これは作家トルーマン・カポーティが傑作『冷血』を書き終えるまでを描いた映画。わたし、じつはカポーティ・ファンなので話のタネに観てみました。で、簡単に感想っ。
実在の殺人事件を綿密な取材によって描いたノンフィクション・ノベル『冷血』は、確かに凄い小説で、わたしも思春期に読んだときは随分興奮して、「こんなに美しい文章で書かれた小説の内容がすべて実話なんて・・・」という戦慄を覚えたものです。
でも、日本では『ティファニーで朝食を』の作者としての方が有名なんじゃないかな?(因みに、わたしが一番好きなのは『草の竪琴』と『遠い声、遠い部屋』。)
で、本題の映画ですが、主演の俳優がじつにカポーティの雰囲気をうまく出している!
「なんでそんなことがいえるんだ!」って言われそうですが、カポーティって、実は映画に出演したことがあるんですよね、『名探偵再登場』という作品で。
実物のカポーティは、小柄で「ニューヨークに一撃を喰らわせた」とまで呼ばれる甲高い声の持ち主。
その声質や佇まいをうまく演じていることには感心しました。
また、カポーティ・ファンなら知っている彼の交流関係が巧みに劇中に織り込まれていて、このあたりもなかなか面白い。
でも、あえて率直にいますが、この映画、小説『冷血』の持つ読後感からすると、随分ライトなんですよ、これでもね。
というのも、犯人二人の描き方が少し足りないというか、あれでは類型的な犯罪者像に見えてしまう。後年の対談本『カポーティとの対話』でも少し出てきますが、犯人二人はもうちょっと複雑な連中で、それゆえにカポーティはのめり込み、二人の死刑執行に立ち会ったとき、彼は嘔吐したといいます。
その深刻さにまで踏み込めなかったなあ~というのが、わたしの感想かな。
なので、この映画をきっかけにカポーティを知った人は、すぐに新潮文庫の『冷血』を手に取るべきです。
つまり、素晴らしい読書体験の呼び水としては合格点ということろですかね~。
因みに、この映画の実景の撮影は情緒があって素晴らしい。
それと、キューブリックの映画『ロリータ』に出てくるピーター・セラーズの登場シーンは絶対カポーティのマリリン・モンローと踊っている写真をイメージしていますよ!あんまり関係ないけれど・・・。
実在の殺人事件を綿密な取材によって描いたノンフィクション・ノベル『冷血』は、確かに凄い小説で、わたしも思春期に読んだときは随分興奮して、「こんなに美しい文章で書かれた小説の内容がすべて実話なんて・・・」という戦慄を覚えたものです。
でも、日本では『ティファニーで朝食を』の作者としての方が有名なんじゃないかな?(因みに、わたしが一番好きなのは『草の竪琴』と『遠い声、遠い部屋』。)
で、本題の映画ですが、主演の俳優がじつにカポーティの雰囲気をうまく出している!
「なんでそんなことがいえるんだ!」って言われそうですが、カポーティって、実は映画に出演したことがあるんですよね、『名探偵再登場』という作品で。
実物のカポーティは、小柄で「ニューヨークに一撃を喰らわせた」とまで呼ばれる甲高い声の持ち主。
その声質や佇まいをうまく演じていることには感心しました。
また、カポーティ・ファンなら知っている彼の交流関係が巧みに劇中に織り込まれていて、このあたりもなかなか面白い。
でも、あえて率直にいますが、この映画、小説『冷血』の持つ読後感からすると、随分ライトなんですよ、これでもね。
というのも、犯人二人の描き方が少し足りないというか、あれでは類型的な犯罪者像に見えてしまう。後年の対談本『カポーティとの対話』でも少し出てきますが、犯人二人はもうちょっと複雑な連中で、それゆえにカポーティはのめり込み、二人の死刑執行に立ち会ったとき、彼は嘔吐したといいます。
その深刻さにまで踏み込めなかったなあ~というのが、わたしの感想かな。
なので、この映画をきっかけにカポーティを知った人は、すぐに新潮文庫の『冷血』を手に取るべきです。
つまり、素晴らしい読書体験の呼び水としては合格点ということろですかね~。
因みに、この映画の実景の撮影は情緒があって素晴らしい。
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