『マリアの空想旅行』 森茉莉 著

「嗚呼、すべてを投げ捨てて旅に出たい！」と思う今日この頃…。 でも、今年は諸般の事情で、そうそう旅になんか出られそうにない。 そんなときは紀行文の類でも読むかって話になるんだけど、一時好きだった三島由紀夫が書いたもの（特に冬のベニスについて書いたやつ）や、金子光晴の「ねむれ巴里」など一連の退廃旅行もの、素っ頓狂な内田百の「阿房列車シリーズ」、最近だと村上春樹は結構紀行文の名手だったりするし、 . . . 本文を読む