切られお富!

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<訃報> 映画撮影監督 楠田浩之

2008-09-15 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
木下恵介監督作品なんかで知られる名カメラマン・楠田浩之氏が亡くなったそうです。ご冥福をお祈りいたします。『野菊の如き君なりき』なんか、大きなスクリーンで追悼上映したらいいんじゃないですかね?松竹さん!

・木下恵介作品の撮影監督、楠田浩之さん死去(ニュース記事)

松竹の名カメラマンとして知られた人だし、小津安二郎監督のカメラマン・厚田雄春さんと並ぶ職人だと思いますが、大島渚の『愛と希望の街』なんかも担当しているんですよね。

どの映画会社でもそうらしいけど、新人監督にはベテラン・カメラマンをつけるという「安全策」があって、『愛と希望の街』の担当になったらしいけど、大島渚が楠田氏の乗った車のドアを開けたところ、「君は監督なんだから、そういうことはしなくていいんだよ」と答えたなんて話もあるそうです。

わたしが楠田氏の名前を初めて意識したのは、岩波新書から出ていた『映画キャメラマンの世界』という本で、この本は楠田氏の助手を務めていた渡辺浩カメラマンの著書。

映画の撮影に興味のある方には入門書として、とてもいい本です。(ただ、どうも絶版らしいんだけど、古本はありますから。)

というわけで、繊細なモノクロ映像の『野菊の如き君なりき』や日本のカラー映画第一作『カルメン故郷に帰る』や『笛吹川』など、いいプリントで追悼上映してもらいたいものです。東劇が駄目なら京橋のフィルムセンターあたりでね。


野菊の如き君なりき

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笛吹川

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カルメン故郷に帰る

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愛と希望の街

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映画キャメラマンの世界 (岩波新書)
渡辺 浩
岩波書店

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