切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

七月の歌舞伎座の観劇。

2017-07-31 23:59:59 | かぶき讃(劇評)
初日に昼の部、月末に夜の部を観たのですが、簡単な感想だけ。

昼の部は、海老蔵の加賀鳶・道玄が意外にも好演。若いころの二世松緑のモノクロ映像の舞台を思い出した。獅童の急病による演目の変更に加えて近親者の訃報を考えたら、初日でこの舞台は感心しましたよ。あと、中車の松蔵が巧い。もうこの人は歌舞伎の世界に順応してしまった感じ。40代半ばから始めて凄いことですよ。襲名の斎入のお兼は、悪女を誇張しすぎないリアリズム風の舞台だと思いました。

で、運動量たっぷりの連獅子の後に、夜の部は通し狂言。

以前の記事で、「新作」って書いてしまったんですが、古い芝居なんですよね。わたしも以前、前進座がやった舞台を観たことがあって、すっかり忘れてました。とはいいながら、比較的原作に忠実だったらしい前進座の舞台に比べれば、ほぼ新作みたいな感じはしましたけどね。

で、個人的には児太郎の役がよかったんですが、やはり、やっぱり、海老蔵親子の宙乗りでしょう。盛り上がりが凄かったことに加えて、かんげん君(漢字が面倒だったんでゴメンナサイ)がわたしの観た日は結構セリフを言ってました。もっとも、何を言ってるかはよくわからなかったけど。

で、舞台どうこう以上に、七月の舞台は海老蔵親子のドキュメンタリーに立ち会えた、記憶に残る舞台だった気がします。昼夜通して海老蔵の芝居量、運動量が物凄い。ネットには海老蔵嫌いがたくさんいますが、こういう連中は海老蔵の舞台を観たことのない輩でしょう。七月なんか生の舞台を観たら、この人の舞台人としての覚悟がよ~くわかりますよ。

ということで、「嗚呼、観に行ってよかった」と思えた七月歌舞伎座でした!
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