先日、宴会のために下車した近鉄平端駅。
長年奈良盆地で生活をしていても、ほとんど下車したことがない。
車で通りかかることもない。
どこか行ったことのない名所・旧跡がないかと、駅前の地図とにらめっこ。
そこで発見したのが“筒井順慶歴史公園”。
宴会場のすぐ近くなので行ってみることにした。
@五輪塔覆堂
五輪塔覆堂は筒井順慶の墓です。
天正<てんしょう>12年(1584)、36歳の若さで亡くなった順慶は、いったん円証寺<えんしょうじ>(奈良市)に葬られたあと、この長安寺の墓所に移されました。
この墓所は「御廟所<ごびょうしょ>」と呼ばれ、もともとはかなり広い面積を占めていたといわれています。西寺というお寺が建てられ、墓地を守っていたようです。
覆堂は十尺四方の一間堂<いっけんどう>で、屋根は本瓦葺の宝形<ほうぎょう>造り。東側に戸口(入口)を設け、引き違いの格子戸をつけ、他の三方には五輪塔形に刻んだ角材を立てています。
ひじょうに小さな建物ですが、近世初頭の墓堂として優れた意匠をもつものです。建物の中には順慶を供養する五輪塔や、一周忌に寄進された石燈篭も残されています。