切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

太宰治の娘の名前は、義太夫由来。

2015-08-02 23:59:59 | 超読書日記
前からそうだろうとにらんでいたのですが、未亡人津島美知子さんとドナルド・キーン氏のインタビューというのをたまたま発見して読んだら、やっぱり!太宰から口承文学の影響を外したらダメだとは、檀一雄の発言だったけど、義太夫の影響はもっと研究されるとよいかもネ。

長女が園子さんで、次女が里子さん(作家津島佑子氏の本名)ですが、もちろん、「艶姿女舞衣」酒屋の段のお園、義経千本桜 鮨屋の段のお里から来ているわけですよね。

太宰の旧制高校時代といえば、娘義太夫を学生が習うのが流行ったらしい。加えて、今はどうか知らないけど、弘前は素人義太夫が盛んだったと小説『津軽』にも出てきますね。壺坂、野崎、紙治を一通り覚えたなんていうくらいだから、相当熱心だったらしい。

未亡人の証言によると、機嫌のよい時は、「堀川猿回しの段」なんかを語ったそうです。

また、歌舞伎も好きだったようで、十五代目羽左衛門が贔屓みたいですね。「男女川と羽左衛門」というエッセイもありますし。

というわけで、長年の疑問が裏付けられたんで、個人的にはよかったです。ハイ。

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