切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

北杜夫の訃報をめぐって。

2011-10-28 23:59:59 | 超読書日記
10/24が亡くなられた日のようですが、幸福な作家だったんじゃないのかな?というわけで、ご冥福をお祈りいたします。

正直なことを言うと、「まだ生きていたんだ」と思ったくらい、近年の印象は薄かったですね。でも、戦後の作家って、若くして大家の風格があったというか、三島由紀夫と同い年でしょ、確か。三島であれ、開高健あたりであれ、文士って感じの貫禄があるんですよね。代表作の『楡家の人びと』なんて三十台半ばで書いているんだから、今の作家って何やってるのって感じですよ。

といいながら、わたし、『どくとるマンボウ航海記』をむか~し読んだっきり。他に初期の短編も読んでいるはずなんだけど、記憶が曖昧で全然覚えてない。『どくとるマンボウ』シリーズのイメージが強すぎるんですかね。でも、肝心の『どくとるマンボウ航海記』ですら、イメージしか残ってなくて、わたしはちゃんと読んでいたんだろうかと、なんだか疑わしくなってきた…。

で、せっかくだから、読もう読もうと思って読んでなかった『楡家の人びと』を読もうと思っています。トーマス・マン、わたしも好きですからね。(北杜夫はドイツの作家トーマス・マンが好きで、その影響が強く出たのがこの小説だといわれている。ちなみに、三島由紀夫や安原顕がこの小説を大絶賛していたなあ~。)

そんなわけで、語る資格もないわたしですが、売れた本、評価された本を同時に持つこの作家って、幸福な人だと思いますよ。売れた本がなくて、大学教授になっちゃった今日日の作家より全然よいですね、高橋とか島田とかよりね~。

では。


どくとるマンボウ回想記
クリエーター情報なし
日本経済新聞出版社
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2 コメント

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はじめまして (U1)
2011-12-26 06:07:05
北杜夫というキーワードから初めておじゃましました。
私とは違う分野のことを書いておられます。
これからはときどきのぞかせていただきます。
返信する
コメントありがとうございます。 (切られお富)
2011-12-27 01:58:43
U1さま

はじめまして。

北杜夫といえば、長野県所縁のひとでしたね。実はわたしも松本に住んでいたことがあります。

今後ともよろしくお願いいたします。
返信する

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