三島由紀夫の新しい全集にCDが付いているのは知っていたけど、その中に国立劇場の第一期研修生のために行われた特別講演が入っていたとは知らなかった!題して「悪の華」!!三島が歌舞伎の名台詞を口真似してますよ!!
わたしは図書館で借りてきたんだけど、約一時間の講演で、解説によると資料もメモもなしに一気呵成に三島は語ったという。
内容は、歌舞伎との出会いに始まり、歌舞伎の台詞の解説や彼の歌舞伎観が話されるわけだけど、要するに「歌舞伎とは不合理なもので、<善>より<悪>に繋がるもの。歌舞伎とは、いわば<悪の巣>である。そういうことをわかっていて歌舞伎の世界に入らなくちゃダメだ」という、いかにも三島的な教訓(?)が語られている。(コレ、国立劇場の講演なんだけどね~。)
彼の歌舞伎の原体験に関しては、幾つかのエッセイで書かれてはいるので目新しくはないのだけど、なんといっても聞き物は、彼の語る名台詞。浄瑠璃を読破していると豪語しているだけあって、ディテールに至るまで分析的で、初代吉右衛門の籠釣瓶の台詞の解説なんかは、歌舞伎の台詞論としても非常に分かりやすいものになっている。
しかし、このときの講演を聞いていた国立劇場の一期生は、今何を思うのかな?何人か歌舞伎界に残っているんだろうけど・・・。
というわけで、おすすめ!
わたしは図書館で借りてきたんだけど、約一時間の講演で、解説によると資料もメモもなしに一気呵成に三島は語ったという。
内容は、歌舞伎との出会いに始まり、歌舞伎の台詞の解説や彼の歌舞伎観が話されるわけだけど、要するに「歌舞伎とは不合理なもので、<善>より<悪>に繋がるもの。歌舞伎とは、いわば<悪の巣>である。そういうことをわかっていて歌舞伎の世界に入らなくちゃダメだ」という、いかにも三島的な教訓(?)が語られている。(コレ、国立劇場の講演なんだけどね~。)
彼の歌舞伎の原体験に関しては、幾つかのエッセイで書かれてはいるので目新しくはないのだけど、なんといっても聞き物は、彼の語る名台詞。浄瑠璃を読破していると豪語しているだけあって、ディテールに至るまで分析的で、初代吉右衛門の籠釣瓶の台詞の解説なんかは、歌舞伎の台詞論としても非常に分かりやすいものになっている。
しかし、このときの講演を聞いていた国立劇場の一期生は、今何を思うのかな?何人か歌舞伎界に残っているんだろうけど・・・。
というわけで、おすすめ!
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「くつろいだ酒の席の集りでは「知らざあ言ってきかせやしょう」と、 あまり上手でない歌舞伎のせりふをきかせてくれた」
という武田泰淳の評価もあるんですが・・・(笑)
引用は川西政明(編)『評論集 滅亡について 他三十篇』(岩波文庫,1992年 6月)p. 198.
ところで、武田泰淳の『滅亡について』、わたしも持っています。(古本で「冒険と計算」というのも持ってるけど。)
でも、個人的には、奥さんの武田百合子さんの方が好きかな~。