切られお富!

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<訃報> 歌舞伎役者 六代目片岡芦燕

2011-12-27 19:30:00 | かぶき讃(トピックス)
芸能ニュース的には岩井半四郎の訃報の方が大きく取り上げられていますが、個人的な観劇体験でいうと、断然わたしはこの人。2000年代の重要な敵役、老け役でした。ご冥福をお祈りいたします。

・片岡芦燕さんご逝去(歌舞伎美人より)

生前は三味線の名手としても知られた人でした。今はなき「歌舞伎チャンネル」のトーク番組「芸に生きる」でも腕前を披露してましたし。

で、生前なぜか深く考えなかったのですが、このひと、惨殺された十二代目仁左衛門の子息なんですよね。当時はどういう心境だったんだろうと想像してしまいますが…。

さて、わたしの印象に残っている舞台だと、「魚屋宗五郎」の父・太兵衛とか、「実盛物語」の九郎助なんかがあって、劇評にもチラッと書いてます(リンクをご覧ください。)。

また、「寺子屋」の春藤玄蕃も結構やっていたと思いますが、先述の番組「芸に生きる」のなかで、「松王丸より玄蕃の方が位は上なので、玄蕃が松王丸にお辞儀してはいけない。軽い会釈くらいじゃないと。」という解説をしてたのが印象に残っています。

ところで、芦燕には子供がいなかったと記憶していますが、喪主が未亡人(?)と甥の市村家橘になっているんですよね。仁左衛門の名跡は十代目の血筋と十一代目の血筋が交代で襲名することになっていたと思うのですが、将来、今の仁左衛門の孫が名跡を継承するときには、兄の我童同様、芦燕が十六代目仁左衛門を追贈されるんでしょうか?ちょっと気になるところです。

ということで、今年は思い出深い名優たちが鬼籍に入りますね~。時代の変わり目なんだろうなあ~。舞台は一期一会だって、つくづく思います。
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