私の実家は坂道の上にある。
近くの公園のすぐ側に神社があって、そこは木に囲まれて薄暗い。でも頂上にあるので、勇気を出して裏へ回ればすごく綺麗な夕焼けが見れた。私にとって特別な場所。
先日、JIJIを連れて行った。
私が好きだったあの景色を見せてあげたかったけど、そこから見る景色は全く違ってた。
ゴルフ場が出来、コンビニやファミレスができ…。
初めてこの場所にきた時の感動は得られなかった。
中学は部活三昧だった。
今の腰痛(骨が折れて分離してる)も当時ハードだった練習が主な原因と言われてる。
部活は日曜祝日関係なく、引退するまでほぼ毎日あった。平日も暗くなるまで練習。
1年生の時は部室は使わせてもらえない為、廊下で着替えたり。
夜の学校は怖いんだよね。
忘れ物を取りに行く時なんて、怖いから皆で取りに行くんだけど…。
1人が「怖い」って走り出すと、皆がつられて猛ダッシュ
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でもあの時の窓から見た夜景も綺麗だったなぁ。
3年生になると体育館の更衣室を使わせてもらってたけど、校内に残ってるのは顧問の先生と用務員のおじさんだけで、体育館の電気を消すのが怖かったけど、ジンワリ消えていく電気を見るのも好きだった。
私の高校は田舎だったし、そんなのんびりした雰囲気が大好きだった。
進学校だったけど、ポヤーンとした人が多くて心地良かった。
文化祭前。最後の追い込みで遅くまで学校で作業した。
その帰り道、外は真っ暗。
そして大きくて赤い満月がすごく不気味なのにとても綺麗だった。
夕方の帰り道。
たんぼの中の細い畦道を歩いてる時、真っ赤な夕焼けの中、オレンジ色の太陽が大きくて綺麗で涙が出そうなくらい感動した。
一緒に帰ってた友達に「私、多分、一生この空を忘れんと思う」って言うと「相変わらずやねぇ」と笑われたけど
実際にあの空を今でも私は忘れてない。
あの時、笑った友達はきっともう綺麗サッパリ忘れてるんだろうなぁ。
高校の周りも随分と変わっていた。
ショッピングモールが出来、車も人もいっぱい。
たんぼももう無さそうな気がする。
私は子供の頃の記憶は結構残ってる方だと思う。
JIJIの性格は最初はNIJIに似てると思ってたけど、最近は私に似てる気がする。
発想とか、物事に対する感じ方とか…。
JIJIがまだ単語しか喋れなかった頃、スーパーの屋上の駐車場に出た瞬間、夕焼けの空を見て「きれいね」と言った事があった。
その時、この空を見て「きれい」だと感じるJIJIに感動した。
私も感受性は強い方だ。
自分の過去を振り返るとダブる事がいっぱい。
JIJIの感受性の強さは、私より遥かに凄い。
人が気にしないような些細なことで、立ち止まってしまうことも多いかもしれない。
実際、既にそんな感じだし
小さい頃から私はすごく周りの友達に恵まれていた。
いつも『さちじちゃんは天然やけねぇ』って皆が笑ってくれた。
だから私は『ちょっと変わってるよね』と言われることが嫌じゃないし、むしろ子供時代もそれが楽しかった。
JIJIはどうかな。
どんな仲間と出会い、どんな事がJIJIの心に残るのかな。
私みたいに、友達に恵まれてくれるといいな。