れてしまった困りもんです。
目とか顔のおおまかな感じは似ているけど、それにしてもねぇ~
中村さんの他にもう一人メンバーがいましたが
それが誰かは全く憶えていません。
だからといって別に自分が贖罪したいわけではありません。
小説の題名です。

昨日の夜から今日にかけて3時間弱で読み終わりました。
何と言ってもこの人の作品は読みやすいのが一番の長所です。
字が大きいので1ページ当たりの字数が少なく
つるつるとページを捲れるのでもうこんなに読んだのかと
自分の読書力に自信がつきます。

取り柄と言えるのはきれいな空気、夕方六時には「グリーンスリーブス」のメロディ。
そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺害事件。
犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない四人の少女たちに投げつけられた
激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる

以上があらすじで、小学校時代に殺害事件に居合わせた四人の女性の独白で
物語は進行します。
ここらへんは前作の「告白」「少女」と一緒です。
問題はその中身までもがほとんど一緒という所です。
もちろん起きた事件はそれぞれ違いますが
読んでいる感覚としてはどれも大差ありません。
そんなもんだから自ずと評価は事件のインパクトに影響されるので
他の多くの方がおっしゃるとおり、
「少女」以上「告白」以下という所に落ち着いてしまいます。

「告白」はその衝撃度ととっつきやすさで爆発的に話題になったけど
形式が同じでは、その衝撃度を超えるしか方法はなくなります。
これは映画「シックス・センス」のシャマラン監督も同じで
いくら全体の出来がよくても
ありきたりのドンデン返しでは飽き足らなくなり
あまり面白くないという評価になってしまいます。
この「贖罪」もつじつまが合わないわけでも、
意外性がないわけでもないんだけど
小説にドッぷりと浸れるかといえばそんなことはなく
読んでいて何か上滑りな感じがします。

それは文才があまりないことに起因していると思います。
アマチュアとしては上手いんだけど、プロとしては物足りないという感じでしょうか、
同じような独白だけで進行する恩田陸の「Q&A」と比べたら
雲泥の差があります。
小説の完成度は高くないので、逆に映画とかドラマにすると
ものすごく面白くなるような気はします。

手厳しいことばかり書きましたが、自分も日常で感じるような
綺麗事への反駁や悪意なんかがそこかしこに書かれていて
そういうところは好きです。
次回作はちょっと目先を変えていかないと厳しいような気がしますが
文章力が上がらないとこの方式以外では読ませられないし
難しいところですね。

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川上未映子「ヘヴン」

2009年11月22日 20時09分43秒 | 読書
川上未映子は作家では今まで自分が見てきた中で
一番美形だと思います。
印象が椎名林檎とどうしてもかぶります。
でもこの小説は別にそれとダブるようなことはありませんでした。

大まかに言うと中学校の「いじめ」の話です。
物語の全編を通して陰惨ないじめのシーンが幾度となく登場します。
この部分が全く受け付けない人もいるかと思います。
自分も気持ちが暗くなりました。
いじめられたこともいじめたこともなく
このようないじめも実際に見たこともないけれど
そのシーンが手に取るように想像できました。

でも全体の流れとしては案外淡々としています。
いじめっ子たちに復讐することもないし
最後も歯がゆさを残したまま消えるように終わっていきます。
でも所々ひっかかるところが多い作品でした。
そのひっかかりに答えてくれることもないんですけど。

おそらく読者の多くの人が印象に残る登場人物は「コジマ」という、
語り手の「ぼく」と同様いじめを受けている女子生徒でしょう。
自分はこの「コジマ」には共感できなかった一人です。
離婚した父親とのしるしの為に、汚れた靴を履いて
髪を身体も洗わないということですが
それは周りからすれば不快に感じるし
学校という共用の場で迷惑を掛けるという意味では暴力的でもあります。
もちろんだからといっていじめていいというわけではありませんが
実際にいたら結構困ってしまう人ではあると思います。

印象に残ったのは「ぼく」が「コジマ」に対して
お互いいじめられている「同胞」的な気持ちから
「性愛」的な気持ちを抱くシーンです。
きわどい描写なので詳しくは書けませんが
こういう葛藤は誰にでも経験があるのではないでしょうか。
好きになることは反面、汚していくことにも通ずる側面があるのかもしれません。

筆者に文才があることに気付くのはたやすいことだと思います。
思うにこれは天性のものではないでしょうか。
ストーリーを考えることは何とかなるかもしれませんが
それを文章で表すさいにその人の雰囲気や技術が如実に現れます。
静かな文章で、救いようがない内容なのに
読み心地のいい不思議な感覚です。
次回作も期待して待ちたいと思います。

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喫茶店で2時間もたない男とはつきあうな

2009年11月09日 20時31分28秒 | 読書
一昨日の一青さんのイベントでリクエストコーナーがあって
今日当然、そういえば「冬めく」があったじゃん、って降ってわいて来ました。
というかFC限定で披露するには格好の条件が揃っていて
この曲を歌う為のコーナーであったと今更ながら思いました。
まぁ当らなかったので後悔も少ないのですが
あの場で思いつかなかったのはやっぱり浅いファンだったなぁと反省してます。

って全然関係ない話から入りましたがタイトルは読んだ本の題名です。
筆者は『声に出して読みたい日本語』の斉藤孝氏と
『だめんず・うぉ~か~」の倉田真由美氏の共著です。
よりよい男女関係を継続するにはどういう相手を選べばいいかという内容で
その一例として題名にある、
喫茶店で2時間話してみて相性を見極めることを推奨しています。

とにかく会話が絡み合う相手とは相性がいい、ということで
まぁそれは一理あると思います。
会話とおしゃべりって似て非なるもので
おしゃべりは一方的でも成り立つけど
会話は言葉のやりとりがないと成り立ちません。
関心をもっていることが共通していれば話していて楽しいし
会話があるに越したことはないと思います。

でも初対面から話がうますぎる人ってあまり信用できなかったりします。
器用すぎてどうせ誰にでも上手く話すんだろうなぁとか
訝しく感じてどうも苦手だったりします。
例えば会話力10の人が自分と話す時には8になる人よりは
会話力5の人が自分と話す時に7になる人の方が好感がもてます。
大体もって倉田氏は斉藤氏と話すのは時間を忘れるほど楽しいって言っているのに、まるで恋愛感情なんか持っていないのも矛盾しているところです。

倉田氏は先ごろ再婚されましたが、その相手の叶井氏というのが
500~600人の女性と関係を持った人らしく
この本で推奨されているような人物には思えないのは私だけでしょうか。
一番嫌なのはこの二人が随所に互いを褒めあっているところで
新作映画の紹介特番で「すごい監督でした」
「いい役者に恵まれて最高です。」とかやたら褒めあうのに似た
思わず苦笑してしまうところがあります。

とは言っても会話がない夫婦というのは長続きするのは難しいと思います。
恋愛感情が薄れてきて拠り所になるのは
会話や趣味などのつながりが大事ですし。
そんな中、高岡由美子と本田泰人が離婚しました。
この夫婦は会話どころか日常的な結びつきもなかったみたいですが
お互いその夫婦仲の悪さをテレビでひけらかすのは嫌でした。
うちの母もたまに親戚や近所の人に父の悪口をいうことがありますが
そんな相手を選んだ自分を貶めていることに気付いていないことに落胆します。
マイナスな感情を抱くことはしょうがないけど
それを他にばら撒かないでもらいたいです。

でこの本田夫婦はテレビの電波にのせてそんなことをしゃべって
子供がみたらどう感じるのでしょうか。
それを離婚理由で「娘の未来を考えた上での最良の選択」なんて
すごくおこがましいと思います。
相手の悪口をべらべらしゃべる位なら
別れた方いいとは思いますけど。

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序:経済は感情で動く

2009年10月28日 17時45分29秒 | 読書
昨日の職場でのこと、
先輩が前日の夜に飲みにいって7万円使ったと独白。
飲み代が5万円、終電がなくなったのでホテルに泊まったが
シングルが空いていなかったのでツインにして2万円とのこと。
飲み代5万円というのも全く信じられないですが
漫画喫茶やカラオケがある現代に、
2万円も払ってホテルに泊まる気がしれません。

そんな話をしていたら所属長が「飲みに行って5万位は普通」と突然の乱入。
曰くちょっと美味しいものを食べたらそれ位は払うとのこと。
心の中で、どれだけ美味しいもんだ、ってつっこみを入れました。
まぁ純粋な食事の値段だけでなくてお姉ちゃんの接待代も入っているみたいですが。
所属長は最近うちの部署にやってきて豪快な性格なようで
「(交際費で)2年間で500万使った」とまたもや爆弾発言。
最近もロレックスのペアウォッチを買ったそうです。

いくら好きな相手でもロレックスの時計ねだられたら間違いなく嫌いになります。
これはお金を持っているとか持っていない以前の問題で
思想自体が違っているとしか言いようがありません。
プレゼントの値段とその人への想いが比例することは
完全に否定はしないですけど
あまりにも高価になりすぎるとそれは半分脅しのような気すらします。
同じ額でもどうしても留学したいとか進学したいとかの方が
出しやすいかなぁ。

この二人から「死んだらお金を使えないだから使わないともったいない」
って言われてそれは全くそうで自分も昔はそう思っていましたが
死んだ後も残ってもいいかなぁって今は思っています。
遺産を残すとかそういうことではなく、
最近お金を使う方がストレスを感じたりするからで
買った後に本当にこれに買うだけの価値があるのか、
って考えたりするのが面倒で
貯めた方が快感が強かったりします。

基本的にお金を使うときは物で残したい方ですが、
ライブ代だけはもったいないと思いません。
冷静に考えれば、1度買えば半永久的に聴けるCD、DVDの方が安いし
終わってしまえばほとんど忘れてしまうものに
5000円以上、今や10000円近くのお金を払うのは
ひどく非効率なことのように感じます。
でも見に行って後悔することって今まで不思議なほどありません。
逆に行かなかったときに後悔したことは山ほどあります。

他の人から見たら非合理なお金の使い方をすることは誰にでもあって
経済学で習うような計算されたモデルには到底なれない、って
最初はタイトルにある「経済は感情で動く」っていう本の感想を書くつもりでしたが
その枕話にと最近あったことを書き始めたら
予想外に長くなってしまったのでこの話はまた今度。

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