電車の中刷りが気になって、ついつい立ち読みしてしまったんだけど、週刊朝日に載った『美貌の女性指揮者 西本智実の「虚飾」』という記事はなかなか衝撃的なものだった。クラシックリスナー歴がこのブログの長さ程度のわたしでも、一応<女性指揮者 西本智実>の名前は知っていたし、CDも一枚だけ聴いたことがあった。(因みにタコ5のCDです。)しかし、なァ・・・。これじゃあ、亀田兄弟あたりと重なる感じだよ~♪。
詳しいことは記事を読んで頂いた方がいいんだけど、彼女の性癖から経歴詐称疑惑など、反論するならちゃんと反論しなければならない重い内容の記事で、彼女をプロモートする連中の手口に、亀田兄弟のジム会長あたりと通じるような胡散臭さがプンプン漂ってくる。
もちろん、音楽家が変わり者だろうがなんだろうが一向にかまやあしないわけだけど、クラシックというジャンルには、音楽それ自体とは別の、何か強力な権威付けが宣伝文句になるという側面があるような気がする。それが学閥だったり、誰かの弟子というような表現だったり・・・。
賛否両論のフジコ・ヘミングの場合も含め、日本のクラシックビジネスって?って思えてしまう記事でした。
詳しいことは記事を読んで頂いた方がいいんだけど、彼女の性癖から経歴詐称疑惑など、反論するならちゃんと反論しなければならない重い内容の記事で、彼女をプロモートする連中の手口に、亀田兄弟のジム会長あたりと通じるような胡散臭さがプンプン漂ってくる。
もちろん、音楽家が変わり者だろうがなんだろうが一向にかまやあしないわけだけど、クラシックというジャンルには、音楽それ自体とは別の、何か強力な権威付けが宣伝文句になるという側面があるような気がする。それが学閥だったり、誰かの弟子というような表現だったり・・・。
賛否両論のフジコ・ヘミングの場合も含め、日本のクラシックビジネスって?って思えてしまう記事でした。
革命&1812西本智実, ショスタコーヴィチ, ロシア・ボリショイ交響楽団“ミレニウム”, チャイコフスキー, ユルロフ合唱団キングレコードこのアイテムの詳細を見る |
CDショップをうろうろしていた時、店内のディスプレィで、彼女の指揮姿の映像が流されていたんですよ。それがもう女版カルロス・クライバーかとみまがうような流麗で美しい指揮姿でびっくりしたんですね。その時店では音源は流れていなかったのですが、これは凄い新人指揮者が現れたのかもしれない、買って確かめてみなければいけないと、DVDを購入したんです。
帰って自宅で視聴してこれまたびっくり。オケの音が異常に貧相で。(笑)ま、それはロシアあたりのオケではよくありがちなことなんですが、問題は彼女の見た目の流麗な棒が演奏にまったく反映されてなかったんですね。指揮棒の動きと実際の音楽があれほど無関係に乖離した演奏をぼくは初めて見ました。要は彼女はまったく指揮などしていなかったのですね。オーケストラの前でただ美しいダンスを踊ってただけなんです(笑)
彼女に限らず、虚名演奏家というのはクラシック界には掃いて捨てるほどいますけど、彼女はそのもっともわかりやすいパターンでしょうね。
西本人気の背景には、クラシックを聴いてみたいひとがたくさんいるっていうことがあるんでしょうけど、なんだか裏切ってるように思えてなりません。
評論家あたりはちゃんと批判したりしないものなんでしょうか?
それは同感です。しかし、日本のレコード会社やプロモーターなどがやることなどは、まだ可愛いものというか、同情せざるを得ない部分もある気もします。いくらブームとはいっても、ポップスですらCDが売れないこの時代に、クラシックを売ることの難しさたるや、想像を絶するものがありそうですので。
ぼくはウィーン国立歌劇場の現音楽監督だって虚名指揮者だって思っています。ミーハーを除けば、あれほど誰も誉めないオペラ指揮者というのも見たことがありませんが、ともかく、彼はオペラハウスにめいっぱいの札束を運んでくれる指揮者であることだけは間違いないわけです。先日ウィーンに行った時も、颯爽と歌劇場にレクサスで乗り付けるホーレンダーを見かけましたが、彼らのしたたかさと比べたら、日本人プロモーターの商売のやり方などホント、可愛いものです。
クラシックはやはり基本的に、ポップスのように愛好家がCDやコンサートチケットを購入することによって、ビジネスが健全に成り立つというようなものではまったくないというところが、問題の根っこなんでしょうね。