先日、佐藤真監督の訃報を知ってから、彼の作品を見たくなって探したのですが、なかなか見つからず、諦めかけていたところに、近所の図書館の視聴覚コーナーで発見。こういう地味なドキュメンタリーの傑作は大手レンタル店の寡占状態の中では埋もれていってしまうんでしょうか?感想です。
佐藤真監督のドキュメンタリー映画の評判は前から知っていたし、たまたま予告編をみたことも何度かあった。
でも、こういうドキュメンタリー映画の常として、都内単館上映が終わったあとは、特集上映でもない限り、容易に見る機会は失われてしまうもの。
さらに問題なのは、ビデオレンタル店の寡占化が進み、大手二社の画一化した品揃いの店舗ばかりが増えた結果、地味な作品の行き所がなくなってきていることでしょう。
となると、図書館などのライブラリーやフィルムセンターの役割は大きくなるわけで、ドキュメンタリー映画の世界と、公的機関の連携は、製作費の回収や映像の流通体制の維持という観点から、ますます重要になるのではないでしょうか?
というわけで、このあたりで本題に入りますが、この『阿賀に生きる』という作品は、新潟水俣病の舞台となってしまった阿賀野川周辺に生きる高齢者を追ったドキュメンタリーです。
ただ、この作品がそれまでの社会派ドキュメンタリー映画と一線を画しているのは、社会悪の告発調だったり、典型的な被害者目線みたいなつくりに、この映画がなっていないという点。
非常に淡々とした形で、過疎の村の老人たちの和やかな生活を追っているため、この映画の登場人物たちが新潟水俣病の未認定患者であることを忘れてしまいそうになります。
つまり、深刻に見せないが故に、後になってよくよく考えると、本当は深刻であることに気づかされるという手法。
しかも、この作品の撮影って、三年間にも及ぶもので、近くの民家に住み込んで行われたわけですよ。
そのとき、佐藤監督は32歳!
こんな志の作家って今いるんでしょうかね?
なお、この作品には続編の『阿賀の記憶』(2004)というのもあって、わたしは未見なんだけど、見たいなあ~。
セットでDVD化されるといいのですが!
というわけで、未見の方にはオススメの作品です!
佐藤真監督のドキュメンタリー映画の評判は前から知っていたし、たまたま予告編をみたことも何度かあった。
でも、こういうドキュメンタリー映画の常として、都内単館上映が終わったあとは、特集上映でもない限り、容易に見る機会は失われてしまうもの。
さらに問題なのは、ビデオレンタル店の寡占化が進み、大手二社の画一化した品揃いの店舗ばかりが増えた結果、地味な作品の行き所がなくなってきていることでしょう。
となると、図書館などのライブラリーやフィルムセンターの役割は大きくなるわけで、ドキュメンタリー映画の世界と、公的機関の連携は、製作費の回収や映像の流通体制の維持という観点から、ますます重要になるのではないでしょうか?
というわけで、このあたりで本題に入りますが、この『阿賀に生きる』という作品は、新潟水俣病の舞台となってしまった阿賀野川周辺に生きる高齢者を追ったドキュメンタリーです。
ただ、この作品がそれまでの社会派ドキュメンタリー映画と一線を画しているのは、社会悪の告発調だったり、典型的な被害者目線みたいなつくりに、この映画がなっていないという点。
非常に淡々とした形で、過疎の村の老人たちの和やかな生活を追っているため、この映画の登場人物たちが新潟水俣病の未認定患者であることを忘れてしまいそうになります。
つまり、深刻に見せないが故に、後になってよくよく考えると、本当は深刻であることに気づかされるという手法。
しかも、この作品の撮影って、三年間にも及ぶもので、近くの民家に住み込んで行われたわけですよ。
そのとき、佐藤監督は32歳!
こんな志の作家って今いるんでしょうかね?
なお、この作品には続編の『阿賀の記憶』(2004)というのもあって、わたしは未見なんだけど、見たいなあ~。
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