ガイドを頼まれたお客様「さ」さんとともに車で走っていた時のことです。
・・・あ、カツドリの死体があんな所に・・・。
崖崩れ防止のガッシリしたフェンスの中に、
カツドリの絡まった姿が目に留まりました。
「写真撮りたいです!」と、「さ」さん。
言われるがままに車を止め、たら、
「このカツドリ生きていますよ!」
!?なんですと?!
ダッシュで車を止め見に行くと、
フェンスに片羽を絡めたカツドリ(年齢♂♀不詳)が、
ぼんやりとこちらを見ています。
ひょ・・・ぇ~~~;;;;
崖に渇いた血が付いている所を見ると、
もがいた拍子に足を擦った模様。
すでに血は止まっているようですが、
かなり、痛々しい。。。
「どうしますか?!」
どうするもこうするもトリ ; あえず・・・、
助けましょう;;
「さ」さんとともにフェンスを思い切り引っ張って、
下から手を入れて羽を外そうとしますが巧くいきません。
頑張って力を入れると、もう少し引っ張れそうだったので、
引っぱりは「さ」さんにお願いして、
私は隙間が空いたフェンスの下から中に入り、
持っていた手ぬぐいでカツドリのクチバシ攻撃をかわしながら、
こっちか?あっちか?
そっと、
でも確実に、
痛くない?と、聞きながら、
なんとかフェンスから羽を抜き取りました♪
カツドリ君、もがくものの、なんか弱々しい。
「どうしましょうか?」と、「さ」さん。
どうするもこうするも、
このままではカラスの餌食。。。
観光協会に持っていくか?それとも・・・?
実は常ながら、観光協会には、いろいろな生き物が持ち込まれます。
時折、ここはナニ園なんだ?と、思わざるを得ない時もあり、
この場合、やはりソコか・・・?
しかし。。。
迷いながらも、とりあえず、里に向かいました。
途中、鳥博士(?)「せ」さんの工房前を通りかかり、
そうだ!
とばかりに、作業中の「せ」さんに相談。
「無理かもしれないけど、海に離してあげれば?」
。。。
・・・そうですよね。
もし、カツドリが「何処でが一番ヨイ最後か?」と聞かれたら、
それはきっと「海」と答えるに違いありません。
↑あくまでもヒト予想。
そして、もしかしたら、
本当にもしかしたら、傷もたいしたことが無く、
羽ばたいて餌を摂り、復活してくれるかも・・・?
しれない。
↑あくまでもヒト希望。
せつない気持ちと一縷の望みとを抱いて桟橋へ向かいました。
つかもうとすると、クチバシで突きながら、攻撃してくるカツドリ。
カツドリ君、海だよ。
カラスに負けるな!頑張って生きろ!
と、海へ放り投げました。
↑無謀なヒト行動。
・・・ぽちゃ・・・ん。
羽を広げたまま、すぐそばの海に、
ぽちゃんと落ちたカツドリが波間に漂っています。
ぁあ、ダメなのか~;;・・・と、・・・お?
ぽちゃん、と、首を海の中に突っ込んだではありませんか?
続けて二三回、ぽちゃんぽちゃん。
そして、
ぷかぷか波間に漂いながら、羽を広げようとしています。
ぎこちなく広げた・・・と、思ったら、
両羽を広げ、羽ばたく仕草を繰り返します。
おお・・・。。。
↑あくまでもヒト希望予想。
。。。
確認はここまで。
これ以上は、応援と切なさとが同居して、
ずっと見てなどいられませんでした。
↑すぐ感傷的になるヒト感情。
。。。
次の日、桟橋にカツドリ君お姿はなく、
↑「どちら」にしても当然;;;
この日の昼船でお帰りになる「さ」さんと、共に、
桟橋で無事をお祈りしました。
私たちの周りには、私たち人間の造ったモノがたくさんあります。
生活のすぐそばでも、遠く離れた場所であっても、
それらが時として凶器となり、生き物たちを苦しめる。
どうしようもないと解っていても、
どうにかならないか?
どうにかしたい。と、切に思います。
・・・あくまでもヒトの視線でしかありませんが;;;;