切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『拝啓天皇陛下様』 野村芳太郎 監督

2008-02-16 12:28:50 | アメリカの夜(映画日記)
役者としての渥美清に興味が湧いてきて、ここのところ見逃していた作品を見ているんですが、これは傑作ですね。<渥美清=寅さん>というイメージしか持っていない人には必見です!

ちょっと頭は鈍いけど、純粋で素朴な男の戦中戦後を追ったこの映画は、軍隊生活を描いた映画としては、大映の『兵隊やくざ』、東宝の『独立愚連隊』と並ぶ、良質な娯楽作品だといえるでしょう。

インテリ兵隊を演じる長門裕之との友情。貧しかった戦中戦後の日本。川又昂の陰影に富んだ美しい画面も見所が多く、見終わったあとに切なさが残ります。

この頃の渥美清は『男はつらいよ』シリーズ開始前ですが、元気一杯で、よく体が動き、肉体派俳優?なんて思えてしまうほどで、『男はつらいよ』シリーズ後期の、動かない寅さんしかイメージにない方には新鮮に映るのではないでしょうか。

なお、この映画には続編があって、『続・拝啓天皇陛下様』というタイトルなのですが、こちらも一作目に負けないほどの傑作。恋愛モノとしては、続編の方が上回っている面すらあり、宮城まり子ってこんなにいい役者だったのかと、実は驚きました。

さらにいうと、さらなる続編で『拝啓総理大臣様』というのもあって、こちらは作品としてはちょっと質が落ちるものの、渥美清の芝居のうまさには唸らされます。

というわけで、レンタル店で埋もれている感のあるこの作品、三本とも90分前後で短いですし、おススメです。

PS:最近、松竹作品ばかり取り上げてるなあ~、別に見返りがあるわけでもないんだけど!

拝啓天皇陛下様

松竹ホームビデオ

このアイテムの詳細を見る


続拝啓天皇陛下様

松竹ホームビデオ

このアイテムの詳細を見る


拝啓総理大臣様

松竹ホームビデオ

このアイテムの詳細を見る


(参考)

兵隊やくざ DVD-BOX 上巻

角川エンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


独立愚連隊

東宝

このアイテムの詳細を見る
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 階段だけの御茶ノ水駅に署名 | トップ | 日曜日は、NHK-BSで團... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

アメリカの夜(映画日記)」カテゴリの最新記事