切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『おくりびと』 滝田洋二郎監督

2009-01-12 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
今年最初の映画鑑賞ということで、キネ旬第1位に輝いた『おくりびと』を観てきました。しかし、お客さんいっぱい入ってたなあ~。で、わたし、キネ旬とは相性悪いんですけどね~。

本木雅弘演じる主人公が失業したチェロ奏者で、地元に帰り、<遺体を納棺する仕事=納棺師>になるというのが話の縦糸。で、そこに彼の生い立ちや家族関係が絡んでいくというのが、簡単な概要ですかね~。

出演陣でいうと、妻役の広末涼子の田舎っぽさが割合この映画にあっていたし、役者としては山崎努と余貴美子が断然渋くてうまい!(因みに、本木&広末の濡れ場はちょっとドキッとしたかな~。)

正直言って、かなりのお涙頂戴映画だし、深い死生観というような作品でもないんだけど、この映画の渋い雰囲気を演出している大きな要素は、美術なんじゃないかというのがわたしが正直な感想。

具体的にいうと、「捨てられた世界」的な枯れた美術が印象的なのは、元喫茶店だったという主人公夫婦の家やNKエージェントの事務所、銭湯の外観や内装など。(机の形や柱の位置なんかは、鈴木清順作品で知られる木村威夫風な感じもしましたが・・・。)

美術の小川富美夫さんといえば、相米慎二作品なんかでも知られている人だけど、今回は演出を助けたよい美術だったんじゃないですか~。(予算の少なそうな作品だけど。)

というわけで、1位というほどかどうかはともかく、なかなかの佳作だとは思いました。日本アカデミー賞でも受賞するのかな~。

なお、この作品が遺作になった峰岸徹ってある意味幸せだと思いました。(最後を見ると判る!)

一応、おすすめ!

・公式HP

「おくりびと」オリジナルサウンドトラック
久石譲
UNIVERSAL SIGMA(P)(M)

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