
“雷丘”は、高さ10メートル前後、周囲300メートルほどの小丘 である。
古来より、雷神が降臨する聖なる丘として親しまれてきた。
柿本人麻呂が、万葉集で“雷丘”を詠んだことでも有名である。
「大君は 神にしませば 天雲の 雷の上に 庵りせるかも」
さらにその丘には、雷を捕らえた人物の話が伝わっている。
雄略天皇に親しく仕えた小子部栖軽が、天皇が皇后と大極殿で寝ている時、気づかずに入ってしまった。天皇は恥ずかしがって止めた。ちょうどその時に雷鳴がしたので、天皇は栖軽に「雷」をお招きしてくるように命じた。栖軽は馬にのり、阿倍の山田村を通り、軽の諸越の分かれ道で、天皇が呼んでいる旨のことを雷に対して呼びかけた。そして、帰路の途中で、豊浦寺と飯岡との中間に雷が落ちていた。これを見て、神官を呼んで雷を輿に入れ宮殿に運んだ。天皇に差しのべたとき、雷が光りを放ち明るく輝いたのを見て、天皇は恐れ、雷が落ちていた所へ返させた。その場所を、雷丘と呼んでいる。
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