先日,知人から今,九州で噴火している新燃岳(上)と桜島(下)の火山灰を戴いた。
比べてみると2つの火山灰は色が違う。
遠く鹿児島から届いた火山灰。
そう云えば,奈良盆地の地下にも太古の昔,鹿児島から飛んで来た火山灰の地層があると聞く。
下記は先日の記事。
@噴火の降灰 時代刻む
◇2.8万年前、7300年前・・・南九州の火山灰層
最近、ドライブをしていると県外ナンバーの車をよく見かける。しかし、北海道や鹿児島といった遠方の地名を見ることは珍しく、そんな車をみると、どうやってここまで来たのかと、ふと思いを巡らしてみたくなる。
現在、建設中の京奈和自動車道が開通すれば、こうした県外ナンバーを見る機会も増えるであろうが、実はこの建設に先立つ発掘調査で、地表から約4メートルの深くに、遠く鹿児島からやってきたあるものが見つかった。
その「あるもの」とは、鹿児島の大隅半島沖にある海底火山が、7300年前に噴火した際に飛んできた「鬼界アカホヤ火山灰」である。九州南部では、今でも火山噴火の火砕流によってできた台地をみることができるが、この鬼界アカホヤ火山灰は、九州のみならず、近畿、関東地方まで広く降灰したことが知られており、はるか500キロ離れた奈良でも降灰があったことが実感できる。
観音寺本馬(かんのんじほんま)遺跡(橿原、御所両市)では、縄文時代晩期(約2900年前)の土器棺が出土したが、その1メートル下からは、縄文時代後期(約4400年前)の石囲炉(いしがこいろ)も検出されている。中部地方から伝わったとされ、直径約50センチの円形の石組みの中に深鉢形土器を据え置いており、竪穴住居の炉だったらしい。
鬼界アカホヤ火山灰が見つかったのは、この生活痕跡のさらに1・5メートル下である。黄褐色でシャリシャリとしたその堆積(たいせき)は、約5センチにもなる。一見、普通の細かな砂のようであるが、光にかざすとキラキラと輝く細かな火山ガラスのかけらで、実は奈良盆地内の各地の発掘現場で目にすることができる。
例えば天理市の菅田遺跡などでは、この鬼界アカホヤ火山灰のほかに、やはり鹿児島県の姶良(あいら)カルデラを噴出源とする姶良丹沢火山灰(約2万8千年前)の堆積も確認されており、奈良でも火山灰の降灰する機会の少なくなかったことを物語る。
ところで、こうした噴火の際、噴出源に近い南九州では火砕流が襲い、周辺には火山灰が厚く堆積することによって、自然環境なども甚大な被害を被ったのではないかと推測されている。それ以前の南九州は、日本列島内でも比較的温暖な気候条件を背景に、いち早く定住を開始し、他の地域に比べ豊かな文化を築いていたことで知られるが、こうした文化は、鬼界アカホヤ火山灰の降灰以降、急激に衰退する。
こうした文化の盛衰が、直接、火山災害によるものなのかは十分解明されているわけではない。しかし、報道によれば、現在も続く新燃岳の噴火は地元に甚大な被害をもたらしているという。奈良盆地で地下深くに眠る火山灰を見るとき、それが後世に多大な影響を与えたであろうことは容易に想像できる。
比べてみると2つの火山灰は色が違う。
遠く鹿児島から届いた火山灰。
そう云えば,奈良盆地の地下にも太古の昔,鹿児島から飛んで来た火山灰の地層があると聞く。
下記は先日の記事。
@噴火の降灰 時代刻む
◇2.8万年前、7300年前・・・南九州の火山灰層
最近、ドライブをしていると県外ナンバーの車をよく見かける。しかし、北海道や鹿児島といった遠方の地名を見ることは珍しく、そんな車をみると、どうやってここまで来たのかと、ふと思いを巡らしてみたくなる。
現在、建設中の京奈和自動車道が開通すれば、こうした県外ナンバーを見る機会も増えるであろうが、実はこの建設に先立つ発掘調査で、地表から約4メートルの深くに、遠く鹿児島からやってきたあるものが見つかった。
その「あるもの」とは、鹿児島の大隅半島沖にある海底火山が、7300年前に噴火した際に飛んできた「鬼界アカホヤ火山灰」である。九州南部では、今でも火山噴火の火砕流によってできた台地をみることができるが、この鬼界アカホヤ火山灰は、九州のみならず、近畿、関東地方まで広く降灰したことが知られており、はるか500キロ離れた奈良でも降灰があったことが実感できる。
観音寺本馬(かんのんじほんま)遺跡(橿原、御所両市)では、縄文時代晩期(約2900年前)の土器棺が出土したが、その1メートル下からは、縄文時代後期(約4400年前)の石囲炉(いしがこいろ)も検出されている。中部地方から伝わったとされ、直径約50センチの円形の石組みの中に深鉢形土器を据え置いており、竪穴住居の炉だったらしい。
鬼界アカホヤ火山灰が見つかったのは、この生活痕跡のさらに1・5メートル下である。黄褐色でシャリシャリとしたその堆積(たいせき)は、約5センチにもなる。一見、普通の細かな砂のようであるが、光にかざすとキラキラと輝く細かな火山ガラスのかけらで、実は奈良盆地内の各地の発掘現場で目にすることができる。
例えば天理市の菅田遺跡などでは、この鬼界アカホヤ火山灰のほかに、やはり鹿児島県の姶良(あいら)カルデラを噴出源とする姶良丹沢火山灰(約2万8千年前)の堆積も確認されており、奈良でも火山灰の降灰する機会の少なくなかったことを物語る。
ところで、こうした噴火の際、噴出源に近い南九州では火砕流が襲い、周辺には火山灰が厚く堆積することによって、自然環境なども甚大な被害を被ったのではないかと推測されている。それ以前の南九州は、日本列島内でも比較的温暖な気候条件を背景に、いち早く定住を開始し、他の地域に比べ豊かな文化を築いていたことで知られるが、こうした文化は、鬼界アカホヤ火山灰の降灰以降、急激に衰退する。
こうした文化の盛衰が、直接、火山災害によるものなのかは十分解明されているわけではない。しかし、報道によれば、現在も続く新燃岳の噴火は地元に甚大な被害をもたらしているという。奈良盆地で地下深くに眠る火山灰を見るとき、それが後世に多大な影響を与えたであろうことは容易に想像できる。
奈良まで飛んできたとしたら、よほど大爆発だったのでしょうね。その事象は私も聞いたことがあります。
火砕流はもちろん怖いですが、土石流だって逃げるしかないでしょう。
お友達のお宅、ご心配ですね。
とっても興味深い説です!九州のように温暖な土地にはもっと文化が発達しているはず…なんて思っていましたから。
俄然元気が出ました。
大和は、ここ掘れワンワン…で掘れば何でも出てくるんですね。
そうですよね,私も同じ火山帯だと思っていたので,色の違いに驚いています。
普段,火山活動と縁が無いので気楽なことを言ってられるんです。
そこで住むとなると大変でしょう・・・
奈良や京都で堆積している火山灰って,かなり昔のものになるんでしょうね。
>「岩宿の発見」って言う本を読んだ時の感動
私も小さい頃に読んで,将来は考古学者になりたいと思った頃がありました。
「ここ掘れワンワン!」は楽しそうですよねぇ~
発掘現場を覗くと,ワクワクしてきます!
一番好きな話は,志賀島の金印の話。
私も趣味の園芸をしていたら,
土の中から金印出てけぇ~へんやろかなぁ~