切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

NHKの中村芝翫追悼番組をめぐって。

2011-10-29 23:59:59 | かぶき讃(トピックス)
観ました。予想外に充実したよい番組でしたね。簡単に感想っ。

出演は玉三郎と水落潔。貴重な映像が多くて、とても感心しましたね。

最初に出てきた初舞台の映像が凄いです。父親で早世した福助との道成寺!

そして、五代目&六代目歌右衛門がまだ子供の芝翫に踊りの稽古をしている映像!若き日の六代目歌右衛門が三味線を弾いて、「近江のお兼」を教えているんだけど、すでに踊りが溌剌としていて、のちの姿を想像させてくれますね。

芝翫襲名の時の「鏡獅子」では後見がなんと中村富十郎!富十郎の「鏡獅子」も名演でしたが、のちに人間国宝になる二人。当時から切磋琢磨だったんでしょうかね!

この番組で取り上げられた舞台映像は以下の通り。

・鏡獅子(弥生、獅子の精)
・加賀見山旧錦絵(お初)
・鳴神(雲の絶間姫)
・忠臣蔵九段目(お石役と戸無瀬役の二種類)
・魚屋宗五郎(女房お浜)
・道成寺(花子)
・孤城落月(淀君 最後の舞台映像)
・本朝二十四孝(八重垣姫)

で、玉三郎の話からうかがえるのは、芝翫の教え方がかなり具体的だったらしいということ。六代目菊五郎の教え方もそうだったみたいだけど、なかなか名教師でもあったんでしょうね。このことって、七之助もテレビで語っていて、父親の勘三郎が感覚的なのとは対照的に、非常に具体的かつ論理的に手順を教えるスタイルだったらしい。

しかし、歌舞伎チャンネルが残っていれば、追悼大特集が組まれたんだろうけど、困りますよ、松竹さん。衛星劇場とNHKのBSプレミアムに期待するしかないのかな~。特に芝翫襲名の頃とか、若い頃のものなんか、観てみたいですね~。

ということで、今後の放送に期待したい!です。

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