切られお富!

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記念講演<六世中村歌右衛門を語る>に行ってきました!(早稲田小野記念講堂)

2009-04-28 23:59:59 | かぶき讃(トピックス)
金曜日、早稲田の演劇博物館主催の講演会「六世中村歌右衛門を語る」を聞きにいってきました。今回は役者さんが来るわけではないのでそんなに期待はしてなかったのだけど、意外にも面白かったなあ~。仕事休んですいませんね!


             ★  ★  ★

関連演劇講座
「六世中村歌右衛門を語る」

日時:2009年4月24日(金)14:00~15:30 (13:30開場予定)
会場:早稲田大学小野記念講堂(27号館小野梓記念館地下2階:定員200名)
講師 :織田紘二(独立行政法人日本芸術文化振興会 国立劇場理事)
※入場無料・事前予約不要

             ★  ★  ★

毎年一月の国立劇場からの中継でも御馴染み、国立劇場の理事・織田紘ニ氏のお話だったのですが、このひと、NHKの放送ではわからなかったけど、ユーモアのある話し振りなんですよね。

で、今回は歌右衛門や三島由紀夫との出会いや仕事について語ってくれたわけですが、歌右衛門が三島由紀夫について語った本邦初公開のテープというのが流されたんですよ!

これは、三島由紀夫の死後に刊行された『芝居日記』(三島由紀夫が少年時代につけていた芝居ノートを元にした本。)に付いていた歌右衛門の話の、いわば<生テープ・オリジナル版>で、内容はすでに知られているもののようですが、やはり肉声で語られると歌右衛門の三島に対する感情がダイレクトに伝わってきます。

織田氏によると、歌右衛門にとって三島由紀夫は「すべてを預けたひと」だったんだそうで、自分の「葬儀委員長(!)」も頼んでいたそう。

しかも、最後に会ったときはげっそりしていて昔の面影はなかったとのこと。

思えば、三島歌舞伎の第一弾「地獄変」は昭和28年上演ですから、当時三島は28歳!

義太夫にも詳しく、語ることもできたというから、確かに早熟の天才で歌舞伎界にとってはじつに惜しい人だったとは思えますが・・・。

結局、芸にたいする執念に生きた歌右衛門にいわせれば、「なんで、筆でやれば済んだこと」を行動に移したのか理解できないというのが本音なんだろうなあ~とわたしは解釈しましたが、まあ、どうなんでしょうかね?

ご興味のある方は、古本で『芝居日記』を取り寄せてください。

因みに、わたしは帰りに演劇博物館で「六世中村歌右衛門 図録」というのを買って帰りました。(定価700円)

なお、画像は演劇博物館ですが、公演は別の場所、小野記念講堂です。

・参考ページ

芝居日記
三島 由紀夫
中央公論社

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2 コメント

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私も聞きたかった。 (パパゲーノ)
2009-05-07 23:18:12
お富さん、こんばんは、
織田さんの歌右衛門の講演のコメントを読んで、
私も聞きに行けば良かったと思いました。
そればかりか、お富さんの文章から、
歌右衛門の舞台を思い出してしまいました。
あぁ、お酒がおいしい、どうもありがとう、
「歌右衛門に乾杯、」
お富さんにも、乾杯 チン
返信する
コメントありがとうございます。 (切られお富)
2009-05-14 05:52:25
わたしは歌右衛門の生の舞台を見ていないので、パパゲーノさんが羨ましいです。

しかし、今の歌舞伎界で歌右衛門・三島みたいな関係は生まれるんでしょうかね?

勘三郎・野田秀樹は好みじゃないし・・・。
返信する

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