切られお富!

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自民党の18歳選挙向け広報マンガ「国に届け」が酷かった!

2016-05-23 22:31:30 | 政治少女死なず(反アベ宣言!)
一部で話題になっていたんで話のタネに読んでみたんだけど、ひどかった!内容的にも企画的にも・・・(「君に届け」に引っ掛けてるセンスもねぇ・・・)。ということで、簡単な感想のみ。

そもそも、選挙権の年齢引き下げ自体に疑問を持っているわたしですが、ひとまずその件は置きましょう。とりあえず、感想を列挙。

・国に届け

①すでに指摘されている方も多いんだけど、右から左にページも絵柄も流れていくマンガの形式を無視して、ページは左から右に、絵柄は右から左って、漫画を使っている意味がない。さすがに漫画家はわかっているはずなんで、指示を出した自民党関係者がバカなんでしょう。こういうひとたちが「クールジャパン」とか言い出しているんだから、頭が痛くなってきます。想像するに、パンフレットが右から左にめくっていく形になっているんで、無理やりマンガのページも合わせちゃったってことでしょう。漫画家&代理店は「これは変だ!」と思ったんだろうけど、「偉い人」には逆らえなかったって話だな。ま、落語で殿様が出てくる噺によくあるパターンです。

②で、内容。政治にまったく興味のない女子高生が、好きなツンデレ系のイケメンと選挙に行くために頑張るってストーリーなんだけど、これは女子どころか有権者をバカにしてますよ。小学生から社会科があるんだから、選挙とか投票行為自体がわからないわけではないと思う。学級委員とか生徒会長だって選挙で選んでいるんだろうから。そういうことじゃなくて、「選挙に行って意味があるのか」という、すべての世代の有権者が本音のところで思っている疑問が、結果として投票率を下げているんだという視点がなかったら、どうしようもないと思います。

③なので、これが自民党の有権者観だと思えばいいんじゃないでしょうか。もっといっちゃえば、自民党の改憲案が9条問題以前のところで、見事なまでに「オヤジの説教」調だったってことがいみじくも示している通り、「バカはつべこべ言わずに俺についてこい」と言ってるわけだ。

④ついでなので、選挙権の年齢について私見。わたしは「社会人になったら選挙権付与」でよいという考え方です。中卒でも働いて納税してるんだったら、選挙権をあげるべき。学生は勉強してたらよいんじゃないのという考えです。でも、「納税」と「選挙権」を結び付けようとすると、「外国人参政権反対」の立場の連中が嫌がるわけでしょ。それと、「消費税は子供も払っているから、その理屈は通用しない」とか言い出すバカがたまにいるんだけど、子供のお金は親が稼いでいるんだから、稼いでる人に選挙権があればいい。ということで、本質的には、わたしは高校生に選挙権って、意味がないと思いますけどね。社会負担を引き受けてこそ、言いたいことも出てくるわけだから。

というわけで、まとめ。あれじゃ、国どころか誰にも届かない広報だと思いました。

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