教育基本法の論点って、野党の追及も含めズレまくっていて、どうも整理されていないのだけど、「愛国心」どうこうって問題じゃないんですよね。で、今回の法案についてはわたしは反対だったんだけど、何に反発しているかというと、愛国心という抽象的な話ではなくて、巧みな文言のいじり方が政策をゆがめることになりそうだからというのがその理由。具体的に説明すると・・・。
<現行法>
第10条 (教育行政) 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。
<政府案>
第16条(教育行政)
(1)教育は、不当な支配に服することなく、この法律および他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担および相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならないこと。
一読していただければわかるように、政府案が追加してきているのは、教育行政について、「この法律および他の法律の定めるところにより行われるべきもの」という規定と、「国と地方公共団体との適切な役割分担および相互の協力の下」で行うという言い方。
つまり、政府案が何を言わんとしているかというと、大雑把に言えば、教育再生会議を使って官邸主導で教育行政を左右する法律を作り、教育を変えていこうということなわけで、安倍政権がこの法案にこだわるのは、安倍政権にとってこの法案が大変役に立つからです。
教育基本法は「教育の憲法」という言い方がよくされますが、憲法とは「権力を縛る法律である」というのが憲法学の定説で、その談でいえば、教育基本法も政治権力の教育への介入を防ぐ為の法律だったということがいえます。
ところが、前述のように、「教育は、不当な支配に服することなく、」の後に「この法律および他の法律の定めるところにより行われるべきものであり」という文言を加えることで、見事に意味が逆転する。教育は政府が決めた法律どおりに行わなければならないものに!
こんなことをいうと、「行政っていうのは法律に従ってやるんだから当たり前じゃないの?」って思う人もいるかもしれないのだけど、現状の立法過程っていうのが問題になるということなわけ。
つまり、安倍ブレーンというわれる右寄り識者(中西輝政とか)が描いた絵にしたがって、現状非公開の「教育再生会議」によって具体策が策定され、教育基本法同様にやらせミーティング(今後はもっと巧妙になるんじゃないの?処分も甘いしね。それに、関わっているのは、電通と朝日広告だっていうじゃないですか?)がウソの民意を作り上げて世論調査を誘導し、教育が決まっていく・・・。
当面は、国旗国歌問題あたりを中心に日教組が標的にされていくんだろうけど、いじめにせよ学歴低下にせよモラルの低下にせよ、いまの弱体化した日教組のせいで起きているというのは問題のすり替えでしょう。
個人的には、日教組にもあまりシンパシーを感じないわたしだけれど、さすがに「新しい教科書を作る会」のメンバーの教育観も「新しい」とはとても思えないし、そういう人たちに力を与えかねない情況は、ちょっとまずいんじゃないかと思えてならない。
いまや後の祭りで、通ってしまった教育基本法改正だけれども、あまりにだらしなかった民主党(対案出せばいいってもんじゃない!)や、旧来的な左右対立図式でしか論点を語れなかった社民党・共産党、本来なら反対しそうなはずだった公明党など、論争を作り出すような言葉を紡げない政治家たちの情けなさって・・・。
とはいえ、安倍ブレーンや石原慎太郎みたいなオッサンの考え方で教育が主導されてもいいと多数派の国民が考えているのなら、しょうがないって気もしてくるんだけどね・・・。
改正教育基本法成立、鳩山氏「首相に教育語る資格ない」(朝日新聞) - goo ニュース
<現行法>
第10条 (教育行政) 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。
<政府案>
第16条(教育行政)
(1)教育は、不当な支配に服することなく、この法律および他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担および相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならないこと。
一読していただければわかるように、政府案が追加してきているのは、教育行政について、「この法律および他の法律の定めるところにより行われるべきもの」という規定と、「国と地方公共団体との適切な役割分担および相互の協力の下」で行うという言い方。
つまり、政府案が何を言わんとしているかというと、大雑把に言えば、教育再生会議を使って官邸主導で教育行政を左右する法律を作り、教育を変えていこうということなわけで、安倍政権がこの法案にこだわるのは、安倍政権にとってこの法案が大変役に立つからです。
教育基本法は「教育の憲法」という言い方がよくされますが、憲法とは「権力を縛る法律である」というのが憲法学の定説で、その談でいえば、教育基本法も政治権力の教育への介入を防ぐ為の法律だったということがいえます。
ところが、前述のように、「教育は、不当な支配に服することなく、」の後に「この法律および他の法律の定めるところにより行われるべきものであり」という文言を加えることで、見事に意味が逆転する。教育は政府が決めた法律どおりに行わなければならないものに!
こんなことをいうと、「行政っていうのは法律に従ってやるんだから当たり前じゃないの?」って思う人もいるかもしれないのだけど、現状の立法過程っていうのが問題になるということなわけ。
つまり、安倍ブレーンというわれる右寄り識者(中西輝政とか)が描いた絵にしたがって、現状非公開の「教育再生会議」によって具体策が策定され、教育基本法同様にやらせミーティング(今後はもっと巧妙になるんじゃないの?処分も甘いしね。それに、関わっているのは、電通と朝日広告だっていうじゃないですか?)がウソの民意を作り上げて世論調査を誘導し、教育が決まっていく・・・。
当面は、国旗国歌問題あたりを中心に日教組が標的にされていくんだろうけど、いじめにせよ学歴低下にせよモラルの低下にせよ、いまの弱体化した日教組のせいで起きているというのは問題のすり替えでしょう。
個人的には、日教組にもあまりシンパシーを感じないわたしだけれど、さすがに「新しい教科書を作る会」のメンバーの教育観も「新しい」とはとても思えないし、そういう人たちに力を与えかねない情況は、ちょっとまずいんじゃないかと思えてならない。
いまや後の祭りで、通ってしまった教育基本法改正だけれども、あまりにだらしなかった民主党(対案出せばいいってもんじゃない!)や、旧来的な左右対立図式でしか論点を語れなかった社民党・共産党、本来なら反対しそうなはずだった公明党など、論争を作り出すような言葉を紡げない政治家たちの情けなさって・・・。
とはいえ、安倍ブレーンや石原慎太郎みたいなオッサンの考え方で教育が主導されてもいいと多数派の国民が考えているのなら、しょうがないって気もしてくるんだけどね・・・。
改正教育基本法成立、鳩山氏「首相に教育語る資格ない」(朝日新聞) - goo ニュース
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