御蔵島うつぼ記

うつぼとこつぼの島暮らし

カツドリ救出大作戦

2011-09-17 11:25:43 | 日記


ガイドを頼まれたお客様「さ」さんとともに車で走っていた時のことです。

・・・あ、カツドリの死体があんな所に・・・。

崖崩れ防止のガッシリしたフェンスの中に、
カツドリの絡まった姿が目に留まりました。

「写真撮りたいです!」と、「さ」さん。

言われるがままに車を止め、たら、

「このカツドリ生きていますよ!」

!?なんですと?!

ダッシュで車を止め見に行くと、
フェンスに片羽を絡めたカツドリ(年齢♂♀不詳)が、
ぼんやりとこちらを見ています。

ひょ・・・ぇ~~~;;;;

崖に渇いた血が付いている所を見ると、
もがいた拍子に足を擦った模様。
すでに血は止まっているようですが、
かなり、痛々しい。。。

「どうしますか?!」

どうするもこうするもトリ ; あえず・・・、

助けましょう;;

「さ」さんとともにフェンスを思い切り引っ張って、
下から手を入れて羽を外そうとしますが巧くいきません。
頑張って力を入れると、もう少し引っ張れそうだったので、
引っぱりは「さ」さんにお願いして、
私は隙間が空いたフェンスの下から中に入り、
持っていた手ぬぐいでカツドリのクチバシ攻撃をかわしながら、

こっちか?あっちか?

そっと、

でも確実に、

痛くない?と、聞きながら、

なんとかフェンスから羽を抜き取りました♪

カツドリ君、もがくものの、なんか弱々しい。

「どうしましょうか?」と、「さ」さん。

どうするもこうするも、
このままではカラスの餌食。。。

観光協会に持っていくか?それとも・・・?

実は常ながら、観光協会には、いろいろな生き物が持ち込まれます。
時折、ここはナニ園なんだ?と、思わざるを得ない時もあり、
この場合、やはりソコか・・・?

しかし。。。

迷いながらも、とりあえず、里に向かいました。

途中、鳥博士(?)「せ」さんの工房前を通りかかり、
そうだ!
とばかりに、作業中の「せ」さんに相談。

「無理かもしれないけど、海に離してあげれば?」

。。。

・・・そうですよね。

もし、カツドリが「何処でが一番ヨイ最後か?」と聞かれたら、
それはきっと「海」と答えるに違いありません。

  ↑あくまでもヒト予想。

そして、もしかしたら、
本当にもしかしたら、傷もたいしたことが無く、
羽ばたいて餌を摂り、復活してくれるかも・・・?

しれない。

  ↑あくまでもヒト希望。

せつない気持ちと一縷の望みとを抱いて桟橋へ向かいました。
つかもうとすると、クチバシで突きながら、攻撃してくるカツドリ。

カツドリ君、海だよ。
カラスに負けるな!頑張って生きろ!
と、海へ放り投げました。

  ↑無謀なヒト行動。

・・・ぽちゃ・・・ん。

羽を広げたまま、すぐそばの海に、
ぽちゃんと落ちたカツドリが波間に漂っています。

ぁあ、ダメなのか~;;・・・と、・・・お?

ぽちゃん、と、首を海の中に突っ込んだではありませんか?
続けて二三回、ぽちゃんぽちゃん。

そして、

ぷかぷか波間に漂いながら、羽を広げようとしています。
ぎこちなく広げた・・・と、思ったら、
両羽を広げ、羽ばたく仕草を繰り返します。

おお・・・。。。

  ↑あくまでもヒト希望予想。

。。。

確認はここまで。
これ以上は、応援と切なさとが同居して、
ずっと見てなどいられませんでした。

  ↑すぐ感傷的になるヒト感情。

。。。

次の日、桟橋にカツドリ君お姿はなく、

  ↑「どちら」にしても当然;;;

この日の昼船でお帰りになる「さ」さんと、共に、
桟橋で無事をお祈りしました。

私たちの周りには、私たち人間の造ったモノがたくさんあります。
生活のすぐそばでも、遠く離れた場所であっても、
それらが時として凶器となり、生き物たちを苦しめる。
どうしようもないと解っていても、
どうにかならないか?
どうにかしたい。と、切に思います。

・・・あくまでもヒトの視線でしかありませんが;;;;

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