切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『火刑法廷』 ディクスン・カー 著

2016-02-19 23:59:59 | 超読書日記
ミステリーの名作再読運動の一環で読んだ本なんですが、多分初読ですね(再読じゃないか)。ミステリーマガジンのオールタイムベスト第2位に恥じない傑作でした。最後のエピローグがなくても傑作の部類なんだけど、最後のエピローグで「ワっ!」という感じ・・・。横溝正史が愛読した作家ということで、金田一物なんかが好きな人におすすめ!

こういう本はネタバレしないように感想を書くのが親切なんで、曖昧な感じで書きますが、推理小説の世界にオカルトな雰囲気を取り入れた作家で、横溝正史がこの作家の影響を受けたって話は、あらためて頷けました。「八つ墓村」なんかに類似のテイストを感じますから。

発表されたのが1937年ということで、トーキー初期の映画に出てくるようなアメリカの郊外のモダンな暮らしがベースで、主人公である夫の職業はニューヨークの編集者!

でも、そこにおどろおどろしい中世の魔女狩り的な話が入り込んでくるという仕掛けが凄いなと思いました。普通つながらないですからね~。

で、エピローグ。とにかく、エピローグがなかったら、こんなにヤバい小説ではなかったでしょうね~。この後味って・・・。

ということで、確かに傑作でした。人が評価する作品にはそれなりの何かがありますね。

火刑法廷[新訳版] (ハヤカワ・ミステリ文庫)
クリエーター情報なし
早川書房
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