
とても話題になっているというので気になっていたんだけど、一巻目がなかなか手に入らなくて、2巻、3巻を先に読んで、あとから1巻を読みました。でも、この順番でも全然問題なかったですね。というわけで、感想です。
話は、「国家繁栄維持法」という法律によって、1000人に1人が大人になる前に死んでしまうワクチンを日本国民全員が小学校入学と同時に注射されるという、近未来の日本(?)を舞台にしています。
そして、死亡予定時刻24時間前に渡される「逝紙」(イキガミ)の配達を任務とする区役所職員の藤本と、「イキガミ」を渡された人間の人生残りの24時間が描かれていきます。
まず、率直な感想を言うと、3巻の帯に書いてある「いま、一番泣ける漫画!」という言葉に反して、わたしは全然泣けなかったですね。死を前にした人間たち(1巻辺り2人だから、合計6人)の物語は割合月並みだし、古臭い感じさえする。喩えでいうと、「人間交差点」みたいな、暑苦しい感じなんですよね。
わたしがこのマンガで興味を引かれるのは、なんとなく想像される死を宣告された人たちの反応より、「国家繁栄維持法」という法律の作られた近未来(?)の日本の設定の方で、このあとどんな国家の陰謀が描かれるのかに関心があります。
ただ、気になったのは、ここまでの「イキガキ」を渡された登場人物6人の特徴は、「冴えない人生」を送っている人たちであるという点かな。(このあたりに、次の伏線があるのでは?)
さて、一般論でいうと、『デス・ノート』もそうだけど、死を扱ったマンガが若者に支持される傾向というのは分析が必要なのではないでしょうか?
占い師なんかがもてはやされ、社会の階層化(たとえば学歴問題など。)が進むなか、運命論めいた人生観が蔓延、今の若者の生が無気力化、倦怠化しているということを象徴しているのかななんて気もします。こういうことと、世の中の右傾化とか、「武士道」ブームっていうのが、わたしにはどうも気持ちが悪いですね。
で、作品に話を戻すと、3巻目の前半では映画「タクシードライバー」を思わせる場面があったのと、同じく後半で「目の見えない女の子」という設定を使った見開きページの使い方が映画っぽいなあという点で、感心しました。
それと、余談ながら、1巻の登場人物の万引きするCDがエルビス・コステロのCDだっていうのが、妙に気になりました。わたしも、コステロ大好きなので!
(小さいながら、ちゃんとコステロの顔が書き込んであるので思い入れがあるんじゃないかな?そのあともコステロの曲がチラッと出てくるし。)
というわけで、エピソードより今後の大枠の展開に期待ってところですね、わたしは。
話は、「国家繁栄維持法」という法律によって、1000人に1人が大人になる前に死んでしまうワクチンを日本国民全員が小学校入学と同時に注射されるという、近未来の日本(?)を舞台にしています。
そして、死亡予定時刻24時間前に渡される「逝紙」(イキガミ)の配達を任務とする区役所職員の藤本と、「イキガミ」を渡された人間の人生残りの24時間が描かれていきます。
まず、率直な感想を言うと、3巻の帯に書いてある「いま、一番泣ける漫画!」という言葉に反して、わたしは全然泣けなかったですね。死を前にした人間たち(1巻辺り2人だから、合計6人)の物語は割合月並みだし、古臭い感じさえする。喩えでいうと、「人間交差点」みたいな、暑苦しい感じなんですよね。
わたしがこのマンガで興味を引かれるのは、なんとなく想像される死を宣告された人たちの反応より、「国家繁栄維持法」という法律の作られた近未来(?)の日本の設定の方で、このあとどんな国家の陰謀が描かれるのかに関心があります。
ただ、気になったのは、ここまでの「イキガキ」を渡された登場人物6人の特徴は、「冴えない人生」を送っている人たちであるという点かな。(このあたりに、次の伏線があるのでは?)
さて、一般論でいうと、『デス・ノート』もそうだけど、死を扱ったマンガが若者に支持される傾向というのは分析が必要なのではないでしょうか?
占い師なんかがもてはやされ、社会の階層化(たとえば学歴問題など。)が進むなか、運命論めいた人生観が蔓延、今の若者の生が無気力化、倦怠化しているということを象徴しているのかななんて気もします。こういうことと、世の中の右傾化とか、「武士道」ブームっていうのが、わたしにはどうも気持ちが悪いですね。
で、作品に話を戻すと、3巻目の前半では映画「タクシードライバー」を思わせる場面があったのと、同じく後半で「目の見えない女の子」という設定を使った見開きページの使い方が映画っぽいなあという点で、感心しました。
それと、余談ながら、1巻の登場人物の万引きするCDがエルビス・コステロのCDだっていうのが、妙に気になりました。わたしも、コステロ大好きなので!
(小さいながら、ちゃんとコステロの顔が書き込んであるので思い入れがあるんじゃないかな?そのあともコステロの曲がチラッと出てくるし。)
というわけで、エピソードより今後の大枠の展開に期待ってところですね、わたしは。
![]() | イキガミ 3 (3)小学館このアイテムの詳細を見る |
この人は、赤穂浪士の討ち入りも、「なんですぐ討ち入りしなかったのか?」と批判したりしていますが、実際の戦場を知らず、たいした行動もしていない<戦後世代>が勇ましいことをいうのって、今の時代に通じる感じがしますね。
現代版・山本常朝みたいなネット右翼に注意しなければいけないとはよく思うのですが、「死」が遠くなったが上に流行る「武士道」とか「死の美意識」には、簡単には騙されないぞって思ってしまいますね。