ここに経費変動周期というメモ書きがある。
PDAを検索してみたら、出所は解らないけれども出てきた。おそらく経済関係の書籍から書き出したものであろう。それによると、在庫投資の変動による周期が40ヶ月前後(短期循環)、設備投資の変動による周期が10年前後(中期循環)、革新投資の変動による周期が50年前後(長期循環)となっている。この3つの周期が人体のバイオリズムみたいに組み合わさって好況、不況を生み出すというのである。
政治も経済も本質的には同じ行動パターンを示すのではないかと思った。
経済の統計から引き出されたこの原則を政治に当てはめてみると、今現在最も論議されている政策はほとんどが40ヶ月前後の短期循環ではないかと思えてくる。当年度予算をどうするか、税金をどうするか、景気回復をどうするか、雇用対策をどうするか、金融政策をどうするか、等々である。いずれも手持ちのものを使ってとりあえずどうしようかという在庫投資の変動を模索しているに過ぎない。
設備投資の変動の結果は10年後に現出する。
設備投資に関しては、10年前の政策が現在の成果となって現出しているが、その成果たるや惨憺たるものであり、赤字で採算のとれない事業が現在の財政を圧迫している。10年後のすばらしい成果を約束して10年前に打ち出された政策が間違っていたのである。それを環境の変化のせいにして済ましてはいけない。まずはその反省をしっかりして悪かったところは改善し、今現在において10年後の設備投資をしなければならない。今現在設備投資をしても儲からないからやらないではなく、今は儲からないが10年後には採算がとれ発展する事業を見出さなければならない。
日本の過去の設備投資は間違っていなかった。
鉄鋼、造船、車両、電機、電子等々すばらしい成果を上げてきた。そのおかげで高度経済成長が成し遂げられ今の繁栄がある。しかし、これらの設備投資は10年周期なのである。最後の「電子」で半導体産業が栄えた以降主要な設備投資が見あたらない。次は何にするのか明確でない。航空機、衛星、バイオ、ナノテク、ロボット等々が考えられるが、今現在模索している状態ではなかろうか。民間レベルでは研究が進んでいるが、国策として民間を牽引して行こうという意気込みは見られない。国が民間活力に依存している状態である。このままでは過去の蓄積を食いつぶすだけである。
財政構造改革が叫ばれて久しいが、
革新投資の周期は50年である。50年後に改革の成果が現出する。いま経済が低迷する現在において「改革」を断行するのが適切かどうかは疑問が多い。過去にさかのぼってみると、最大の「改革」は第2次世界大戦の「敗戦」であったろう。戦後50年が過ぎた。どん底から出発して奇跡的な成長を遂げ、その後下降して現在どん底からちょっとあがり始めたくらいの所である。「敗戦」ほどの大改革は今後あまりないだろう。この敗戦の大改革の周期は今後も跡を引きそうである。この影響を考慮に入れながら50年周期の小改革を繰り返して行くことになるのであろう。あまり大袈裟に騒ぐ改革は現実的でないし、見直すべき適当な改革は目の前にゴロゴロしている。
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