切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『憚りながら』 後藤忠政 著

2010-08-12 19:30:00 | 超読書日記
物騒な本を取り上げますが…。これは最近読んだ本の中でも、かなり面白かった!元山口幹部のインタビュー本だけど、世の中には法律では裁けない世界があるなあ~なんて思わせてくれる。そして、なぜか元気が出てくる一冊! でも、ヤクザには惚れないよ、ワタシ…。

だいたい、「成果主義」だとか「法律万能主義」みたいなウソにコロッとだまされているのは学生時代まででしょう。

社会に出れば筋が通らないことだらけなわけで、社会人にもなって、上記の虚妄にだまされているのは、相当なお人よしか特権階級だけだと思いますよ。

そういう意味で、社会のダークサイドが一種の必要悪だという感覚は、歌舞伎の好きな人にこそよくわかる話だと思いますね。(たとえば、黙阿弥の白波物なんて、表と裏の社会の交流の話ですものね。)

というわけで、本題に戻ると、この本に書かれた某宗教団体、政治家、銀行の醜悪さってなんだかなあ~と思います。しかも、彼らは法律に守られていて、一般人には手出しもできない存在。

そういう意味で、筆者の行動の痛快さは、社会の苦々しさを吹っ飛ばすパワーがあるんですよね。

ただ、さすがに全面肯定はできない面もあって、伊丹十三襲撃事件についてはもうちょっと説明してほしいところが残りました。

ま、特に印象に残ったのは糸山英太郎がほんと最低な男だってことかな~。それと、今話題のハマコーの借金の話も出てきます。また、ヤクザと興行界の話ってよく出てきますが、最近の実態について語った部分も興味深かった。

というわけで、暑い夏向けの本かもしれませんね~。おすすめ!

憚(はばか)りながら
後藤 忠政
宝島社

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