切られお富!

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女優アリダ・ヴァリさん死去

2006-04-25 00:05:50 | アメリカの夜(映画日記)
アリダ・ヴァリの訃報を知って思ったのは、「まだ生きてたんだ!」ってこと(不謹慎で失礼。)。で、いろんな出演作を考えたんだけど、『第三の男』なんて好きではないし、ヒッチコックの『パラダイン夫人の恋』は監督本人が失敗作と断じている作品で、ベルトリッチの映画では年をとってからだしな~。というわけで、やっぱり月並みだけど、『夏の嵐』ってもんでしょ?ヴィスコンティの!!

イタリアを代表する女優アリダ・ヴァリさん死去、84歳 (ロイター) - goo ニュース

たまたまわたしの大好きな町・ヴェニスを舞台に、伯爵夫人(アリダ・ヴァリ)と青年将校(ファーリー・グレンジャー)の道ならぬ恋の話で、原題の「Senso」が「官能」の意味とくれば、よいに決まっているでしょう!

相手役のファーリー・グレンジャーがちょっと中性的な感じがして、かえっていいわけだけど、彼がヒッチコックの『ロープ』という同性愛を秘めたテーマにしている映画にも出演しているということは、案外注目していい。

☆以前『ロープ』について触れた記事。

ところで、この映画の中で身も心もボロボロになっていく伯爵夫人を演じたアリダ・ヴァリ。こういう役って、演じるのも大変だったんじゃないかな?ところで、坂東玉三郎が映画監督ヴィスコンティを大好きで、自身のHPでも大いに語っているんだけど、役者から見た演出家ということで、なかなか興味深い内容だったりする。

・坂東玉三郎公式HP(このなかの「わたしの考え」の中の「対談」にヴィスコンティについて語っているくだりがあります。)

話を訃報に戻すと、この映画が彼女自身を体現していたかどうかはともかく、『第三の男』あたりより、ずっと演じ甲斐のある役だったに違いない。やっぱり、恋で見も心もボロボロになる役が代表作ってかっこいいじゃありませんか?

そんなわけで、謹んでご冥福をお祈りいたします。

夏の嵐

アイ・ヴィー・シー

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