先日訃報記事を書いた映画監督マイケル・チミノですが、『ディア・ハンター』のDVDでコメンタリーをやってるんですよね。で、DVD持っていたのに、このコメンタリーを聴いていなくて、追悼記事を書いた流れで聴いたみたら、これがよい!この映画を好きな人、必聴のコメンタリーでした!亡くなるまで聴いてなかったわたしはバカですね・・・。
予想外に雄弁に語るチミノ!
ベトナム戦争映画の決定版ともいえるこの作品が、じつはイギリス資本EMIの出資で作られたという冒頭の説明から、実は猛暑の夏に撮影されたという鉄鋼の町の風景の撮影苦労話。
最初の結婚式の場面がロシア正教の結婚式とパーティーだというのは、学生時代には気付かなかった部分でしたね。ロシア系移民が住む山間の街の、鉄鋼の工場労働者の若者たちが、米ソ代理戦争であるベトナム戦争に従軍するという意味合いを、宗教的背景で説明しているってあたりは、キリスト教十派ひとからげの日本人には判りずらいところかもしれない。わたしもギリシア旅行するまで、東方教会のイメージってよくわかっていませんでしたしね。あと、村上春樹のギリシャ・トルコ紀行もかなり参考になったけど。
で、わたしが面白かったのは、チミノが素人を巧妙に使う監督だとわかったこと。別の言い方をすると、リアリズム重視の人なんですよね。そのことがわかる解説が随所に出てくる。たとえば、デニーロがかぶっていたベースボールキャップは本当に労働者がかぶっていた帽子を買い取ったものであるとか。
また、音楽の使い方もプレスコ形式(事前に録った音を流して演技させるミュージカル映画なんかのスタイル)でなく、生演奏やラジオから聞こえてくる音なんかにこだわっているんですよね。その辺を念頭に置いて、結婚式の場面を見直すと、あの場面の高揚感がさらに奥深く感じられてくる。なにしろ、ヴィスコンティの『山猫』か、この映画や『天国の門』のチミノかってくらいですから。
そして、最後にオスカーをジョン・ウェインからもらった話や、ベトナム戦争戦没者慰霊碑の話なんかは胸を打ちますね~。
ということで、繰り返しますが、好きな人は必聴です!
予想外に雄弁に語るチミノ!
ベトナム戦争映画の決定版ともいえるこの作品が、じつはイギリス資本EMIの出資で作られたという冒頭の説明から、実は猛暑の夏に撮影されたという鉄鋼の町の風景の撮影苦労話。
最初の結婚式の場面がロシア正教の結婚式とパーティーだというのは、学生時代には気付かなかった部分でしたね。ロシア系移民が住む山間の街の、鉄鋼の工場労働者の若者たちが、米ソ代理戦争であるベトナム戦争に従軍するという意味合いを、宗教的背景で説明しているってあたりは、キリスト教十派ひとからげの日本人には判りずらいところかもしれない。わたしもギリシア旅行するまで、東方教会のイメージってよくわかっていませんでしたしね。あと、村上春樹のギリシャ・トルコ紀行もかなり参考になったけど。
で、わたしが面白かったのは、チミノが素人を巧妙に使う監督だとわかったこと。別の言い方をすると、リアリズム重視の人なんですよね。そのことがわかる解説が随所に出てくる。たとえば、デニーロがかぶっていたベースボールキャップは本当に労働者がかぶっていた帽子を買い取ったものであるとか。
また、音楽の使い方もプレスコ形式(事前に録った音を流して演技させるミュージカル映画なんかのスタイル)でなく、生演奏やラジオから聞こえてくる音なんかにこだわっているんですよね。その辺を念頭に置いて、結婚式の場面を見直すと、あの場面の高揚感がさらに奥深く感じられてくる。なにしろ、ヴィスコンティの『山猫』か、この映画や『天国の門』のチミノかってくらいですから。
そして、最後にオスカーをジョン・ウェインからもらった話や、ベトナム戦争戦没者慰霊碑の話なんかは胸を打ちますね~。
ということで、繰り返しますが、好きな人は必聴です!
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