切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

「六世中村歌右衛門を語る」(早稲田大学小野記念講堂)に行ってきた!

2011-04-01 01:35:16 | かぶき讃(トピックス)
昨日は六世中村歌右衛門が亡くなってちょうど10年目でした。例年行われる早稲田演劇博物館の記念講演だけど、今年のゲストは中村梅玉さんと山川静夫さん。見事に満席でしたね~。というわけで、簡単なリポート。

歌右衛門の命日はちょうど10年前の3月31日だったんですね~。あっという間です。あの日の晩は雪に桜に月。「関の扉」みたいだと話題になったものですが…。(ちなみに、最後の舞台から15年だそうです…。)

まず、最初は地震の話題から。

地震当日の舞台の様子を梅玉さんがお話しされていました。新橋演舞場では「御所五郎蔵」を上演中で、舞台に菊五郎演じる五郎蔵一党、花道に吉右衛門演じる星影土右衛門一党。客席が揺れで騒ぎ出して、狂言方が舞台に幕を引き、花道には吉右衛門らが取り残され…。吉右衛門は土右衛門の貫禄を見せながら、揚幕に戻って行ったんだとか!不謹慎ながら、これは観たかった!ちなみに、吉右衛門は大変怖がりなんだとか!

しかし、「歌舞伎座だったら、危なかったのかも?」とは山川さん。確かにわからないところですね。そういう意味では、歌舞伎座閉場は凄いタイミングだったのかな?

さて、大成駒の話。

大成駒最期の日のエピソードで、梅玉さんは舞台稽古中だったとか。ただ、稽古中に帰っては父に怒られると最後まで続け、それを知った玉三郎が梅玉さんの元に現れて、黙って梅玉さんの手をしばらく握っていたっていうエピソードは目頭が熱くなりましたね~。

で、舞台のエピソードや私生活の話は、成駒屋贔屓ならそんなに新しいものはなく、ぬいぐるみに囲まれて寝ている歌右衛門のブロマイド(!)というのがちょっとお宝映像ではありました。

ま、話の内容より、自粛ムードの中、歌舞伎ファンが大成駒を思って集まったということが、とても心地よい会でしたね~。それに、ご子息の梅玉さんがいらっしゃっているという感動…。

なお、帰りに早稲田の演劇博物館で行われている展示を見てきました。

「阿古屋」に使われた楽器や三島由紀夫がロンドンから歌右衛門に送った葉書。バワーズ氏とニューヨークでグレタ・ガルボに会い、歌右衛門の話題ばかりした。歌右衛門への投げキスを預かった(!)っていうような内容が小さい字で書いてあったなあ~。それと、有名なガルボの電報「LOVE LOVE LOVE」もありました。

さて、昨日で歌舞伎チャンネルもなくなりましたが、衛星劇場でも過去の名舞台をどんどん放送してほしい。そして、歌右衛門の芸を語り継いでいきたいですね~。戦前の名優たちと違って、たくさん映像が残っているんだから…。

ということで、簡単すぎるリポートでした。

・六世 中村歌右衛門展-私の愛したお役(早稲田演劇博物館)



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◆関連演劇講座◆
「六世中村歌右衛門を語る」

日時:2011年3月31日(木)14:45~16:15(開場14:15)
会場:早稲田大学小野記念講堂(27号館小野梓記念館地下2階:定員200名)
講師:中村梅玉(歌舞伎俳優)、山川静夫(フリーアナウンサー、エッセイスト)
司会:児玉竜一(早稲田大学教授)
※入場無料・事前予約不要

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