西村長官の”御懸念拝察”発言が波紋を呼んでいる。
発表は6月24日、オリンピック開催まであと1ヶ月に入った日にされたが、このタイミングでの発表はよく考えてなされたのであろう。
これより早い時期、オリンピックへ向けての動きは本格的ではない段階に発表すれば”陛下は中止をご希望”と読まれる可能性が高い。←政治利用されるのでマズイ。
これより遅くては”これまで何をしていたのか。本当に心配しているのか”と疑われる。←”国民に寄り添う天皇像”を損なうのでマズイ。
後一ヶ月という時期は陛下の”国民に寄り添う”姿をアピールするには此処しか無いタイミングだったと、私は思います。
”国民に寄り添う”天皇をアピールしたかったのに、危惧した通り「陛下はオリンピック中止を望まれている」と読んで目の色を変える人々が出てきた。
西村長官の発言を「個人的な発言」と決めつけるのも「陛下は五輪中止を望んでいる」と読まれても仕方ないと思うからでしょう。
やっぱり出て来た「陛下は五輪中止を望んでいる」と色めき立つ人々。

立民・安住氏「宮内庁長官の意見と思う国民いない」6/25(金) 14:53配信産経新聞五輪中止か延期を都議選の公約とする立憲民主党の安住淳国対委員長「西村氏個人の意見だと思っている国民はいないと思う。そう思い込んでるのは菅義偉首相をはじめ閣僚だけだ。恥ずかしい」「国民の多くが共有している気持ちだ。それに対する謙虚さがなく、まるで無視するかのような閣僚の態度は大変不愉快」

室井佑月氏 陛下があたしたちのために真っ当な懸念を示した、宮内庁長官「拝察」6/26(土) 23:06配信 デイリースポーツ「ここまで強引に進める五輪は、政府が考える先の選挙のためだと誰もが知っている。けど、政府は国民のための平和の祭典といいはる。そして、陛下があたしたちのために真っ当な懸念を示したら『政治利用』という妨害。おかしいよ。そういうこと言い出す人こそ、なんでも政治利用だし、人権無視じゃん」
五輪中止を願う国民は、「五輪中止を望まれている」と歓迎するが、”あの陛下”が、そんなアグレッシブなことを考えるわけが無い。
ここ何年かの皇室を観察してきた識者は冷静に「国民に寄り添ったことを記録として残したいからでしょう。」と読む。
宮内庁長官発言、真意どこに 天皇陛下が五輪「懸念」 見解分かれる識者6/26(土) 7:17配信 時事通信社九州大の南野森教授(憲法学)「長官が想像で発言するとは考えられない。憲法に触れないよう『拝察』という形を取っているが、実際は天皇の真意を語っているのだろう」「開催を懸念する気持ちはよく分かるし、個人的には支持したい」としつつ、「天皇の気持ちの代弁は悪用されれば政治利用につながる。それこそ憲法が警戒していることで、安易に認めてはいけない」と指摘。特に、五輪開催のような国民の間で意見が分かれる問題については政治的意味を帯びるとして、拝察でも憲法上問題があるとの認識を示した。小田部雄次・静岡福祉大名誉教授(日本近現代史)も、陛下の意向を受けた発言との見方は同じ。ただ、政治的発言には当たらないという考えだ。「天皇は立場上、政府の方針にノーと言えない。開催に懸念を示していることを憲法に触れない形で国民や世界に広く伝え、歴史に残す意味があるのではないか」と分析。「本当に中止を望んでいるのではなく、より良い形でやってほしいというメッセージだろう」と推し量る。「今回は直接中止を求めたわけではなく、政治的と捉えるのはやや狭い見方だ」
”国民に寄り添う”をアピールして良いところ見せようしただけだったのに、とんだ騒ぎになってアタフタ。
「嗚呼、そんなつもりじゃなかったのに。」